1945年の7月、奈良の興福寺にあった国宝の仏像が、20体ほど列車にのせられました。そして、総一郎の住む家の土蔵にあずけられました。
少年の宗一郎は、阿修羅さんに向かって日本の勝利を祈っていた。
戦火から逃れるために仏像などが引っ越ししていた事実を伝えるとともに、戦争に対しての思いがいろいろと描かれています。
クラス会で、小学生のときの不思議なできごとの体験談大会になった。その六人の話が本になったらいいなって、北森のところへ依頼の電話がかかってきたのだった。
第二話 亀
福山聡(さとし)は学校を休むようになっていた。父は休むことを気にしていなかった。進学教室にかよっていて、成績も上がってきていたので、母ももんくを言わなくなってきた。
梅雨に入ってまもないころ、一人の少年がやってきた。学校からプリントを持ってきた。しかし、その少年のことを聡は知らなかった。おととい転校してきたのだという。二度、三度と彼はやってきた。三度目に訪ねてきた時「長ぐつをはいてきなよ」と言われた。少年は聡を小川まで連れていった。川に入って少年が取ったのは‥
第四話 黒薔薇病院の怪
夏、胃腸炎みたいな病気で、入院した沢井豊(ゆたか)。四人部屋に入院してたのは自分と、高校生の女の子、二人だけだった。
夜の十時ごろ、きゅうに看護婦さんが入ってきて、「いたずらしちゃ、だめでしょ!」と言った。豊は、ナースコールを押してはいなかった。
次の日、豊と明子さんが、売店に行こうとエレベーターに乗るとガクンとゆれて、エレベーターが止まった。暗闇の中、明子さんは豊におおいかぶさるように抱きしめてくれた。豊の背中には明子さんの両手があった。それなのに、だれかが豊かの顔をさわった。さわったっていうより、なめたって感じだった。
このような不思議な話が6つと、もう一つのお話が入っています。不思議な話に惹きつけられて、どんどん読んでいける一冊です。
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運良く、イベントスペースに他のお客さんがいなかったちめ、シゲリさんにいろいろ説明してもらうことができました。
ある日納屋にアンスウェリカと少女が眠っているのを見つけたエディック修道士。アンスウェリカは、みんなを震え上がらせている怖いヤギ。人に頭突きを喰らわしたり、お尻を噛んだりする。少女は目覚めると自分のことを何も覚えていないと言った。一方、お城では王様が少女の行方を追うように命じていた。
300ページのボリュームだが、一巻で完結すると思うと頑張れる。勇気あるものたちと、勇気のない人が、変わっていく姿も心打たれます。
小川糸
ポプラ文庫
癌のステージ4を言い渡された雫。苦しい治療の後選んだのは瀬戸内のホスピス“ライオン”での暮らしだった。海を見ながらゆっくりと休みたかった。孤独な雫だったが、ライオンでの暮らしの中で、かけがえのないものに出会う。
毎週日曜日三時に出るおやつは入居者のリクエストによるものだ。一つ一つにドラマがあった。
ホスピスの食事は島で一番美味しいと言われるほど評判で、このライオンを立ち上げた“マドンナ”さんの愛情を感じる。入居者らは毎朝お粥を食べるのだが、毎回違うお粥。病院のとはちがって、ふわふわの湯気の立つお粥。毎日違う味付けで、“あずき粥”が出てきた時は、どんな味だろう、食べてみたい!と思いました。