今日も天気の急変に要注意、島岡美延です。
まさに舞台上で雷鳴が轟く物語を国立劇場小劇場で観てきました。『中村京蔵 爽涼の會 フェードル』、歌舞伎俳優がカタカナの主人公を演じる、なんといってもフランス古典悲劇、ベースにあるのはギリシャ神話！
緞帳が上がると映像で海や馬車、振り落としで現れたのは歌舞伎時代物の立派な御殿。豪華な着物で演じるのは王家の人々。京蔵さんのフェードルは父親がクレタ島の王。英雄テゼ（池田努）と結婚するも女神ビーナスの企みで、テゼと先妻の息子であるイボリット（須賀貴匡）に不義の恋をしてしまう。一方イボリットは父の政敵の娘アリシー（植本純米）と禁じられた恋――。
セリフは七五調でなく、ヴァイオリンの音色が響くなど、歌舞伎の要素と違うけど妙にしっくり。このドロドロした感じ、実は歌舞伎にも多いのです。花道も使うし大波を表す布なども。京蔵さん自身、国立劇場の俳優養成所出身で、最高の舞台に。花組芝居の植本さんも相変わらず素敵な姫でした。
世界陸上開幕、パリ五輪目指す選手たち、頑張れ、島岡美延です。福岡開催だった世界水泳は日本選手の活躍は乏しく、選手と連盟のコミュニケーション不足が報じられる始末。
オンライン、非接触・・・、コロナ禍を経てそれらが進んだ一方で、長所短所、色々な見直しも。映画館のチケットは、画面にタッチしてカード決済することが多いけど、「超」がつくほどアナログな仕組みだった横浜シネマリン、かえって新鮮でした。受付の人と話しながら現金を払うのが、正直、嬉しかったのです。
レストランのタッチパネルは、さらにスマホから注文するよう言われ、配膳ロボットが動き回り（使ったことないけど）、会計もセルフレジになっていたり。先日、ある店でお皿の置き方がやや乱暴でびっくり。ただこれで何か言ったら、アルバイトは辞めちゃうかも。お盆の人手確保、本当に大変なのだろうなと感じながら見守りました。
どんどん人との接点がなくなる店内。効率がいいようで、企業によって考え方、方針は色々ですね。
朝から暑すぎ、今日も猛暑対策を、島岡美延です。
横浜はとても暑かったけど、戦争の沖縄は地獄そのものだったか。映画『丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部』を横浜シネマリンで母と見ました。支払いは現金のみ、座席指定は紙に赤ペンで購入済の印、スクリーンは1つ、若い人も来ていました。
広島・長崎の原爆の恐ろしさを描いた《原爆の図》15部。丸木夫妻が晩年に取り組んだのが地上戦を体験した沖縄。「空襲と地上戦は違う」とはっきり感じながら。このドキュメンタリーは《沖縄戦の図》全14部を紹介する初めての試み。沖縄の人々の切実な「命どぅ宝（命こそ宝）」に、共感共苦した二人。
1982~87年の制作風景はもちろん、沖縄戦を三線と歌で伝えようとする現代の若者の挑戦も織り込みながら、ナレーションはジョン・カビラ、山根基世。
戦後40年ほどで語るのも辛かったはずの体験、それを託された丸木夫妻の筆。佐喜眞美術館で『沖縄戦の図 全14部展』開催中（来年1月まで）。
猛暑でカラスの行動も変わるのか、島岡美延です。ゴミ置き場近くから飛び立ったカラスがくわえていたのは、人間の残飯ではなく、スズメ！ 雑食のカラスは鳩だって襲うそうだけど、ちょっと衝撃的な光景。
こちらは衝撃的な人間の行為。映画『兎たちの暴走（25日公開）』をご紹介します。中国で2011年に起きた、母と娘が娘の同級生を誘拐した事件から着想を得て、上海生まれの女性監督シェン・ユーが共同脚本も手掛けてデビュー。
17歳の高校生シュイ・チンは重工業が盛んな四川省攀枝花（ﾊﾝｼｶ）市で父親と継母と弟の4人暮らし。お金持ちだけど両親不仲なジン・シー、美人だけど父親の暴力に怯えるマー・ユエユエと喧嘩しながらも毎日楽しく高校生活を送っていた。ある日、生まれて間もないシュイ・チンと古い街を捨て、成都へ行った実の母が戻ってくる。ダンサーである憧れの母との再会がシュイ・チンの生活を一変させ、信じがたい方向へ――。
憶病な兎が何かを守ろうと追い詰められた時、悲劇が。
昨日も新幹線運休で大混乱、島岡美延です。会社員ではないので「お盆休み」の旅行は避けている私ですが、台風7号は去っても日本列島に大雨を供給。
各地で音楽イベントも盛んな時期、ただ、この夏、もう彼はいない――。映画『シーナ＆ロケッツ 鮎川誠～ロックと家族の絆～（25日公開）』をご紹介します。出身地の福岡県で先行公開のドキュメンタリー。今年1月に74歳で亡くなったロックギタリスト、鮎川誠。妻と3人の娘たちと過ごす時間を何より大切にした優しい家庭人でもありました。
昨年、結成45周年を迎えたシーナ＆ロケッツ。結婚、出産後に、未経験ながらシーナがヴォーカルとしてデビュー。ずっと「生活とロックはイコール」だった家族。2015年、病気でシーナが61歳で死去、メンバーさえもバンドはここまで、と思ったものの、鮎川は続行を決断。さらに精力的にライブを行い、末娘がヴォーカルとして正式加入、そして2022年、病気を公表せず、立ち続けたステージ。「死ぬまでロック」を貫いた人生！
台風7号は日本海を北上、島岡美延です。台風情報はどうしても「進路」に気を取られます。鳥取市の大雨特別警報に驚いたし、昨夜の突然の雨にまだ油断できず、と再認識。
昨日の終戦の日、日本で暮らしながら想いは複雑だった人も――。映画『かかってこいよ世界（25日公開）』をご紹介します。先日のラジオに梶原阿貴プロデューサーと脚本の畠中沙紀さんが登場。内田佑季監督はコロナでやむなく欠席。この3人に主演・音楽も女性チームって、日本映画としては稀有。タイトル通り、私たちを揺さぶる物語。
脚本家を目指している浜田真紀（佐藤玲）は新井国秀（飛葉大樹）と運命的な出会いを果たし恋に落ちる。国秀が配給する映画を真紀の祖父（菅田俊）が営む「白鯨座」で上映することが決まり、二人の仲も深まっていったある夜、国秀は真紀に自分が在日韓国人3世だと打ち明ける。白鯨座の炎上騒動、過干渉の真紀の母の登場で二人の関係が・・・。果たして真紀は自分の〈差別心〉と戦い、国秀と向き合うことができるのか。
終戦の日、台風7号は紀伊半島に上陸、島岡美延です。9日の長崎の平和記念式典は台風6号で縮小、今日の日本武道館での戦没者追悼式、台風で出席できない人も多そう。
さて、今月の姿勢テーマ『しっかり眠って体調管理を』を実践していますか？ 台風の影響で湿度がかなり高い日が続いています。ギラギラした太陽がないので油断しがちですが、高い湿度のせいで熱中症になり、亡くなる人も。
今年は「夜中の熱中症」への注意喚起が増えています。昼間の熱をため込んだ建物、部屋は温度が下がりきらないまま。エアコンを使っても「寝ようとする時間帯に涼しければ」と考える人が多いのも実情。タイマーで数時間後に切れる設定にしていませんか。
これではやっと眠ったところに暑さが襲います。結局、寝苦しく、睡眠が妨げられることに。猛暑、酷暑、台風・・・、過ごしやすい季節は当分、先のこと。しっかりエアコンを使って、夜はしっかり眠りましょう。栄養ドリンクで無理やり眠気を飛ばすより、夜中の睡眠確保！
台風7号はゆっくり北西へ、島岡美延です。連休前には首都圏直撃コースを覚悟しましたが、明日、紀伊半島に上陸しそう。もちろん、台風から離れていても大雨、強風は油断できず。
戦争関連番組を見ながら、子どもや若い世代への教育、大人の行動が国民の空気を作り上げていったことに辛く、苦しくなります。ピノチェト政権下のチリに実在した〈コロニア・ディグニダ〉。規律正しい特別な教育を受けられると入れられた寄宿舎で、少年たちは強制労働や性暴力被害に。
そこからインスパイアされたという映画『オオカミの家（19日公開）』をご紹介します。チリ南部のある施設から脱走し、森の中の一軒家で二匹の子ブタと出会った娘マリアの身に起きる悪夢のような出来事を描いた物語。
レオン＆コシーニャ監督の〈異形の〉ストップモーション・アニメーションは全編カメラが止まることなくワンシーン・ワンカットで空間が変容し続ける――。怖くて、暗い。でも絵画や立体造形の動きに釘付けになる唯一無二の世界。
昨日で日航機墜落事故から38年、島岡美延です。1985年は戦後40年。時代はバブルへ突入――。私も昭和から平成、令和と生きてきたなあと思いながら、2冊の本を続けて読みました。
先月のEテレ『100分de名著』の題材、林芙美子著『放浪記』。約100年前、飢えや絶望に苦しみながらもあっけらかんとした明るさ、したたかさで生き抜く若い芙美子の自伝的小説。女性たちはこんなふうに生きられたらと思ったのか。それにしてもたくましくて、確かに今読んでも面白い。文壇の男たちにはかなり嫌われていたらしいけど。
そして宮﨑駿監督の新作の中にちらりと登場する本、吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』。日中戦争が始まった1937年出版の小説。中学2年生のコペル君に叔父さんが語りかける。道徳・倫理を少年少女に教える性格が強い作品なので、叔父さんは「男らしく」を説き、コペル君も「役にたつ人間になりたい」と日々考えている。
自分が知らない時代の小説に触れて、色々考える、夏。
「たら、れば」と言いたくなる、なでしこの惜敗、島岡美延です。VARやポストが立ちはだかったけど、スウェーデンに次は勝てそうな。パリ五輪のメダルに期待が膨らみます。
何があろうと、毎日の営みこそが大事。そんな日々を送っていますか？ 映画『高野（たかの）豆腐店の春（18日公開）』をご紹介します。三原光尋監督と三度目のタッグの藤竜也が、頑固な豆腐屋の主人。
尾道の風情ある下町。陽が昇る前に工場に入り、こだわりの大豆、水、にがりで豆腐を作るのは、父・辰雄と娘の春（麻生久美子）。弱っている心臓の手術を勧められた辰雄は、春の再婚相手探しを仲間（徳井優、菅原大吉、山田雅人ら）に頼む。本人に内緒でお見合い作戦を立てるも、春には好きな相手（桂やまと）が。一方、辰雄はスーパーの清掃員のふみえ（中村久美）と言葉を交わすようになり――。
工場に差し込む朝日が美しく、「本物の豆腐」を味わいたくなります。広島・尾道の街にとっての戦争の記憶もまた、物語の奥にあるテーマ。
