さて、前方までも立ち入り禁止で
私(わたくし)は引き返すべきだったのですが、
左の斜面を見上げると、何だか人が通れそうな感じがします。
そこで私(わたくし)は、そこを登ってゆけば
そのうち登山道に行き当たるだろうと思い、登ってゆくことにしました。
道無き斜面をしばらく登り、雑木に阻まれて通れない所は
方向を変えて進んでゆきます。
最初は通って来た(道)を覚えてましたが、そのうち登山道に行き当たるという思いがあったので、気にしなくなってしまいました。
前かがみになりながら、雑木の隙間を縫うように
急斜面では木や枝に摑まりながら、どんどん進んでゆきます。
尾根沿いに「そろそろ目的地に近いかな」と思わせるようなところもあったので、
少々無理して進んでましたが、
ようやく自分がとった行動の”ヤバさ”に気づくことになるのです。
行き着いたのは全く見覚えのない「崖」でした。
はるか遠くの方に麓の景色が見えたので、だいたいの方角はわかりましたが、しかし今まで来たようなところを引き返さなくてはなりません。
しかもその時、すでに自分がどちらから来たのかわからなくなってました。
つまりは引き返すルートは、通れるところをまた新たに選びながら下ってゆくことになります。
来たルートを辿れれば、かかる時間も同じで帰れます。
だがしかし、新たなルートとなるとそうはいきません。
どのような形でか、進めなくなる可能性があったりすると
また引き返し、別のルートを辿らなければなりません。
そうなると、日没までに脱出できない可能性が十分にあります。
少々パニクってる自分がそこにいました。
そのつもりはなくても焦りが出てしまいます。
薄暗い雑木林を見た時は、日没がいかにヤバイか感じました。
なんとか抜け出すことができ、事なきを得ましたが
いい教訓になりました。
1.どんな山でも甘く見ない。最低限の装備は整えること。
2.ちゃんと登山道を歩き、道なき道に踏み込まない。
3.根拠のない「だろう」は禁物。
4.ルートをしっかり確認すること。
5.午前を過ぎたら登らない。
そしておのれに一言、もの申し上げます。
なんか変だと感じたら
後に引けなくなる前に
引き返したまへ!!!