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未成年の自殺死亡率が過去最悪。こんな国にした張本人は誰か?

2019年07月19日 | 社会・経済

  MAG2NEWS 2019.07.18

     by 河合 薫『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』

   先日閣議決定された「自殺対策白書」によると、全体の自殺死亡率は統計開始以来最も低い数値となったものの、未成年に目を向けると過去最悪を記録、20代までを加えた若者世代の死因のトップも自殺と、異常としか言いようのない状態となっています。いったい何が日本の若者たちを自死へと追い詰めているのでしょうか。健康社会学者の河合薫さんが、自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で考察しています。

 

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

 

日本の若者はなぜ自殺するのか?

  2019年版「自殺対策白書」が閣議決定されました。18年の自殺者数は2万840人で、前年から481人減り、37年ぶりに2万1,000人を下回りました。

   自殺死亡率(人口10万にあたり)は、1978年に統計を取り始めて以来、最も低い16.5で、自殺対策の効果が垣間見れる結果となりました。

ただ、19歳以下の未成年の自殺者数は前年より32人増え599人。自殺死亡率は2.8で統計開始以来最悪でした。

   若者の自殺率の高さはこれまでにも問題視されてきました。15~19歳の未成年者に加え、20代の死因のトップはすべて「自殺」。「若いんだから病気にはならない。自殺が一位って普通でしょ?」という意見もありますが、これは大きな間違いです。

以下に示すとおり、欧米の主要国の同年代の若者はいずれも事故死の方が多く、日本だけが事故死の3倍以上もの若者が自殺しているのです。

【「自殺」と「事故」の比率】

 日本   17.8:6.9

フランス 8.3:12.7

カナダ  11.3:20.4

米国   13.3:35.1

   このような状況を鑑み、今回の白書では過去10年の統計によって原因を分析。その結果、

小中学生の自殺の原因は「親子関係の不和」「家族からのしつけ・叱責」

高校生、大学生は「学業不振」「進路に関する悩み」「うつ病」

などが目立っていたそうです。

…なんとも。言葉がありません。

   生きるためにこの世に誕生した“子”が、自ら命を絶たなければならない社会は“異常”としかいいようがありません。

   自殺は個人の問題ではなく、社会の問題です。これまで行ってきた研究でも確かに性格傾向と精神疾患との関連は認められています。しかしながら、それはあくまでもリスク要因でしかありません。多数あるリスク要因のひとつです。

だって、人は「生きるため」に生まれてくるわけで。だからこそ誰が教えずとも必死に立ち上がり、歩こうとする。

赤ちゃんには生まれてから数時間で母親を見つめたり、表情を真似るようになるなど、身近な人と関わりを持とうとするのも本能です。

未熟な肉体で生まれてくる人間は、誰かの世話なくして生きていくことができません。そこで赤ちゃんはにっこり笑うことで、「私は生きています。私が健康で生きられるように手助けしてください」と他者とコミュニケーションをとるのです。“3カ月微笑”と呼ばれるこの仕草こそが、赤ちゃんが最初に身に付ける「社会性」なのです。

   いったい何が、若者たちを苦しめているのか?「子供社会は大人社会の縮図」と考えれば、自ずとその答えは出てくるのではないでしょうか。

大学の“教室”という空間で学生たちと接していると、彼らの生きづらさを感じることが頻繁にあります。

見た目は一見“今風”のおしゃれな学生でも貧困に喘いでいたり、一見“明るい”活発そうな学生でも自信喪失していたり。彼らは“キャラ”を演じている自分に疲弊し、SNSで“リア充自慢”する友人に気後れし、都内近郊の自宅から通う帰国子女の同級生に嫉妬し、自分の気持ちを正直に表現できる勇気を持てず、そんな自分に悩んでいました。

   時代の風や空気に敏感な若者は、社会の不寛容さを肌でビンビンに感じている。ちょっとでも「正解」から踏み外すと、負け組だのがんばりが足りないだのと自己責任論がはびこる社会です。

勝ち組だけにしか「未来」は存在せず、一度でも失敗をしたら再チャレンジが許されないことがわかっている。

   それは私たちオトナが暮す社会の生きづらさであり、閉塞感であり。「自己責任」という薄っぺらい“正義感”を振りかざす自称エリートの存在が、若者を息苦しくさせているのではないか。そう思えてなりません。


   今の日本の指導者が唱える「強い経済」「強い農業」「強い国」。
「弱い」者はどうしたらいいの?
「強い者」に寄り添う政治。
 changeしよう!

 今日の傘マークもなんのその。
お湿りにもならず。
明日も傘マークがついているが、今日並みだろう。