里の家ファーム

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週のはじめに考える 虫の力を無視できない

2023年02月27日 | 自然・農業・環境問題

「東京新聞」社説 2023年2月26日 

 愛知県みよし市にある産業廃棄物処理業者「ハーツ」の処理工場で目にした光景は、かなり衝撃的でした。
 二〇〇〇年の食品リサイクル法成立を機に「食品ロス」に特化した専門の中間処理業者です。食品メーカーの製造過程で何らかの理由ではじき出される「仕掛品(しかかりひん)」が毎日約二十トン、コンスタントに回収されてきます。
 焼きたてのにおいが残る菓子パンの山。パンくずではありません。そのままサラダにできそうなカット野菜の束。野菜くずではありません。
 中でも驚きだったのは、五百リットル詰めのコンテナに山盛りのつややかな、ゆで卵。殻をむくときに傷ができたり、サイズがふぞろいだったりしたために、弁当業者や外食チェーンに納入できなかったものといい、ほぼ毎日七百キロから八百キロほど入ってきます。コロナ禍で需要が減る前は、二トンから三トンずつはありました。
 飼料価格の高騰に鳥インフルエンザの頻発が追い打ちをかけ、卵の相場がかつてないほど高騰しているときだけに、「もったいない」では済まないような、ある意味不可解な光景でした。
 回収された食品は、いくら食べられそうに見えたとしても、「生ごみ」でしかありません。選別されて、養豚事業者や堆肥化工場などに送られ、主に飼料(エコフィード)や堆肥、メタン発電の燃料(バイオマス)として、リサイクルされています。
 五年前の豚熱の流行で、エコフィードの需要が激減したのをきっかけに、上内厚子社長は「生ごみを卸すだけでなく、自社内にアップサイクルの輪を作りたい」と考えるようになりました。アップサイクルとは、廃棄物に付加価値を与えて再利用を図ること。「創造的再利用」とも呼ばれています。
 そこで着目したのが、アメリカミズアブという昆虫の潜在力でした。米国産の外来種ながら、日本中どこででも見られる体長二センチ前後の黒い虫。その幼虫は高タンパクで栄養バランスも良く、可食率100%。海外では生ごみを与えて育てたミズアブの幼虫が「BSF(Black Soldier Fly=黒い兵士)」の名で、養殖魚やブロイラーの飼料、ペットフードの原料などとしてすでに商品化されており、日本にも輸入されています。生ごみを分解し、二十日間で容積を半減させる強力なリサイクラーでもある虫です。

◆月着陸に挑む気持ちで

 農林水産省も未来の食料確保を目指す「ムーンショット型農林水産研究開発事業」の一環として、ミズアブの飼料化、さらには人が食べる食品化の研究を奨励しています。「ムーンショット」とは、月に向かってロケットを打ち上げること。困難だが、実現すれば世の中に大きなインパクトをもたらす事業という意味です。
 上内さんは工場内に「飼育室」=写真=を設置して、海外の文献などをひもときながら二年にわたって試行錯誤を繰り返し、日本の気候風土に見合った成虫の産卵環境や幼虫の成育環境、給餌のノウハウなどを確立。乾燥飼料の完成にこぎ着けました。
 高騰する魚粉飼料に代わる餌として、ヒラメの陸内養殖業者などから引き合いが来ています。
 農水省によると、二〇年度の食品ロスは、推計で五百二十二万トンに上り、このうち、食品工場やスーパーなどから排出される事業系が二百七十五万トンと半分以上を占めています。
 食品ロスに限らず、ごみを減らすための基本は発生抑制です。はじめから、ごみになるものを作らないようにすればいい。
 しかし例えば、売れ残りによる大量廃棄が問題視され、食品ロスの象徴ともされる節分の日限定の恵方巻き。ここ数年、農水省が需要に見合った販売を徹底するよう呼びかけてはいるものの、国際環境NGOの「グリーンピース・ジャパン」によると、昨年も全国で約百四十万本が売れ残った可能性があるそうです。

◆消費者心理が壁になり

 新鮮で見栄えの良い食品が、コンビニやスーパーに常時並んでいることが求められ、「売り切れ御免(ごめん)」を承服できない消費者心理がある以上、どうしても供給過剰になりがちです。一朝一夕に売れ残りをゼロにするのは難しい。
 アップサイクルで用途を広げ、廃棄された食べ物を、むだ(ロス)にしない工夫も必要です。
 「虫たちの力を決して無視はできません」。上内さんのつぶやきが、なぜか心に響きます。

「虫たちの力」もいいのだが、「人の力」を、と思うのだが…
そのうち「昆虫食」として皿の上に並ぶかも。
『「売り切れ御免(ごめん)」を承服できない消費者心理』て、本当でしょうか?

 今日は久々のいい天気です。気温も上がりプラスに。昨夜から今朝にかけては凄く冷え込みました。おそらく-25℃くらいはいってるでしょう。今、家にある温度計は苗床に集合中でした。予報結果でも-18℃でしたから。でも明日からはほぼ毎日プラス気温(最高気温が)。雪解けが進みそうです。石狩川にも氷が流れ出しました。

 



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3 コメント

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Unknown (nerotch9055)
2023-02-27 18:24:26
こんばんは!
確かに、虫の力に頼る前に、人の力を考えないといけないと思います。
キズ物で納品が出来ないなら、多少値段が落ちても取引してくれる業者を探す、別商品に二次加工して
商品にする、などいろいろあると思います。
欠品によるチャンスロスとそれに伴う客離れを懸念する、販売店の事情もわからないではないのですが
あまりにも「売り上げ」ありきの販促や、POSシステムでのデータがあるのですからもっと緻密な
発注を販売店・販売業者にはしてもらいたいものです。
あと、過度な仕入れ値の値下げ交渉により、他に流すより廃棄に回した方がマシ、というような事にも
ならないように、「適正価格」での取引をしてもらいたいと思います。
いずれ、優良なたんぱく質は入手困難になると思うので、私は昆虫食にかなり興味があります。
買い物に行く際も、有名になった「コオロギせんべい」とか探すのですが、まだ見かけた事がありません。
海老も蟹も、昆虫に近い種類だと思うのですが・・。
(・・;)
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Unknown (Jiro)
2023-02-28 20:42:42
昆虫食にはまだまだ謎が多い様です。
害があるかないか?大いに疑問?

https://semitama.jp/column/1377/
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コメントありがとうございます。 (mooru)
2023-02-28 21:00:12
 貴重なご意見ありがとうございます。
わたしはまだ食べたいとは思いません。
安全性が確立されたらいただきましょうか?
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