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御屋方様を支える、板垣ー『風林火山』鑑賞記16

2007-04-28 00:07:22 | S.Chiba
            第16回 「運命の出会い」

 今回の千葉ちゃん板垣の見どころはなんと言っても、槍を手に戦うシーン。見応え充分!繰り返し見入ってしまいました。

 まずは、晴信(市川亀治郎)と共に、高遠頼継(上杉祥三)らと盟約の話し合いをするシーン。笑いながらも睨みを効かせ、反論する高遠を威圧する板垣貫禄と迫力の表情に注目

 諏訪頼重(小日向文世)に寅王丸の将来を約束し、自害を言い渡した晴信だったが、禰々(桜井幸子)の嘆き様にショックを受け、板垣に「主君としての戦」の苦しさを思わず口にする。「負ければ死あるのみ」と、傳役として重臣として、板垣は厳しい表情を変えず、さらに、桑原城に立てこもる残党への指示を仰ぐ。それを受け、一瞬、板垣にだけ見せた苦しい胸の内ジレンマをかき消し、御屋方として「憂いの残さぬように」と硬い表情で言い渡す晴信を見つめる、板垣の眼差しが印象的

 重臣ら一同に報告し、勘助(内野聖陽)と共に桑原城へ向かう板垣。兜のトンボも若干、大きくなったような感じ。馬に載って進軍するシーンは、ロングショットでしっかり馬に載った勇ましい姿が映され嬉しい!

 そして、待ちに待った桑原城での戦い。敵が出てきたところを、かがり火を槍で敵に放り投げ、立て続けに3人の足をすくって、城内へ。カメラは、ここまで後姿で、ここからは正面から。次から次へ掛かってくる敵を、身体の位置を切り替え回転し槍の端から端まで使いこなす千葉ちゃんの殺陣は、柳生十兵衛時代のスピード切れはなくとも、貫禄と味のある身のこなしは、見応え充分最後に相手を突く板垣のアップまで、殺陣を絡み役と一緒に、一気に映すカメラが嬉しい。足場が悪い中、かかっていく受け手も、大変!技術が必要ワンショットで映してくれる、千葉ちゃんを含め5人全員の身のこなし一手一手に目を凝らす。鎧を着けて転がるだけでも、高度な技術が必要と、受け手の身のこなしも何度も確認。久々に見た、ワンショットで絡みも一緒に映してくれる、アクション・殺陣のシーンに、感謝・感激!しっかり楽しませ貰いました。(笑)

 いまだ自害していない由布姫(柴本幸)を前に、勘助(内野聖陽)と話す板垣。表情・語り口調に、晴信への気配り、勘助への信頼が伝わってくる。敵を倒し、勘助に後を託す板垣が、くるくると槍を回し威嚇するようなしぐさに、ニヤリ。今回の最後の見せ場!?ちょっとしたシーンでも、楽しませてくれる、千葉ちゃん!目が放せません。(笑)

 今回は、板垣の見せ場も盛りだくさんだが、他にも胸が熱くなるシーンがいっぱいだった。

 諏訪頼重(小日向文世)と妻の禰々(桜井幸子)が言葉もなく、視線を合わせることもせず、そっと手を握り合うシーン。印象に残る良い台詞がたくさん出てくる「風林火山」だが、この無言のシーンは、胸が熱くなった。
 
 そして、勘助に、寅王丸への思いを託し頼重が切腹するシーンは、見応え充分だった。脚本・大森寿美男の台詞が、千住明の音楽と共に胸に迫って、ラストの目のアップに唸ってしまった。自分の中では、穏やかで柔らかい印象だった小日向文世の、荒々しさ迫力ある表情、髭のメイクと共に、見事な最後だった。

 そして、題名にある、勘助と由布姫のシーン。笑いながら「死にたくない」と言い、涙をこぼし「生き地獄でも、この目で見たい」と訴える、新人の柴本幸の迫真の演技は胸に迫ってきた。逆境の中でも凛として生きようとするヒロインの登場シーンに、気がつくとポロリ、ポロリ。柴本幸の、今後の成長が、とても楽しみになってきた。

 台詞・音楽・役者の演技そして演出等すべてが一つに溶け合って、力強く胸に迫って来る感動の16回。これまでで、もっとも重厚感のある見応え充分の回だった。
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