日々逍遥

時のはざまで
ゆれる想いを記しています・・・

いのちの尊厳

2021-09-19 11:33:33 | 日記

 

このところ仕事のスケジュールに余裕があり、

連続して図書館から本を借りている。

 

昨夜読んだのは

「さよなら、仏教」(亜紀書房)で、

著者の高橋卓志さんは臨済宗の僧侶。

 

「葬式仏教」といわれる

現在の寺のあり方に疑問を持ち、

お寺のお布施などの透明化や、

生老病死を支えるための活動を続けている。

 

Q O L(quality of life / 生活あるいは人生の質)があるなら、

Q O D (quality of death / 死の質)も必要、

というのが著者の考えで、

 

そのため、

難病やガンなどにより末期を生きる人の

死を支えることを重視している。

 

海外にある、

終末期の患者をサポートする組織なども

多く訪問しており、

 

読んでいて

もっとも重く心に残ったのは、

ヨーロッパで自殺幇助が許されている国のこと。

 

もう治癒の見込みがなく、

激しい痛みに苦しみ、

心が折れてしまうまえに人生を終えたいと願う人に、

 

厳しい条件を満たしたうえで、

医師による合法的な死(いわゆる安楽死)が認められている。

 

基本的人権により

生きる権利があるなら、

死ぬ権利もあるはず・・・

 

でも、

もし自分が末期ガンなどで残された時間が少なく、

耐えがたい激痛に苦しみ、

もう人生を終えたいと思っているとき、

 

安楽死が認められたとして、

手渡された薬を自分で飲む、

あるいは点滴のコックを開く勇気があるだろうか・・・

 

あいまいな精神風土をもつ日本で、

このような制度が認められる可能性は少ないとしても、

 

末期ガンで逝った母の苦しみを思い返すにつけ、

考えておかなければならない問題だと・・・

 

 

Copyright © 2021 .日々逍遥. All rights reserved.

コメント