辻内智貴
小学館文庫
ある炭鉱の町で知らない人がいないというほど、万引きや警察から逃げたなどの評判の悪い少年がいた。守(まもる)はそんな信さんのことは知っていたが、ある事件がきっかけで仲良くなった。荒んでいた信さんが守の家で遊ぶうちに、問題を起こさなくなっていった。
信さんの悲しさは彼の境遇にあったのだろうと思われるが、その悲しさを埋めてくれたのは‥
荒々しく誰もが眉をひそめるような問題児が、そのエネルギーを大切な人へ向けた時、深い愛情に変わる‥不器用だけれどそのまっすぐな愛を目の当たりにして心が震えました。とても良い本でした。