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スポーツ観戦&体験記、
映画&ドラマ鑑賞記、
日々の出来事などを、綴ってまいります

山田太一ドラマの中の、千葉ちゃん

2007-05-26 08:34:35 | S.Chiba
 金曜プレステージ「山田太一スペシャル、星ひとつの夜」を見る。

 山田太一と聞くと、とても気に入っている「深夜にようこそ」「夢に見た日々」の千葉ちゃんをすぐ連想してしまう。

 昨日のドラマ主役は、渡辺謙、そして、玉木宏台詞は山田太一脚本ならではの間合い、同じような言葉の受け答えの繰り返し間合いなど、独特の世界が今回も楽しめた。

 途中、何度も、渡辺謙の台詞を、千葉ちゃんが言ったら・・・と、想像してしまう。山田太一作品の中の千葉ちゃんの演技は、間合い、語気、微妙なニュアンスの変化など、他の脚本家のパワフルな千葉ちゃんの役柄の演技とは一風異なる、繊細でナイーブな大人の魅力に溢れていて、いつも惹きつけられてしまう。それは、千葉ちゃんのならではの魅力であり雰囲気で、それが山田太一さんの台詞回しの中で、きらりと光って見えるのは自分だけではないだろう。実際、未見の千葉ちゃんファンに「夢に見た日々」を見てもらうと、皆気に入ってくれる。「良かったー!!」と言ってくれる。

 今回のドラマの主役は、今の千葉ちゃんには、もちろん若すぎる。今の千葉ちゃんにあった山田太一作品を是非見てみたいと、改めて思ってしまった。「夢に見た日々」の50歳の千葉ちゃんから、18年。その間に蓄えた千葉ちゃんの魅力が、山田太一脚本によってどんな風に表現されるのか、興味が尽きない。もう二人のコラボレーションは見られないのだろうか・・・もう一度、山田太一脚本の中の千葉ちゃんの演技を見てみたいと思うファンは少なくない筈だ。

 
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板垣のいない甲斐ー『風林火山』鑑賞記20

2007-05-25 23:36:59 | S.Chiba
              第20回 「軍師誕生」 
 
 遂に、千葉ちゃん板垣無しで、晴信(市川亀治郎)が勘助(内野聖陽)を頼りに動き出す。どうにも寂しい。一月から4ヶ月以上毎週見続けていた千葉ちゃん・板垣の姿、声がない。しかし、晴信は前進あるのみ!!戦いはまだまだ終わらない。板垣が命を落とすことになる、晴信の前に立ちはだかる、今迄で最大の敵・村上義清(永島敏行)が登場する。

 戦さの際には、常に勘助の意見を聞こうとする晴信。勘助は策を用いて城を落とす戦法。二人のやり方に異議があるかのように、勘助を正式に軍師として用いるよう晴信に進言する、家老・諸角虎定(加藤武)。それを受け、晴信も今回の城攻め成功のあかつきは、勘助を軍師にすると宣言する。何か言いたそうな甘利(竜雷太)の表情が気になる。

 果たして、相木市兵衛(近藤芳正)らは勘助と通じ、飯富虎昌(金田明夫)が乗り込み城を落とす。この戦いも、エキストラを含め迫力がある。カメラがとらえるエキストラの表情一挙手一同にも、注目してみてしまう。城を落とし、はれて軍師となり、陣羽織と紋入り眼帯を晴信から送られた勘助は震えるほどの感激様。潤んだ目の勘助を見つめる晴信の目にも涙が。出会い、再会、別れ、再再会。敵から味方に、そして、今、信頼を寄せる軍師として、重臣たちと並んで座る勘助との運命の出会い・縁を、晴信は思っていたか・・・互いに潤んだ瞳が、胸を熱くする

 一方女達の戦いも今だ続く。三条夫人の由布姫への心遣いは、晴信への愛であり、自分の気持ちとの戦い。対する由布姫は、運命を受け入れる覚悟が今だ中途半端な事を、理解しつつも受け入れられないジレンマと、戦っている。勘助を思いのはけ口にしてみても、心は晴れない。それもその筈周りは、戦国の女たちであり、由布姫はまだまだ娘。しかし、武田家に来た以上、大人の女たちの感情を持って生きなければならない悲しさに、同胞の勘助に辛く当たってみても、知らず知らずの内に心惹かれ自ら迫っていく大きな瞳の中に篭もった思いが、胸に突き刺さる
 
 三条夫人は、自ら送った笛の音に、由布姫の気持ちの変化を感じ取り、胸を締め付けられ、一方、由布姫も地獄を生きる覚悟をし、心は親の仇・晴信を恨みつつ、惹かれていく二つの思いを受け入れられず苦しむ

 大森脚本の醍醐味は、全ての人間が善人であり、人を思いやり悩みながら生きている人間の多面性を、描いているところ全てのキャストが、恨みと思いやり、優しさと怒り、愛おしさと憎しみ、複雑な思いを抱えて生きている。

 来週は、強敵・村上氏の立ち向かう晴信と、胸の奥の複雑な思いを抱え苦しみもがく由布姫を中心に展開する模様?!果たして、板垣の心境は?出番は?今から気になるところ。

 明日のNHKまるエヌニュースで、最終収録を終えた千葉ちゃん板垣の様子が写るそう。嬉しいけれど、本当に寂しい!(:--:)


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遠く見守る板垣ー『風林火山』鑑賞記19

2007-05-18 00:05:55 | S.Chiba
           第19回 「呪いの笛」

 今回は千葉ちゃん・板垣の出番は2シーン。諏訪から帰ってきて勘助(内野聖陽)に会うシーンでは、香を焚きながら、晴信(市川亀治郎)が諏訪の領民に評判がいいと上機嫌で勘助に話す。板垣のにこやかな表情は久しぶりだが、贅沢を言えば、勇ましいシーンがないのがちょっと物足りない。由布姫(柴本幸)のことを、戦の後始末の一つと話す勘助を見つめる板垣。勘助の真意は?戦の事しか考えていないのか?勘助の様子が気にかかる板垣の表情。

 お方様(池脇千鶴)と由布姫、そしてお付きの女達の、激しい思いを胸に秘めた冷ややかななかな戦いを、遠くから見つめる板垣。その表情の奥にある気持ちは?諏訪からつれて来た由布姫気がかりだが、唯、黙って遠くから見守るしかない板垣だ。

 いつも心に残る台詞が出てくる大森寿美男脚本だが、今回も、印象に残る台詞がいっぱい。切ない女心がいたるところに垣間見られる今回、まず由布姫の元に訪れたの三条夫人「御屋方様はあまり見目麗しいとはいえませぬ。」の台詞に、思わず笑ってしまった。けれど続けて「それじゃとて気落ちしてはなりませぬぞ。御屋方様の良さは見た目ではわからぬ。そのうるわしさは、寄り添うてみて、すぐに分かるというもの・・・」と、続ける言葉に正妻の自身、誇り、自負、愛情?!が、伝わってくる。
 
 今回は、女性陣にやられっぱなしの勘助萩野(浅田美代子)に「無礼者!」と罵られ三条夫人の贈り物の笛を確かめると由布姫に「恥ずかしいとは思わぬのか」と叱咤される始末。女心を読むのは苦手な勘助、女の戦の軍師は無理?!「笛の音までは調べませなんだ」と一言「笛はお方様の呪いかと・・・」と下の家来に言われ、晴信も笑い飛ばすが・・・

 そして、題名の『呪い笛?!』の音が流れ出す。由布姫・柴本幸の笛を吹く姿は、初々しい美しさで、新人ながらも堂々たる演技。その横で目を瞑り腕を組んで聞き入る晴信は、優しくもあり、猛々しくも有りと、女優人の迫真の演技に、男らしさを見せ付け堂々と受け手立つ。脇差しを握りしめた由布姫と、笛を手にした晴信が見つめ合い戦うシーンは、息が詰まる気迫がこもった見応え充分のシーン。「すまぬなぁ、そなたに打たれてやることはできぬのじゃ。・・・そなたを受け入れた三条の為にも・・・家臣・領民・・・国と国が一つに結ばれる為に・・・」と由布姫に語りかける晴信。「一人の女人ではない。」と続け「そなたは、まことに一人か?・・・・私は一人である事を捨てて、かえって独りきりになってしまった。それも定め。」「そなたとなら、その定めも分かち合えよう・・・勘助の為にもそなたに打たれるわけにはいかぬ・・・」「いずれにせよ、人は一人では生きられぬ」晴信の言葉に、身体の緊張が溶けがくり膝を落とし、晴信を、定めを、受け入れる覚悟をする由布姫。

 一方、「和子ができねば・・・」と、渋い顔を並べる、板垣がいなくなった重臣たちの会話。男達は戦の外では、難しい顔をしてもどうにも決まらない?!(笑)

 笛の音が、由布姫、晴信、三条夫人のそれぞれの心模様を伝えるラストと共に、なんとも切なく「女心」「定め」を語る大森脚本の台詞が、心に沁みていった19回、「多少お目が潤んでおるほうが、殿方は油断しまする」という言葉も忘れられない台詞だ。
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板垣、束の間の笑みー『風林火山』鑑賞記18

2007-05-11 00:08:11 | S.Chiba
           第18回 「生か死か」

 今回の板垣・千葉ちゃんは、珍しく笑顔がいっぱい。とはいえ、重臣として、傳役として、勘助(内野聖陽)を推挙し?!由布姫(柴本幸)をあづかる立場から、心配事は尽きない。

 由布姫を自分の屋敷に丁重に迎え入れた板垣の、大きな瞳が由姫の言葉に揺れる。「手荒く扱われたほうが気が休まりまする。」と真っ直ぐ前を見て話す由布姫。肩を落とす板垣のなんともやるせない表情。晴信よりも、勘助よりも、由布姫は、難しい?手が焼ける?!

 勢ぞろいした重臣たちの前で、遂に晴信(市川亀治郎)が「由布姫を側室に迎えようと思う」と宣言する。早速、「おそれながら」と板垣が苦言を。由布姫をどうしたら良いものか、思案するものの、いい考えは浮かんでこない。御屋方様から意見を聞かれ「諏訪勢が、御屋方様をそこまで、憎んでおりましょうや?」と話す勘助を見つめる板垣。>「わこ様を!」と言うが、生まれるかどうかは神頼みと言う勘助。思わず「男女の睦み事は戦のようには行きますまい」と板垣。「所詮男女の睦み事も屈するか治めるか、戦と変わりありますまい、御屋方様の知略がものをいいまする」と言う、小山田信有(田辺誠一)の言葉に、さすがの御屋方晴信も「こりゃ又妙な話になってまいったのう」と複雑な表情大の男ら集まって、眉間を寄せ姫一人の処遇を思案する様は、深刻と言うより滑稽。諸角虎定(加藤武)と板垣の「ねや」をめぐるやり取りに、こっちも思わず苦笑してしまう。

 姫に断られ屋敷に戻って来た勘助を迎える板垣は、暖かい。「恨みを捨てねば、生きられぬ。あの姫はかつてそちと同じじゃ。」と諭す。「諏訪郡代として諏訪に向かう。・・・・姫の事で諌めるので厄介払いさせられたかも」と笑いながらも「諏訪の立ち場としては姫の事が気にかかる。」と表情を曇らせ、「困った事があったら伝兵衛に託せ。」と勘助に告げる去るシーンは、どこかの番組を思い出し懐かしい感じも。(笑)

 屋敷の庭で焚き火をする板垣の姿は、戦の合間のひと時の休息、束の間の穏やかな時間の流れを感じさせるが、その背中が寂しげにも見えるのは、父親代わりとまで言っていた晴信が、一人立ちしていく姿を見守る、親代わりとしての複雑な心境の表れ?笑顔の奥にも、なんとなく寂しげな表情だ。
出番も少しに?こっちも寂しくなってきた。
 

 由布姫をめぐって重臣・男性陣がああだこうだと屋敷で思案する一方、女性陣の悲しい表情が、心に沁みる今回、まずは、禰々(桜井幸子)が悲痛な訴えと共に、虎王丸の行く末を案じつつこの世を去る。哀れなやつれた姿が胸に迫る。晴信の身を案じ側室の話をする大井夫人も又、表情は険しい可憐な正室、三条夫人(桜井幸子)は、御屋方様・晴信を思い由布姫に会いに行くが、一人傷つき帰る事に。

 そして、今回、クライマックスともいえる、由布姫と甘利虎泰(竜雷太)の対決シーン。傷つき果てているはずのだが、太刀を突きつけ自害を迫る甘利と相対しても、凛として、我が生き方を貫き通す由布姫。その姿、心を見通す賢さに、甘利は勘助が止めるまでもなく、自ら由姫の元を去る。

 思いと思いがぶつかり合うその中心にいる御屋方・晴信、その存在感は充分声も話し方も回を追うごとに、低く貫禄を増して見せる市川亀治郎さん、御見事!今回は、苦悩する勘助が、若く見えた?!(笑)
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板垣、動揺せるー『風林火山』鑑賞記17

2007-05-04 01:31:53 | S.Chiba
             第17回 「姫の涙」

 今回出番は少ないが、千葉ちゃん板垣の渋い存在感は充分

 しかし今回は、どっしり落ち着いていられない、板垣晴信(市川亀治郎)から、由布姫(柴本幸)つれてくるように言われ、「まさか御側室に?!」と心中は穏やかではない。異議を申し上げても、晴信の決意は、どうやら固そう?!

 甘利(竜雷太)と二人、重臣同士で眉をひそめて話すシーンは、渋くて重厚感たっぷり。諏訪に高遠頼継(上杉祥三)らを倒しに出陣の命を受ける板垣だが、心中は留守中の動向がどうにも気になる?!そこへ、小山田(田辺誠一)が諏訪の正当な後継者として、まだ乳飲み子の寅王丸を旗印にし、連れて出兵するが望ましいと、提案。自ら諭した、戦いぬかねばならぬ戦乱の常だが、板垣の表情がまた曇る

 千葉ちゃん板垣の微妙な表情に、心の中でさぞや葛藤をし難儀しているのでは?微妙な千葉ちゃん板垣の表情に見入ってしまいました。
 
 勘助(内野聖陽)由布姫(柴本幸)の戦いも激しいが、今回の見どころは、禰々(桜井幸子)の嘆き悲しみ、口走る皮肉もまた、悲しみを倍増し涙を誘う。晴信自ら、父の思いがわかったと、母・大井夫人(風吹ジュン)に告白するシーンは、その台詞と共に胸に迫ってきた。

 そしてもう一つの見所は、平蔵(佐藤隆太)と・ヒサ(水川あさみ)の再開のシーン。矢崎十吾郎(岡森諦)に自害すると言うヒサを、もう離さない!ずっとおまもりすると誓う平蔵の姿。勘助は平蔵と同様の思いながら、全く反対の容で思いを伝え行動していく事になる。二人の姿が太陽と月のように思えた瞬間だった。

 次回、遂に由布姫が、晴信らの元へやってくる。複雑な人間模様が見られそう、果たして板垣は、どんな顔をするのだろうか。
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