「しんぶん赤旗」2024年10月7日
イスラエルの犯罪に国際社会、毅然と対峙
イスラム組織ハマスの越境攻撃を機にイスラエルがパレスチナ自治区ガザへの侵攻を開始して1年。国際法をも無視して強行される無差別攻撃に国際社会はどう対応してきたのでしょうか。
国際社会は、イスラエルによる国際人道法違反の攻撃や、パレスチナ人に対するジェノサイド(集団殺害)の防止へ、国際司法裁判所(ICJ)や国連総会での決議などを通じて毅然(きぜん)と対峙(たいじ)してきました。
同時に、事態の根源にはイスラエルによるパレスチナ領土の占領があるとの認識がかつてなく強まったことも、大きな変化でした。イスラエルが公然と「2国家解決」を否定し続けるなかで、パレスチナ独立国家を樹立する「2国家解決」でしか永続的な平和はない、という認識が強まり、今年に入って、パレスチナを国家承認する国が中南米や欧州で9カ国も生まれました。
ICJは7月、イスラエルによるパレスチナ領土の占領・入植・併合が国際法違反だとする画期的な勧告的意見を出しました。同意見は、イスラエルの占領がパレスチナ人の民族自決権行使の障害となっているとして、「できる限り早期の終結」を求めました。これを受けて、国連総会は7月、イスラエルが1年以内にパレスチナ占領を終結させることを求める決議を採択しました。
総会は5月、パレスチナの国連加盟を支持する決議も採択しています。
パレスチナの民族自決権の実現への機運の高まりは、9月24~30日の国連総会一般討論でも示されました。「パレスチナ国家を不必要に妨害していることが現在の紛争の根本原因だ」(カリブ海の島国セントルシア)、「パレスチナ領土のイスラエルによる不法な占領を終わらせることで、紛争の根本原因に対処する必要がある」(オマーン)との発言が相次ぎました。
イスラエルの攻撃を受けているさなかのレバノンは「根本原因は占領だ。占領が続く限り、不安定と戦争は続く」と訴えました。
国連総会中に、サウジアラビア、欧州連合(EU)、ノルウェーの呼びかけで、「2国家解決のためのグローバル同盟」の会議が開かれ、100カ国近くが出席。ノルウェーは国連総会討論でこの会議を紹介しながら、ガザやレバノンの停戦は緊急に必要だが「戦闘の終結と永続的解決を混同してはならない」として「2国家解決以外に永続的平和の代案はない」と強調しました。
二重基準への批判噴出
また、米国などがロシアのウクライナ侵略を非難する一方で、イスラエルを擁護する「二重基準」への批判が噴出。インドネシアは「国連憲章と国際法を二重基準のがれきの下に埋没させてはならない」と述べ、トリニダード・トバゴは「二重基準(とイスラエルへの武器援助)は、グローバルサウスに身の毛のよだつメッセージを送っている。パレスチナの子どもは、他の子どもより、命の価値が低いというメッセージだ」と非難しました。
こうした国連や各国政府の動きに呼応して、国際法違反の蛮行、ジェノサイドをやめよとの世論と行動を広げ、イスラエルをさらに追い詰める闘いが求められています。 (伊藤寿庸)
ちょっと風邪気味。
あまり体調は良くない。
園のようす。
のぶどう
3m越えの菊芋