2度目読みました。
図書館で読んで、また、子どもたちに紹介するために読みました。
とても素敵な世界観です。人魚であることを隠し、転校生してきた夏。千里は、夏の素性がバレないようにクラスで、気を遣いながらいい時間を過ごして行きます。
夏は人魚であるがため性別はわかりません。外見はとても美しいので最初はみんなチヤホヤしますが、だんだん〇〇なのにおかしいとか、〇〇やるべきだなどと離れて行きます。
ファンタジーのは印象が強いですが、私たちの社会は、性別をはっきりさせなければいけない社会になっていることに気付かされます。
千里の夏への思いやりはあちこちにあふれていますが、夏も千里が一人ぼっちにならないよう、"千里に友だちができるまで仲良くするのをやめていた"というところが、すごく愛に溢れていると思いました。2人だけで仲良くしていたら自分が消えた時、千里が一人ぼっちになってしまうから。
そして、周りの仲良しの子も夏の秘密を聞きたがりますが、最後は一歩引きます。"友だちのことを考え、自分ことを一番に考えない"この言葉がとても心に沁みました。