著者 ハリエット=ストウ
訳者 中山知子
ポプラ社
ケンタッキー州に住むシェルビー氏は
借金のため、長年使えていた使用人の
トムを、手放そうとしていた。さらに
商人のヘイリーは、美人の使用人イライザの愛する息子まで差し出すように要求してきた。その話を聞いてしまったイライザは子供とともに逃亡を図った。かたやトムは主人や使用人たちのために、妻や子供と別れて、売られていった。そして船に乗り込んだ。船では自分と同じように買われた女が、子供と引き裂かれ、海に身を投げてしまう。しかし、幸運にもトムは親切な少女と出会い、その父親に、買われることになった。親切な主人とニューオリンズに渡ったトムは娘エバとの友情を深めていった。エバは宝石など欲しくない。それより宝石を売り、そのお金で奴隷のない州に召使いたちを解放させたいとまで考える美しい心の持ち主だった。しかし、エバや、その家族にも不幸が訪れて、トムは売られていった。上等な服は奪われ、粗末な野良着一つになったトム。そこは、家畜のように奴隷を扱う過酷な世界だった。しかし、強いものに屈しないトムの根底にあったものは・・。