日刊ゲンダイDIGITAL 2023.03.07
【緊急連載 コメが食卓から消える日】(上)
もうコメが食べられなくなるかもしれない。そんな懸念が急速に高まっていることをご存じだろうか。日本人なら「まさか」と思うだろうが、本当だ。
米価の下落、燃料費や肥料代といったコスト高、日本人全体のコメ離れなどの要素が重なり、2023年はコメ作りをやめる農家が急増しそうなのである。
農林中金総合研究所の主任研究員、小針美和さんのリポートは衝撃だ。
昨年7月、米価下落と肥料高騰によって5ヘクタール以下の水田作経営(個人)は赤字に転落するとの試算を出した。ちなみに日本の農家の9割は5ヘクタール以下だ。つまり、ほとんどのコメ農家が赤字に沈んでしまうことになる。
その赤字額も20万円以上だ。なんだ20万円か、というなかれ。ここには人件費は含まれていない。ただ働きでもコスト割れなのである。これではバカバカしくてやってられないが、この試算は現実のものになり、さらに深刻化している。
「まず、米価ですが、2020年を100とすると、21年11月は77.6でした。22年はやや持ち直して、84.4になりましたが、まだ20年比15%減です。一方、肥料、農機具、農薬、光熱費、建設資材などのコストは21年は109.8、22年は120.9。なかでも肥料はすさまじく、21年は106.6だったのが、22年は150.4です。さらに、23年は原料費の高止まりに加えて22年秋からの円安、海運運賃の高騰が重なり、前年比7割アップとみられている。個人経営の農業所得は人件費を抜いて全国平均で14万円を超える赤字と推計しています」(小針美和氏)
これでは農家はやってられないが、そこに追い打ちをかけているのが食料安全保障の問題だ。
肥料の原料は中国やロシアから輸入、何もしない岸田政権
肥料の原料は尿素、リン安、カリだが、そのうち尿素とリン安は中国が最大の生産国。その中国が自国の生産に必要な肥料を確保するために「法定検査」を実施し、実質的な輸出制限をかけているのだ。結果、国際価格は暴騰、尿素価格は18年比で倍になっている。カリについてはロシアとベラルーシが生産国で、ロシアへの経済制裁から輸出がストップ。こちらも価格が高止まりしている。
政府はトマホークを買えば、国民の命が守られるような言い方をしているが、中国が肥料を出さなくなれば、その瞬間、日本はオシマイだ。
「そうなれば日本が最初に飢えることになるのです。農家の経営危機を放置すれば、離農が拡大し、農地は荒れ、さらに食料自給率が下がってしまう。そこで輸入を止められたらアウトです」(鈴木宣弘・東大大学院教授)
ところが、岸田政権はこうした農業の危機に対して、いまだに「検討」を繰り返している。恐ろしい怠慢がさらに農家を絶望させ、離農を加速化させているのである。
アメリカへ貢ぐことしか頭にないからすべてが穴だらけ。
「国民の命と暮らしを守る」
言ってみただけ~!
沖縄のデニー知事が話し合いを求めてアメリカへ行った。
がんばれ!
すっかり雪に覆われていた川が出てきました。
これは極めて恐ろしいお話ですね・・。
日本人は米だけはいつでも食べれる、という意識が強いと思うのですが、これを聞いたら
とてもじゃないですが、「本当にこの国は大丈夫なのか?」と思います。
野党が総務省の文書で突き上げているのを「そんな重箱の隅をつつくよう事はせず、経済政策・少子化対策・防衛対策を議論しろ」という意見もありますが、もうまとめて全部対策するのはムリでしょう・・。
結局、ここまで国をダメにしてしまった自民党と応援する国民のツケが、一気に回ってきた感じがします。
「今」も大事ですが、もっと「未来」を見ていく事を考えないといけない、という教訓になってしまうのか・・。
(・・;)