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スポーツ観戦&体験記、
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正直に、信じる道を一歩ずつ - 『大阪ハムレット』『ブーリン家の姉妹』

2010-01-17 15:42:00 | movie
 全国で数えるのも難しくなった映画館の一つ、
熊本県・本渡第一映劇
昨年、アカデミー外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の脚本を担当した、小山薫堂氏が、少年時代映画を見に来た場所で、映画祭にはなかなか参加されないことで有名な高倉健さんも、映画祭に参加し訪れた事のある劇場。もちろん、千葉ちゃんも千葉祭の際、やって来てトークショーから親睦会まで参加。それもこれも、人並み以上の、バ○が付く(失礼!)ほど映画を愛している、柿久支配人が劇場を再開し、細々とでも(重ね重ね失礼!)上映を続けているからこそ。

 毎秋、劇場を愛し、サポートしてくださる仲間と共に、映画祭が開かれ、昨年も厳しい状況の中で、天草シネマパラダイスと名づけられた映画祭が開かれた。見れば見るほど、入場券が安くなる!(サービスもたっぷり!!)映画好きにはたまらない映画祭。観客は、柿久がセレクトした映画についていくだけでも、なかなかのもので 『4週間見切ったら、見終わったら映画通!』 と言っても、過言ではない!?!本当に濃い内容!!映画好き、旅行好きの方!にはぜひとも映画祭への参加をお勧めしたい!邦画から洋画まで、新旧、大作佳作、一度に味わえる映画のお祭りなのだ。

 前置きが長くなってしまったが・・・・
上映された作品の中から二作品を、年末年始、WOWOWで鑑賞。(劇場で見たかった!!)感想を!!

 まずは「大阪ハムレット」

 ドサクサの中で見たにもかかわらず、ラストはタオルを探すことになってしまった。
どこがハムレットなのか?!真面目に考えず、個性溢れる登場人物(最初になくなる父さん役=間寛平も印象的!)に、まずは引き込まれてしまう。
 最大の魅力は、松坂啓子の現代版肝っ玉母さん。明るくチャーミングで、おおらかな家族を包み込む暖かさは、まさに彼女ならでは。息子と買い物帰りの後姿、プリンプリン揺れるお尻が忘れられない!岸部一徳のフニャフニャした感じ?!も、とってもいい。
 気持ちが疲れている人に、お勧めしたい。決して、ヒーローとはいえない男3人兄弟なのに、みんなカッコよく見えてくる。一度はへこたれても、(皆一度はへこたれる!いや、次男坊だけは、あくまでもガチンコ勝負師!?!)復活してくる逞しさ、ド根性!何より自分の気持ちに正直。嘘をつかない生き方が、カッコイイのだ。
 見終わった後、あなたはあなたのままで、そのままで、いいんだよ!きっと誰かがあなたを見守っているから。と、そっと肩に手を置かれたような気持ちになった。素直な心は、とても清々しく、心地いい。

 そしてこちらは映画祭とは別に上映された、全く対照的な歴史大作洋画 「ブーリン家の姉妹」 

 真っ直ぐで無欲正直者の妹と、野心家で策略家で自信過剰の姉の物語。
 腹黒さ渦巻く宮廷での謀にまみれた日々、複雑に絡む人間関係も、見終わってしまえば、誠意が人間が動かす事を改めて確認する事に。真っ直ぐ、自分に正直に生きる事こそが自分の尊厳を守り、自らを愛しいつくしむ事に繋がると、悲劇の後に噛み締めた。嘘ほど、人を傷つけ、自らを汚す物は無い。嘘こそが自らの魂を滅ぼしてゆく。
 相手を思ってつく嘘でも、自らの心に痛みを伴う小さなささくれを残すとすれば、人を貶める嘘は、多くの不幸を呼ぶばかりだ。
 嘘への誘惑に勝てる人間こそが真の勇者、真の勇者は静かに微笑んでいるものなのだと、ラストの穏やかな風景の中、しみじみと思ってしまった。雄大な風景のロングショットを印象的に織り込みながら、描く独特の映像の中、静寂が不気味さを増幅していた。
 誇り高い美女を演じる、ナタリー・ポートマンと内から光り輝きだす美女を演じた、スカーレット・ヨハンソンの対照的な美しさも印象に残った。
 ”嘘”について考えていた自分に、まさにヒットする作品となった。 
コメント
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