20世紀は牛追いCowboyが活躍する西部劇が多く製作された。第二次世界大戦をはさんだ以降は
一つのジャンルになるほど隆盛でした。1969年『真夜中のカーボーイ』Midnight Cowboyでは
モータリゼーションが一般庶民まで拡がり馬から車・女性に乗り換える時代まで来た。(笑)
我らがクリント・イーストウッドは『ローハイド』以来多くの西部劇に出演し監督してきた。
もう米国西部でも伊製作でも撮るべき題材はなくなり、これは宇宙を舞台に撮った西部劇。
タイトルは、原田知世 主演のヒット作『私をスキーに連れてって』(1987)にあやかって
『私を月に連れてって』が邦題だったらよかったのに、配給会社は何のひねりもなく...
『スペース カウボーイ』Space Cowboys (2000・米)マルパソ・プロ作品
ものがたり/NASA立ち上げ前の米国 空軍の宇宙プロジェクト・パイロットたちが、旧ソ連の
人工衛星の修復という任務を受け40年ぶり集結、彼らチーム4人の夢だった宇宙飛行へと挑む。
監督クリント・イーストウッド 出演クリント・イーストウッド、トミー・リー・ジョーンズ
ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ガーナー
1998年 流星群や隕石が地球にやたら飛んでくる『ディープ・インパクト』や『アルマゲドン』
が何故か流行った。こんなお子ちゃま宇宙映画はベビーフードでも食って観てろ、とばかりに
その2年後にC・イーストウッドが大人の鑑賞にたえる映画を製作しました。
『荒野の七人』のように"宇宙の四人"が一人づつエピソードを交えて集結する序盤。
ユーモアを散りばめられながらテンポよく宇宙飛行訓練を老獪な技で切り抜ける中盤。
そして彼らチーム四人の夢だった宇宙飛行の後半、プロとしてのプライドとスキル&
経験で苦境を乗り越える。ちょっぴり物悲しいロマンあふれるエピローグを添えて。
きっちりとした娯楽映画の王道、これぞ映画というC・イーストウッドの傑作。
キャトル ドライブを描くCowboyのように見事にスペース・シャトルを乗りこなしてます。
Rawhide! Yeeee-haaaaw!! 必見!!!
フランク・シナトラ『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』が小粋で余韻の残る映画でした。
Frank Sinatra "Fly Me to The Moon"