整備士がハンドツールを使って作業をするのを見るのは大好きである。
工場内立ち入り禁止にしているところも多いが、私が熱心に見ているのに気づくと見せてくれる場合もある。
出来る人を見ていると、まず使うツールの選択が適切で迷いがない。
例えばバイクで馴染みのキャップボルト(六角穴付ボルト)は装置の小型化に対応した省スペースで
高い締め付け力を有し幅広く使用されているが、私は二面幅が一発では認識できず、穴にあてがって
選ぶことがままあるのだが、出来る人はほぼ迷い無く一発でどんぴしゃのサイズを選び、L字レンチにするのか、
ラチェットにするのか、ラチェットもT字スライドにするのか、普通のか、首振りか固定か、ラチェットはギアの
枚数が多いかどうかとかをその作業スペースやボルトの締り具合を判断していて、レンチをスッと穴の奥まで
十分に収めて回すので見ていても危なげないが、下手糞はサイズを迷った末にしっかりと奥まで掛けないから
穴を舐めないかと心配になったり、ラチェットを周囲にガチャガチャとぶつけたりする。
それとこの部品を取り外すためにはどの順序でどのボルトを抜いていくのが最適なのかという読みも凄い、
これは必ずしも整備マニュアルに示された手順とは合致しない場合もあるが、経験と創意工夫、それにセンス
性格的には慎重且つ大胆というのが向いているような気がする。
基本、目的と関係無いパーツやボルトは出来るだけ触らない事が効率も良くリスクも少ないのは言うまでもない、
「エッ、もう外しちゃったの」というのが出来る人、片っ端からパーツを外して「おいおいそんなにあれこれ外さないと
いけないの~、組み立て調整が大変そうだよ」というのが下手糞で、後でボルトやワッシャーの数が合わなくなったり、
ボルトの位置合せに苦労するのは目に見えている。
それと出来る人の手は綺麗で傷が少ないけど、普段手袋は余り使わない人が多い気がするのはたまたまの
事だろうか・・・
ぽちっと宜しくです