山本悦子 著
くまおり純 絵
講談社
小学校の通学班、双葉町三班。全員で六人。
六年生の里奈ちゃん(班長)
六年生のパウロくん
五年生の原田真紀
四年生の圭太
二年生のティアラちゃん
一年生のつばさ
今日は台風のせいで、三時間目の途中から下校することになった。うちからのお迎えのない
五人はいっしょに下校することに。
真紀は、マンションの前で、つばさと別れた。
マンションに入り、ベランダに出て下をのぞくと、つばさの姿が見えた。カギがないと言っている。いつも家にいるおばあちゃんは、出かけているらしい。つばさのママが帰るまで、真紀は家にあげてやり遊んで過ごした。そんなことが。もう一度あった、その夜、つばさがまきの家から冷凍のエビクリームパスタを勝手に持ってきてしまっていたことが判明した。親同士の関係もぎくしゃくしたものとなった。
次の日まきは、学校の後つばさの家を訪ねた。誰も出てこない。物置の方にまわると、つばさがいた。ここは、つばさの部屋なのだという。実は、おばあちゃんが認知症で、外に出られないように家の戸が開かないようにしてあるらしい。まきと、圭太は、つばさの家の事情を知った。運動会が近づき、みんな楽しみにしていたが、つばさが学校に来なくなってしまう。
つばさの家庭の事情と、それを心配しているまき、圭太、班長の里奈、それぞれの視点から、物語が進んでいく。
通学班の物語なんて珍しい。毎日のことだから、なかよくないと、朝からテンション下がってしまうと思う。まきちゃんのやさしいところや、つばさの素直なところに癒されながら読みました。