著者 パドマ・ヴェンカトラマン
訳者 田中奈津子
講談社
ラクとヴィジはひとつ違いの姉妹。ラクはお姉さんだが年下みたいだった。話し方がたどたどしいし、背中が丸まっているからヴィジより背が低かった。母さんは自分よりカースト(インドの身分階級)の低い父さんと駆け落ちして夫婦になった。しかし、今、父さんは母さんに暴力を振るう。ヴィジの誕生日に父さんは母さんをどなりつけ、母さんの腕の骨を折って家を飛び出していった。次の日、父さんは娘たちへプレゼントだと包みを置いた。しかし、父さんが原因で揉め事になり、反抗した娘たちに暴力を振るった。
ヴィジは、ラクを連れて家出した。バスで街へ出ると、ふたりを無理矢理に連れて行こうとする大人がいた。「このうすよごれた下層カーストのガキが!」逃げる二人に優しくしてくれる大人がいたり、橋の上でともに住む仲間もできた。その仲間はゴミ拾いの仕事を教えてくれた。その日その日を食いつなぐささやかなくらしを脅かすものがいて‥
インドの厳しい現状が書かれていました。家族の問題、カースト制度、障害を持つ子の生きづらさ、ストリートチルドレンのことなど、世界のことに目を向けられる本だと思います。