国連・気候野心サミット 「人類は地獄の門 開けた」
「しんぶん赤旗」2023年9月22日
日本は発言できず
【ニューヨーク=島田峰隆】ニューヨークの国連本部で20日、グテレス国連事務総長が呼び掛けた「気候野心サミット」が開かれました。発言した各国や自治体の代表の多くが、気候危機の根本原因は化石燃料の使用にあると指摘し、石油やガスへの依存を一刻も早くやめるよう訴えました。排出削減に大きな責任を負う、主要7カ国(G7)で首脳が出席したのはドイツ、カナダのみ。G7議長国である日本の岸田首相は、国連総会のために当地を訪れながら欠席しました。(関連3・5面)
国連によると、気候危機対策の目標や行動を交流した午前中のセッションでは「対策の加速化を求めたグテレス氏の訴えに応えている行動者」に発言の機会が与えられました。
先進国ではドイツ、カナダ、欧州連合(EU)などが発言しましたが、日本は国連が準備した発言リストに載らず、実際に発言できませんでした。岸田首相は前日の国連総会一般討論演説で気候変動対策に取り組む姿勢を強調しましたが、国際社会からは石炭火力の活用に固執しており、行動者として“失格”だと判断された形となりました。
サミットの冒頭でグテレス氏は、熱波、洪水、山火事など世界各地の異常気象に触れて「人類は地獄の門を開けてしまった」と指摘。「何も変化を起こさないなら産業革命前と比べて2・8度の気温上昇になり、危険で不安定な世界に向かう」と述べました。
一方でグテレス氏は「未来は固定されたものではない」と強調し、パリ協定が掲げる1・5度目標への挑戦を求めました。11月の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)を成功させ、温室効果ガスの実質排出ゼロ、石炭火力からの撤退、化石燃料への補助金廃止、途上国支援などを進めるよう呼び掛けました。
討論では「もう余分な時間は残っていない。地球を守るため必要な行動を行う最終段階にきている」(カリブ海の島国バルバドス)などの発言がありました。
戦争でCO2をまき散らしている時ではない。
「勝者」が決まる前に人類が滅んでしまう。
直ちに戦争をやめよ!