このところ仕事のスケジュールに余裕があり、
連続して図書館から本を借りている。
昨夜読んだのは
「さよなら、仏教」(亜紀書房)で、
著者の高橋卓志さんは臨済宗の僧侶。
「葬式仏教」といわれる
現在の寺のあり方に疑問を持ち、
お寺のお布施などの透明化や、
生老病死を支えるための活動を続けている。
Q O L(quality of life / 生活あるいは人生の質)があるなら、
Q O D (quality of death / 死の質)も必要、
というのが著者の考えで、
そのため、
難病やガンなどにより末期を生きる人の
死を支えることを重視している。
海外にある、
終末期の患者をサポートする組織なども
多く訪問しており、
読んでいて
もっとも重く心に残ったのは、
ヨーロッパで自殺幇助が許されている国のこと。
もう治癒の見込みがなく、
激しい痛みに苦しみ、
心が折れてしまうまえに人生を終えたいと願う人に、
厳しい条件を満たしたうえで、
医師による合法的な死(いわゆる安楽死)が認められている。
基本的人権により
生きる権利があるなら、
死ぬ権利もあるはず・・・
でも、
もし自分が末期ガンなどで残された時間が少なく、
耐えがたい激痛に苦しみ、
もう人生を終えたいと思っているとき、
安楽死が認められたとして、
手渡された薬を自分で飲む、
あるいは点滴のコックを開く勇気があるだろうか・・・
あいまいな精神風土をもつ日本で、
このような制度が認められる可能性は少ないとしても、
末期ガンで逝った母の苦しみを思い返すにつけ、
考えておかなければならない問題だと・・・
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