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現代若者考

2018年10月15日 | 社会・経済

なぜ若者は「野党嫌い」か? 政治学者・野口雅弘氏が分析

  日刊ゲンダイ 2018/10/15

 

   自民党総裁選で石破茂元幹事長の善戦を許し、沖縄県知事選では惨敗。安倍首相のレームダック化が加速し、今月下旬にも召集される臨時国会では、野党の活躍の場が増えそうだ。しかしその一方で、野党の支持率は低迷、期待感が高まっているとは言い難い。特に若者の野党支持率は絶望的に低い。この傾向について、若者が「コミュニケーション能力(コミュ力)」を重視するばかりに「野党嫌い」が進んでいるからではないかと分析した政治学者がいる。成蹊大学教授・野口雅弘氏(49)だ。一体どういうことなのか。

 

■「安倍1強」の土台は反対勢力に対する拒絶反応の強さ

  ――野党の支持率が低い、つまり「野党嫌い」の背景に、若者が「コミュ力」を重視している事実がある、とおっしゃっています。コミュ力を大切にし、波風の立たない関係を優先していれば、当然、野党の行う批判や対立を作り出す姿勢は、嫌悪の対象になる、と。

 そう考えたきっかけは、政党政治がちゃんと動いていないと思ったことです。政府が出した政策に対し、野党は質問し、「これは危ないんじゃないか」などと指摘をする。野党の指摘が正しければ、政府はそれを修正したり、引っ込めたりする。その延長線上に、野党が政権を取るということも起きる。そうした緊張感の中で、政党政治は動くはずなのですが、どうもそうなっていない。

   ――政党政治が動いていない?

 多くの人は、安倍首相に対し、特に森友・加計問題では批判的です。それにもかかわらず、自民党支持だったりする。若い世代ほど自民党の支持率が高いですよね。もちろん「野党がだらしない」というのはありますが、野党は何をしても評価されなくなっているのではないか、と思ったんです。

   ――それはどういうことですか?

 例えば、沖縄の米軍基地の問題。日本の人口1%ちょっとのところに70%以上の米軍基地があるのはフェアじゃない、ということは若い人も考えている。ところが、反対運動をしている人に対しては嫌悪感が強い。反対の声に政府が耳を傾けてくれず、菅官房長官などが「粛々と辺野古への移設を進めます」と言うわけですから、反対の声がヒートアップすることもある。しかしそうなると、フェアではないことへの憤りや国の姿勢に対する批判よりも、「自分はそういう喧嘩や対立には共感できない。無理です」という反応がすごく強く出てくる。野党がだらしないこと以上に、反対するという振る舞いや、反対勢力に対する拒絶反応の強さが、今の「安倍1強」を生み出している土台なのではないかと思います。

   ――「反対」することへの嫌悪感は、どうして生まれてくるのか?

 10年前に出た菅野仁さんの「友だち幻想」が、最近また売れているそうです。コミュニケーションの軋轢を避ける「同調圧力」を問題にした本ですが、こうした傾向は比較的若い世代に広く共有されていて、それが「反対」することを難しくしているのではないでしょうか。そして何より私たち大人の側が、それを求めているのではないでしょうか。例えば就職活動で集団討論をしますが、そこでは意見は言うけれど、ちゃんと空気を読んで、コミュニケーションが取れる人を企業側は求める。大学のアクティブラーニングで、学生に話をさせてグループワークをして、という時は、「コミュ力」の高い人がいてくれないと授業が回らないので、教員はそういう人を欲する。学生にすれば、「コミュ力」があれば就職でも大学でも有利になるので、「反対」することへの抵抗感が知らず知らずのうちにどんどん高まっていってしまう。

――つまり社会が「コミュ力」がある若者を求める結果、野党的な「反対」が嫌いになると。

 周囲に優しく気を使うコミュニケーションは否定しないし、それはそれで大事なことだと思います。でも、そうしたコミュニケーションの様式を政党政治やそのアクターである政治家に投影してしまうことには、大きな問題がある。ボクシングなら、しっかり殴るのがいいボクサー、ラグビーなら捨て身でタックルするのがいいラグビー選手ですよね。いい野党議員とは、政府が嫌がることをちゃんと質問して、問題やリスクなど、考えるヒントや材料を国民に提供してくれる人じゃないですか。ところが、「コミュ力」的な基準からすると、そういう野党議員は「安倍首相の足を引っ張っている」となってしまう。だから「野党の低迷」は、野党側の問題というより、有権者側の問題だと思います。

日本の学校で教えるのは「みんな仲良し民主主義」

  ――波風の立たない人間関係をつくることと、政治で求められることは違う。

 考えてみると、日本の学校教育で先生が教えることって、「みんな仲良し民主主義」ですよね。そこにオポジション(対抗勢力・対抗関係)は一切ないし、それがいいとされている。私はドイツに留学していたのですが、ドイツの学校では先生も党派性を明らかにするし、異なる党派的立場を前提にして教室で議論するのが当たり前です。これに対して日本では、「中立・公正」が掲げられ、「思いやり」が強調されることもあり、党派性との付き合い方について学ぶ機会がほとんどありません。

  ――「みんな仲良し民主主義」だと、必然的に野党が損をする、つまり政権与党は得をするということですね。

 ドイツの法学者、カール・シュミットは、「AかBかの対立が激しければ激しいほど政治的だ」と言っています。100人中100人がAだと言ったら、それはそのまま実行すればいいわけです。政治的な問題とは、原発をどうするか、米軍基地をどうするか、消費税をどうするかなど、意見が分かれていて、どちらの方向に進むべきか頭を悩ませなければならない問題のことです。どっちに転ぶか分からない問題では、ガチンコの論争になれば負ける可能性があるから、権力を持っている人ほど対決を避けようとする。

――まさに安倍政治はそれです。

 自民党総裁選の最終日に安倍首相が秋葉原で演説しました。あの時に最も喝采を浴びたのは「野党は批判ばかりしている。批判からは何も生まれない。私は愚直に政策を前に進めていく」でした。あの「批判は何も生まない」と言った時の「批判」とは、「足を引っ張っている」とか「意地悪している」という意味です。議論して、相手に痛いところを突かれて、そうかと思って考えを変えたり、分かってもらうために丁寧に反論したり、という作業を一切放棄している。政治ではオポジションとの付き合い方が大事なのに、トランプ米大統領もそうですが、自分にとって都合のいいことしか言わないし、見ようとしない。自説を一方的に言い切ることと、相手を嘲笑することしかしない。だから議論が成立しない。

 ■「批判は何も生まない」は議論と反論の放棄

 ――そうすると、野党はどうしたらいいんでしょう?

 まずは野党というより、有権者側が野党に対する見方を少し考え直さなければならない、ということだと思います。安倍首相は次の国会で憲法改正について具体的に議論を進めると言っています。その時に、どういう異なる論拠がぶつかり合っているのか、野党の質問に対し政府側はしっかり答えているのか、地味に論点を詰めていく作業が絶対に必要です。「野党が安倍首相の足を引っ張っている」ではなく、対立している論点や論拠をしっかりと見ることが求められています。

  ――野党の側は?

  長期的に政策を考えて論点を出して、政権に問いただす。結局、そういう作業を根気よく続けていくしかない。

  ――気の長い話ですがやはり正攻法しかないですね。

 安倍首相の政治手法は「分断の政治」といわれます。昨年の秋葉原の演説で口にした「こんな人たち」という表現などまさにそうです。そして、安倍首相の手法のもうひとつが「お友だち政治」。「(コミュニケーション不能な敵を措定することによる)分断か、(話さなくても分かってくれる)お友だちか」というのはどちらも政治の否定です。政治の所在はその中間にあります。野党は、ガチな論争になるので政権側が避けようとする、この危ない「中間」の領域に入っていき、そこでお互いの身を危険にさらすような論争をすることができるかが、これからの勝負だと思います。

  (聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)

 

▽のぐち・まさひろ 1969年東京都生まれ。早大大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。哲学博士(ボン大学)。専門は、政治学・政治思想史。著書に「闘争と文化」(みすず書房)、「官僚制批判の論理と心理」(中央公論新社)、翻訳にマックス・ウェーバー「仕事としての学問 仕事としての政治」(講談社学術文庫)などがある。

 


なるほどですね。なんか納得してしまいます。

雨の多い秋です。おかげでまだ霜にやられていません。
いつまで収穫できるかな?


プラスチックごみ削減戦略の素案

2018年10月14日 | 社会・経済

使い捨てプラごみ25%削減目標 環境省の戦略素案 

  道新2018年10月13日

 

   環境省が策定中のプラスチックごみ削減戦略の素案で、2030年までの数値目標として、ペットボトルやレジ袋、食品容器など使い捨てプラスチック排出量の25%削減を盛り込むことが13日分かった。植物などを原料とし環境に優しいバイオ素材の国内利用は13年度の7万トンから約200万トンに拡大する。素案は19日の中央環境審議会小委員会に提示する。

 政府がプラごみ削減の目標をつくるのは初めて。削減のための具体策や数値目標を含む「プラスチック資源循環戦略」は年内に大枠を取りまとめる方針だ。

 環境省は目標達成に向け、小売店などにレジ袋の有料化を義務付けるほか、使い捨て容器の見直しを促す。洗顔料や歯磨き粉に含まれる微粒子状のマイクロプラスチック削減の徹底も求める。不法投棄の監視を強化し、将来的には海洋へのプラスチック排出ゼロを目指す。

 来年6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会合をにらみ大胆な目標設定で環境問題への積極姿勢をアピールする狙いだ。

 環境省によると、ストローやマドラーなどを含む使い捨てプラスチック全体の排出量に関するデータはないが、大きな割合を占める包装容器とペットボトルは16年に計407万トンだった。素案では排出量を比較する基準年を明示していない。

 プラスチック製包装容器は素材に分解して再利用するリサイクルと、そのままの形で再利用するリユースを合わせた数値を30年までに家庭・事業ごみの全体で60%とする。16年度の家庭ごみで、この数値は53%だった。

 電化製品や自動車の部品なども含めたプラスチックごみ全体の再利用目標も設定。発電や廃熱活用も含めた有効利用は16年の84%を35年までに100%に引き上げる。

  素案には、今年6月の先進7カ国(G7)首脳会議で日米が署名を拒否した「海洋プラスチック憲章」の数値目標を反映。リサイクル率などの目標は憲章の達成年限より前倒しで設定した。


なぜG7で署名を拒否したのか?単にアメリカに歩調を合わせただけか!


バナナはすごい!

2018年10月13日 | 野菜・花・植物

やっぱりバナナはすごい! 科学が裏付けた健康パワー10

MYLOHAS編集部 2018/10/04

 

   バナナは天然のスイーツといってもいいでしょう。砂糖を足さずとも元から甘いので、いろいろなデザートに組み合わせることができます。しかもとってもヘルシー。

いつでもどこでも安く買えるこのトロピカルフルーツ。いろいろな使い方ができますし、持ち運びやすく、おいしい。世界的にどんなフルーツよりも生産されているのも当然かもしれません。国連食糧農業機関(FAO)によると、バナナは世界でいちばん輸出量の多い果物なのです。

さて、バナナは身体にいいの?

   人気のフルーツでありながら、ほかの果物よりも炭水化物と糖分が多いため、もしかするとあえてバナナを避ける人もいるかもしれません。でも忘れがちですが、私たちの身体は炭水化物がとても必要。さらに、加工されたスイーツとは違って、バナナの天然の糖分には多くのビタミンとミネラルもついてきます。それに、バナナは食物繊維も豊富ですから、満腹感が続くだけでなく、糖分の消化もゆっくりに。そうした特徴から、バナナは本当に健康的なのです。

バナナの栄養価:中くらいのサイズで、1本105キロカロリー、たんぱく質1 g、脂肪1 g未満、炭水化物26 g(食物繊維3 g)、糖分14 g

科学的な裏づけのあるバナナの健康パワー10項目

01. カリウムたっぷり

   アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、中くらいのバナナ1本に含まれるカリウムは422ミリグラム。1日のカリウム推奨摂取量のおよそ12%にあたります。

   私たちの身体がちゃんとはたらくためには、たくさんのカリウムが必要になります。カリウムはミネラルのなかでも“水に溶けて電気を通す”タイプ(「電解質」と呼ばれます)。筋肉の収縮や神経のはたらきを助けています。さらに、栄養を細胞に運ぶはたらきもあるのです(そして流し出します)。また、心臓の鼓動を一定に保ち、体内の塩分を調節します。

ですから、カリウムが足りないと、高血圧と腎結石のリスクがあがってしまうのです。弱って疲れた感じがしたり、筋肉のけいれんが起きたりすることもあります。

02. 体内の水分を保つために役立つ

   固形の食べ物がどうして水分を保つのに役立つのでしょう?

その理由が、体液バランスの調節を助けるカリウムなのです。特に運動して汗をかくと、水分と一緒に電解質(ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、それにカリウム!)も失われます。

   国際スポーツ栄養学会によると、中〜高強度の活動をすると、細胞レベルでカリウムに小さな変化が起こる可能性があります。このアンバランスを防ぐために、アスリートはカリウムが豊富な食べ物をとる方がよいと考えられています。

03. 腸によい

   中くらいのバナナ1本には、満腹感のもと、食物繊維が3グラム(1日推奨摂取量のおよそ10%)含まれます。それに、腸内の善玉菌(別名「プロバイオティクス」)を増やしてくれる発酵性の食物繊維の一種、「プレバイオティクス」も入っていますから、身体全体の健康にとってよい効果があります。このような有益な微生物は、消化を助け、風邪の治りを早めてくれます。さらに、減量にまで役立つという研究結果もあるのです。

04. 運動前のエネルギー補給に最適

   運動する前に食べるとよい食べ物は、エネルギーになる天然の糖分(炭水化物)を含み、あまり胃の負担にならないもの。バナナはこのふたつの条件を両方とも満たしているうえ、ジム用のバッグに放り込んで手軽に持ち運べます。

さらに、研究によると、バナナには運動の成績を高めるユニークな化合物がふくまれているそう。

05. 運動後の回復にも効果的

   バナナは運動の後でも効果的である可能性があります。2018年の参加者20人の研究によると、バナナにふくまれる化合物とフィトケミカルには、耐久力のトレーニングをした後の身体の炎症を軽くする効果が確認されました(医学、科学誌『プロス・ワン』の報告より)。

06. 心臓によい

   これもカリウムのおかげ。この必須ミネラルは心臓のはたらきにとても大切なのです。カリウムをたくさんとると、血圧が下がり、脳卒中のリスクも低下するという研究結果が出ています。カリウムは、心臓の負担になる過剰なナトリウムを尿の中に排出する作用を助けるので、心臓に与えるダメージを減らしてくれるのです。

07. 焼き菓子に使うと砂糖のかわりに

   バナナがおいしいと感じるのは、何と言ってもその天然の甘みと柔らかい質感。焼き菓子の材料としても理想的です。どんな焼き菓子でも、というわけにはいきませんが、砂糖のかわりに使えるレシピはたくさんあります。

08. ビタミンB6が豊富

   ビタミンB6はあまり注目されませんが、ある理由で不可欠なビタミン。胎児の脳の発達にとって、それと代謝の際に起こる酵素反応にとって重要なのです。

そんなビタミンB6が、バナナには1日推奨摂取量のほぼ3分の1が入っています。大部分のアメリカ人は不足していないようですが、この天然由来の栄養素が豊富な食べ物をとっても害にはなりません。

09. 食欲をおさえてくれるかも

   これを食べれば一食抜いてもいいくらい空腹にならない、などという食品はありません。でも、バランスのよい食事の一部としてバナナを食べると、おなかがすいて無性に食べたくなる欲求をおさえてくれるかもしれません。

   バナナに含まれている「レジスタント・スターチ(難消化性でんぷん)」と呼ばれるタイプの食物繊維によい効果が。まだ確かではないものの、カロリーをたくさんとってしまうのを防ぎ、食欲をおさえるようだという研究結果が出ているのです。

   中くらいのバナナ1本はおよそ100キロカロリーしかないのに、食物繊維のおかげでとてもに満腹感があります。朝食のスムージーやピーナッツバターサンドイッチ、夕食後のヨーグルトパフェなどに加えれば罪悪感を覚えるほどでしょう。

10. 腎臓を健康に保ってくれます

   「1日1本のバナナで医者いらず」というのも大げさではないかもしれません。スウェーデン人の女性6万人以上が参加した研究によると、果物と野菜をたくさん(毎月75回分以上、つまり毎日およそ3回分以上)食べた人は、腎臓がんでいちばん多いタイプの「腎細胞がん」になるリスクが低かったのです。

   この研究で特に果物について調べたところ、抗酸化効果のある化合物、フェノール類が多く含まれるバナナにもっとも目立った効果がありました。

   9万人以上の女性が参加した別の大規模な研究でも、1日に4099ミリグラム以上のカリウムをとった女性は、2407ミリグラム未満だった女性よりも、腎結石になるリスクが35%低い結果となりました。カリウムには、腎結石でいちばん多い原因、余分なカルシウムを身体から出すのを助けるはたらきもあるからと考えられています。


 周りの田んぼの稲刈りもほぼ終わったようです。今年はかなり不作だったようです。
日が暮れるのも早くて5時を過ぎると真っ暗です。これからどんどん冬に向かっていくのです。やっぱり雪より土が好き! 

 


肥満予防のため間食

2018年10月12日 | 食・レシピ

管理栄養士が推奨 「午後4時に間食」の肥満予防効果とは

  日刊ゲンダイ ヘルスケア2018年10月03日

 

   間食は肥満のもと、と思っている人はかなりいるだろう。しかし近年、間食を勧める食の専門家は多い。そのひとりの管理栄養士で一般社団法人臨床栄養実践協会理事長の足立香代子氏に聞いた。

 「現代社会では、間食は肥満予防のために積極的に取り入れるべきです」

  その理由として挙げるのが、間食と血糖値との関係だ。

 1日3食取っている人でも、会社勤めをしていれば、朝、昼、夜と均等に時間を置いて食事をするのは困難だ。朝食抜きとなると、前日の夕食から昼食までかなり空く。

 「何も食べない時間が長く続くと、低血糖状態になり、糖質を欲しやすくなる。そこでドカンと“ラーメンとチャーハン”や“ご飯大盛り”などを食べれば、血糖値は急激に上昇します」

 糖質はタンパク質や脂質より短時間で体に吸収されるからだ。では、糖質を食べたいのを我慢してタンパク質や脂質を取ればいいかというと、「1年以上の長期では継続が難しいために、リバウンドが生じる」という問題点がある。

「血糖値が急上昇すると、それを下げるために膵臓からインスリンが大量に分泌され、血糖値が急激に下がる。血糖値の急上昇・急降下を『血糖スパイク』といい、さまざまな弊害を招きます」

  まず、インスリンは使いきれなかった糖を脂肪に変えて蓄えるため、太りやすくなる。

  次に、食後の高血糖は、心臓血管系の病気のリスクを高める動脈硬化を進行させる。複数の研究結果があり、例えば、糖尿病予備群を2群に分け、一方に食後高血糖改善薬、もう一方にプラセボ(偽薬)を処方した研究では、高血糖改善薬群はプラセボ群に対し、心臓血管系の病気の発症が約半分になった。

 空腹時血糖、食後血糖の死亡率を調べた研究では、空腹時血糖が高くなっても死亡率は変化しないが、食後血糖が高くなると、空腹時・食後血糖が正常な人に対して死亡率が2倍に高くなることも分かっている。

さらに日常的には、疲労感、集中力の低下、眠気などを引き起こす。

 「血糖スパイクの問題とは別に、1日3食または2食の生活は栄養不足の問題もあります。バランスの取れた食事を毎回していればいいですが、外食中心であれば、タンパク質、ビタミン、ミネラルが圧倒的に不足。高齢者では、低栄養によるサルコペニア、フレイルにもつながります」

  サルコペニア、フレイルは健康寿命を縮めることにつながる。

 ■果物がおすすめ

 足立氏が勧めるのは、昼食から4時間前後経った頃に、200キロカロリーほどの間食を取ることだ。スナック菓子やケーキ類、清涼飲料水など「糖質の塊」は血糖値を上げやすいためNG。足立氏自身が日常的に取っているのは、キウイやリンゴなどの果物、ヨーグルト、チーズなど。

 「果物はいずれも血糖値を上げやすいと考えている人がいますが、最新の研究で否定されています。キウイやリンゴは糖質の中でも果糖が多く含まれており、血糖値を上げにくい。かつ、食物繊維が豊富なので血糖値の上昇を抑えます。さらに、ヨーグルトやチーズもタンパク質が中心で、血糖値の上昇を抑制します」

 果物は現代人に不足しがちなビタミン、ミネラルが豊富なのも好都合。ショ糖(果糖と同じく糖質の一種)が多い果物は血糖値を上昇させるが、ヨーグルトなどのタンパク質と組み合わせればそれを避けられるという。


 札幌の皮膚科へ行ってきました。良くはなってきているのですが、これが季節的なものなのか、わからないのです。

今日は天気が悪かったので、ハウスを全部閉めて出発。


理想的な食事の時間は? 量・内容だけじゃない!

2018年10月11日 | 食・レシピ

  平井 千里(管理栄養士) - All About - 2018年10月3日

 

 「時間栄養学」とは

   人間を始めとする動植物は「体内時計」を上手に使って生活しています。動植物の体内時計は、「オジギソウ」が光によってではなく、時間によって開いたり閉じたりすることが分かったことから発見されました。2017年には体内時計を生み出す遺伝子機構の発見がノーベル医学賞を受賞しましたが、このルーツもここにあります。

   そして、私たちは頭では1日が24時間であると理解していますが、体は25時間くらいを1日と感じています。多くの人にとって、夜更かしは楽にできても、早起きはつらいと感じるのはこのためです。

   これを24時間にリセットし寝起きをスッキリさせるためには朝の光を浴びることが大切だと言われています。体の外からの刺激はすでにご存じの通り「光」が効果的ですが、体内からの刺激は「食事」がもっとも有効です。この考え方から生まれたのが「時間栄養学」です。

   これまでの栄養学では「何をどれだけ食べるか」が大切と考えられてきましたが、「時間」を考慮することでさらに食事の健康効果がアップすることが分かってきています。「時間栄養学」では「食事の時間」「食事にかける時間」「食べる順番」が重要です。この3つのポイントについて、詳しく解説します。

より健康に良い食事時間・食事にかける時間・食べる順番は?

■食事の時間……1日3回同じ時間に。「おやつの時間」も決めることが大切

   食事は1日3回、毎日、同じ時間に食べるようにします。仕事の都合で昼食と夕食の時間が長い場合には、おやつを食べてもよいですが、おやつを食べる場合はその時間も決めて、決めた時間以外は食べないようにすることが大切です。

   寝る前に食べてしまったり、夜食を取ったりすると、エネルギーが活動に利用されず脂肪として蓄積されてしまいます。食事はできるだけ早い時間に終わらせて、空腹で耐えられないと感じる前に就寝するようにしたいものです。

   そのため「18時までに食事を」と言われることもありますが、現実では多くの人が18時前後までは仕事をしていることが多いため、18時に食事を食べることは難しいでしょう。18時の食事は不可能だからと食生活の改善をあきらめるのではなく、まずはどんなに遅くなっても就寝の2時間前までには食事を食べ終われるように配慮してみましょう。

■食事にかける時間……食事時間の長さではなく「噛む」時間を長く

食事は「ゆっくり食べる」とよいと言われています。「ゆっくり」の意味は、「食卓に座っている時間を長くしましょう」ではありません。「一口ずつ、しっかり噛んで食べましょう」です。

   一口ずつ、しっかり噛んでいると時間がかかります。噛むこと以外に食事に時間がかかる理由として、「外食でコース料理などが多く、食べ終わってから次の料理が運ばれてくるまでに間がある」「話が弾み、食べ物を口に運んでいない」といったことも考えられます。それらの時間は心の栄養としてはとても有意義な時間だと思いますが、体の栄養には「噛む回数を増やすための時間をたっぷりとる」ことが重要です。

■食べる順番……最初の一口目はおかずから

   テレビでも「野菜から食べ始めること」と盛んに報道されているので、野菜を最初に食べればいいんだな、と思っている人も少なくないと思います。野菜を最初に食べることは、間違いではありませんが、実は野菜からじゃなくても大丈夫。血糖値を上げるのは糖質だけなので、たんぱく質や脂質が多い食品を食べても血糖値はさほど大きく上昇しないのです。

つまり、炭水化物や糖質含量の少ないものから食べればよいというわけなのです。だから、野菜のおかずだけでなく、煮魚、焼き魚、焼肉など、肉や魚のおかずから食べ始めてもOK。そのため現在の「食べ順ダイエット」は「ベジファースト」から炭水化物や糖質の多い食品を最後に食べる「カーボラスト」の考え方にシフトしてきています。

ただ、カーボラストを完璧に実行しようとするとおかずを先に食べ、最後に味の薄い米飯やパンを食べることになりますので、味覚面からは実行し辛い方法だと思います。そこで、最初の一口目を「おかずから食べる」というのが、実行しやすい方法になるのではないかと思います。

 できるところから自然の「時間」のリズムを取り入れることが大切

   大昔は人間も明るい昼間のうちに活動して、暗くなると眠るという生活を送っていました。長い間、自然に昼と夜を上手に使い分けて生活していたのです。

   しかし近年は電気の発達によって昼夜問わずに長時間の活動が可能になりました。「時間を有効活用する」ことができるようになったわけですが、これに伴って、人工的な時間ばかりを気にしてしまい、太陽の光とともに生活することの大切さを忘れかけているようにも思います。

  「時間」を使った研究は「時間栄養学」だけではなく、「時間医学」「時間睡眠学」「時間運動学」など様々です。いずれも「時間」に注目して考えることで、太陽の光と共生することの大切さを科学で証明しています。これらの研究から、昔の人のいわゆる生活の知恵の科学的根拠がわかり、その素晴らしさが改めて実感できることも多々あります。

   ご紹介した「時間栄養学」の実践方法も、特別に目新しいものはひとつもありません。古くから健康によいと言われてきた方法ばかりだと思います。都会で暮らしていても、雨風や太陽の光などの自然は届いています。できるところから少しでも自然と共生して、自然にある「時間」のリズムを取り入れていくことが、よりよい健康的な生活につながっていくのです。


圃場のようす

すっかり秋めいてきました。

江部乙圃場前の道路。

桜の木。葉はほとんど落ちてしまった。

エゾコリンゴ。

クルミ。

ほとんど放任状態のブドウ。大きな房はありませんがとても甘い。

ノブドウ。色が面白いですね。

クレソン。

ヤーコン。


仁藤夢乃“ここがおかしい”第29回 バスを使ったアウトリーチを考えた理由

2018年10月10日 | 社会・経済

   imidas 連載コラム

   私が代表を務める女子高生サポートセンターColabo(コラボ)は、「すべての少女に衣食住と関係性を。困っている少女が暴力や搾取に行き着かなくてよい社会に」を合言葉に、中高生世代を中心とした女の子を支える活動を行っている。家に帰れず夜の街にいる少女たちへの声掛け、SNSなどを使っての相談業務の他、児童相談所や警察、学校、病院などへの同行支援、虐待や暴力などから逃れた少女たちが一時的に泊まれるシェルターを運営して食事、風呂、衣類、宿泊場所などの提供を行っている。

 さらなる支援が必要な場合は中長期シェルターで暮らしを支え、同じような境遇を生き抜いた女の子たちによる自助グループの運営、就労支援も行っている。2011年の団体設立から年間100名ほどの少年少女と出会ってきたが、18年度は相談が増え、半期ですでに200名以上と関わっている。

 「難民高校生」だった高校時代

 十数年前、中高生だった私自身も、父のDVや母のうつ病、その両親の離婚などで家は安心して過ごしたり眠ったりできる場所ではなく、街を徘徊(はいかい)する生活を送った。家族と顔を合わせれば暴言や暴力が飛び交うため、キッチンやトイレ、風呂、洗面所などの共有スペースを使うのにも気おくれした。家族が包丁を持ち出して、殺すか殺されるかしかない、と思った日もあった。

 そのため、親が仕事に出ている日中に家で仮眠し、夕方から街に出る生活をしていた。ファストフード店や漫画喫茶、居酒屋、カラオケの他、お金がない時にはビルの屋上に段ボールを敷いて一夜を明かしたこともある。空腹を満たすため万引きしたり、誰かが買ってきた安焼酎を回し飲みして体を温めたり、自傷行為のようにタバコを吸ったりもした。それが生き延びるための方法だった。そんな生活をしていたので、私はいつも体がだるく、月経が半年間止まったこともある。

 街では、自分と同じような苦しみを抱える中高生と出会った。雑居ビルの屋上で生活するホームレス状態の男友達もいた。彼はいつも、自動販売機の下に小銭が落ちていないか探し歩いていた。たまに500円玉を見つけると、牛丼か安いラーメンを食べるので、その日は顔色と機嫌が良くなっていた。

 当時「ネットカフェ難民」が社会問題化し、インターネットカフェで寝泊まりする30代男性がテレビでよく取り上げられているのを見ながら、「うちらも難民じゃね」「ホームレスだよね」とつぶやいていた。大人だけでなく、中高生にも家に帰れず生活をしている人がいるのに――と思っていたことから、当時の経験を『難民高校生 絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル』(2013年、英治出版/16年、ちくま文庫)に書いた。自分と似た状況にある子どもたちの問題が「不良少年」「非行少女」として、子どもの問題、子どもが悪さをしている、という文脈でばかり語られるたびに「私たちにも事情があって街に出ているのに」「本当は家にいたいのに」と思っていた。

 無断外泊で安心して眠れない日が続くと、学校では遅刻や授業中の居眠りが増えて、先生から注意されるようになった。この生徒はなぜ眠そうなのか? ご飯をきちんと食べられているのか? と考えて声を掛けてくれたり、事情を聞いてくれたりした先生はいなかった。授業についていけず、成績もどんどん悪くなり「問題児」扱いされるようになった。

 日に日に少年補導が厳しくなる中、夜11時になると繁華街から移動し、住宅街の公園やベンチで隠れるようにして朝を待った。「死にたい」と願い、マンションの屋上から飛び降りようとしたり、自殺の方法をネットで検索したりしたこともある。朝帰りする電車の中で、同年代の高校生が部活の朝練に向かうのを眺めながら、自分を情けなく感じた。そして高2の夏、私は高校を中退した。

 親を悪く言いたくない、他人に親を悪く思われたくない、大ごとにしたくない、という思いから家で起きていることは誰にも話さなかった。学校では「家族は支え合い、親には感謝をするもの」と教えられていたので、「家族を大切にできない自分が悪いのだ」と思い込んでいた。親にも病気や障害があったり、経済的な事情があったりして、親も孤立していることを分かっていたので、余計に声を上げられなかった。

 そんな私たちに関心を寄せて声を掛けてくるのは、支援の手を差し伸べる大人ではなく、買春者や性売買あっせん業者など、危険に取り込もうとする大人ばかりだった。

 理解者であるかのように近づく危険

 今でも、そうした少年少女に路上やネット上で声を掛けるのは、手を差し伸べる大人ではないのが現状だ。少女の場合は買春者や、女子高生(JK)ビジネス店、違法の風俗店、児童売春などのあっせん業者。少年の場合は振り込め詐欺グループ、違法労働をさせる建築会社、除染作業のあっせん業者などが声掛けをしている。少女を違法風俗店にあっせんするスカウトマンとして、同じような境遇の少年が利用されることもある。

 東京都内の渋谷や新宿などの繁華街では、毎晩100人ほどのスカウトマンが街角で少年少女に声を掛けている。そうして被害に遭う子どもが後を絶たないのは、困っている子どもたちが支援につながる前に、危険に取り込まれているからだ。

 ある中学生の女の子は、父親に殴られて裸足で家を飛び出した真冬の深夜2時頃、街路で階段に座っていると男に声を掛けられた。事情を話すとコンビニでおにぎりを買ってくれ、手を握られて「怖くて抵抗できなかった」と言う。男の家に着き、おにぎりを食べると「歯磨きかお風呂、どっちかやる?」と聞かれ、断ったが強姦された。

 彼女は「声を掛けてくるのは、そういう人だけだった。眠くてもどこで寝たらいいか分からないし、関心を寄せてくれるのも、頼れるのもその人たちだけだった」と話した。

 父親からの性的虐待や兄の友人からの性暴力を受けて妊娠した少女が、妊婦専門の風俗店で売春して働き、出産後も「母乳」を売りにして性売買に縛られるしかないと思っていたことや、障害のある少女が狙われて性的搾取をされているケースもあった。

 あっせん業者や買春者は、少年少女に必要な「衣食住+関係性」を、支援者よりも先に与えることを手段として近づく。話を聞き、理解を示し、帰る場所がないと言う子には「寮」を用意し、少年補導から逃れられるよう「宿泊場所」も提供し、食事を与え、学習支援をしている店もある。彼らは子どもたちを「担い手」として捉え、仕事を与えて取り込む。

 女子高生の性を売り物にするJKビジネスの経営者たちは、ブログやTwitter、LINEなどに求人情報を掲載して組織ぐるみで巧みに少女を勧誘。店のTwitterアカウントを開設し、女子高生のアカウントをフォローして関心を引いたり、店で働く女の子のSNSで求人情報を拡散させたり、同世代の少女も使ったりしてスタッフ集めをしている。私はこれまで、JKビジネス店で働いた少女160名以上と関わっているが、その全員が客引き中、買春や性交渉を持ちかけられたという。

 子どもを利用しようとする大人たちは、どこに困っている子どもがいるのか、どうしたら子どもたちから信頼を得られるのかを知っている。

 公的機関や学校などでは、そうした子どもたちは「ケア」が必要な対象ではなく、「非行少年」「問題児」として扱われてしまうことがある。が、そうした孤立した子どもを狙う大人は、子どもたちの文化を学び、生活を否定しない形で、むしろ彼らの生活に入り込むようにして理解者であるがごとく近づいている。

 行政の「保護」を恐れる子どもたち

 危険に取り込まれる子どもたちが後を絶たない一方で、困難を抱えた少年少女が公的支援を受けるには高いハードルがある。子どもを守るはずの機関で不適切な対応をされたり、大人に傷つけられたりした経験から、少年少女たちにとって「保護」は恐れるものとなっていることがあるのだ。

 私たちも、街で声を掛けた少女に「保護じゃないよね?」と、おびえた様子で言われたことが何度かあった。

 子どもを保護するための体制が、困難を抱えた少年少女の実態と合っていない点も日々感じている。例えば児童相談所の開所時間はその多くが平日の日中のみで、午前8時半頃〜午後5時頃しか管轄児相での対応はされない。午後の遅い時間に子どもが保護を求めても翌日まわしにされることがほとんどで、放課後に相談するのだと開所時間に間に合わない。

 金曜日の午後3時頃、ある高校生が「親に殴られるので今日家に帰りたくない」と電話で相談したところ、「もうすぐ閉所時間だし、土日は休みだから月曜日にまた電話してください」と言われたこともある。児童相談所は夜間・休日を問わず、いつ駆け込んでも助けてくれる機関になるべきだと思う。

 保護のニーズが高まる夜間や土・日・祝日、年末年始に駆け込める公的機関は警察だけだが、警察は福祉的な視点で子どもに関われる機関ではない。

公的機関で唯一、積極的に困っている子どもを発見し、つながる活動をしているのも警察だが、それは「補導」という形になり、補導された子どもは生活態度を注意されたり、親や学校に連絡されたりし、家に連れ戻される。補導回数が重なると、犯罪を起こす可能性が高い「虞犯(ぐはん)少年」として鑑別所や少年院に送られることもある。

  だから私は中高時代、警察は「見掛けたら逃げるものだ」と思っていた。

  非行や家出に関わる子どもたちを「困った子」として、指導や矯正の対象とするのではなく、「困っている子」として捉え、家庭などの背景への介入や、福祉、医療、教育的なケアに子どもをつなげる「ケア付き補導」が必要だと思う。

 会いに行かなければ出会えない

 日々、私たちが関わっている中高生について、「そういう子どもたちは相談窓口には来ない」という声を支援の現場でよく聞く。家庭や学校などで傷ついてきた子どもたちが、自ら相談機関を調べて、面談の予約を取り、交通費と時間を掛けて相談に行くというのは現実的ではない。あきらめ感が強かったり、自暴自棄になったりしている子どもたちの多くは、「大人にあきらめられた」と感じる経験をしていたり、自己責任論の中で「自分が悪い」と思い込み、声を上げられずにいたりすることもある。

 私たちはこれまで、夜の街で家に帰らずにいる青少年を「発見し、出会い、つながること」を目的に、街に出て声を掛けるアウトリーチ活動を行ってきた。中学生の時に声を掛けられたのがきっかけで、その2年後、虐待で家に帰れなくなった時、生活を変えたいと連絡をくれた人もいた。街で出会ったことがきっかけで、ColaboのSNSでの発信を見ながら連絡をしてみるか迷い、1年以上たってから勇気を出して連絡をくれた人もいる。

 その時すぐに支援につながらなくても、「こういう人がいるんだ」と知ってもらうため、支援者側から顔を見せることが重要だ。

 そして、支援を利用することや、生活を変えることを強要するのではなく、本人が求めるタイミングで、何が必要か、どうしたらいいか、一緒に考えていける大人が増えてほしいと思っている。

 そこで私たちは、韓国における実践例を参考に、繁華街に停車させたバスを拠点にしたアウトリーチを今年(2018年)10月から開始する。韓国では首都ソウル市だけでも行政機関を含む7団体ほどが、バスを使ったアウトリーチや食事提供などを行っているという。

 このプロジェクトは渋谷区、新宿区と連携し、繁華街にキャンピングカー仕様のマイクロバスを停車させ、バスの周りにテントを置き、イスやテーブルを並べて食事をとったり、話をしたりできるような場を作る。そこを拠点に、スタッフとボランティアがチームに分かれて街中の少女たちに声を掛け、団体の活動やバスで受けられる支援を案内する。使い捨てカイロや電話用プリペイドカード、食料などの物品を提供したり、相談窓口の連絡先が載ったカードやグッズを配布したりする。

 ベース基地となるバスでも食事や物品の提供を行い、必要に応じて相談や、行政・病院などへの同行支援、緊急一時保護を行う。

 これまでは支援者が街で散開して個々に女の子に声を掛け、連絡先を伝える方法でアウトリーチを行ってきた。が、それだけでは少女たちも警戒したり、突然のことで驚くなどして、直接的な支援につながるケースは少なかった。そこでより効果的な支援、つながるきっかけ作りを行うため、街中に停車させたバスを拠点にすることにしたのだ。

 そうすることで、「あそこにバスがあってご飯が食べられるよ」「よかったら少し寄って行かない?」などと案内することができる。少女たちに足を運んでもらいやすくし、団体の雰囲気や活動を見せて、連絡先を伝え、顔の見える間柄になることで、困った時に気軽に連絡してもらえる関係性を作ることができればと考えている。

 支援につながらない多くの少女たちが、自分の困りごとに気づいていなかったり、共に状況を整理する大人がそばにいなかったり、「相談する」ということが思い付かなかったり、「逃げるな、甘えるな、お前のせいだ」などと言われたりして育ってきた。「相談する」「支援を利用する」という言葉や行為自体に抵抗感を持つ子も多い。そのため、私たちのアウトリーチでは「相談」を目的としない場を提供することで、そうした少女たちに出会い、利用してもらいやすい雰囲気作りを行いたい。

 問題解決を目的とせず「伴走支援」を

 私たちは問題解決を目的としない関わりを持つことで、一時的な支援ではなくその子の人生そのもの、その時々の悩みや気持ちの揺れにも寄り添い、日常的な暮らしへの伴走を通して自立を後押ししたいと考えている。

 11年のColabo立ち上げからこれまで、Colaboは一般の方々からの寄付や民間レベルの助成金、講演の謝礼といった自主事業費などで運営してきた。が、このほど18年度に厚生労働省が始めた「若年被害女性等支援モデル事業」において東京都の委託先となることが決まった。公的機関につながらない若年女性たちを民間団体が支えていることや、アウトリーチの必要性を国がようやく理解してできたモデル事業だ。それだけに期待はしているが、アウトリーチを強化したところで、そうした若年女性が安心して生活を送れる受け皿が足りない中、女性たちに「出会った責任」をどう取るのか。結局は民間に「自助努力」を求め、押し付けるような形にならないかが気掛かりだ。

 現状では私たちが出会う少女たちは、家出や性売買や犯罪に関わるなどした「非行歴」のある子どもとして捉えられている。その背景に虐待や生活困窮などがあって家にいられなかったとしても、受け入れ施設を探すには大変困難な状況がある。また、児童相談所の一時保護所や婦人相談所の女性シェルターなど、公的機関の保護の在り方は当事者を社会から隔絶させるようなものであり、管理的で窮屈な生活になることから、そうした機関を利用したがらない人が多い。

 Colaboでも少女たちの生活を支えるため、24時間見守り体制があり、食事が3食提供できて、中長期的に暮らせる場を作りたいと考えているが、そのためには人件費や家賃などの資金が必要になる。

 児童相談所などから子どもを預かるためにも、見守り体制は必要であり、少女たちが安心して過ごせる選択肢を増やすために「自立援助ホーム」を開設したいと考えている。しかし施設は不足しているにもかかわらず、東京都は増設しない方針だ。

 今年、開設の相談に行った際には、担当者に「現状ではColaboさんが必要だと思われている施設を作るために使える制度はない。現状の支援が不足しているということを我々の立場では言えないし、分からない。Colaboさんは現場で必要性を感じておられるのかもしれないが、調査をしてデータを取るなどしないと必要だとは言えず、予算も確保できない。それには時間が掛かるので、それまでは自分たちで寄付を集めるなどしてやってください。何事も初めは100%、民間の自助努力なんですよ。制度は後から付いてくる。それまで自助努力でお願いします」と言われてしまった。

 言っていることは分かるのだが、目の前の子どもたちを放っておけないし、彼女たちを危険に取り込む者たちは、待ってはくれない。これからも支援の不足と充実を訴えつつ、必要とされていることを、市民の方々の理解と協力を得て形にしていきたい。


 

長い文書になったので今日のわたしごとはヤメ。 


この国で、「女子」でいることはかなりしんどい。その1

2018年10月09日 | 社会・経済

『「女子」という呪い』(雨宮処凛著 集英社クリエイティブ)刊行記念トークセッション

  imidas連載コラム2018/10/09雨宮処凛・田房永子・北原みのり

 

 フェミニズムとか、ジェンダーとか、女子に向けられる「呪いの言葉」とかについて3人で話してみた!

  雨宮処凛さんの著書『「女子」という呪い』の刊行を記念して行われたトークセッション(2018年5月22日に実施。@神楽坂モノガタリ)。漫画家・ライターとして活躍する田房永子さん、作家・ラブピースクラブ代表の北原みのりさんをゲストにお迎えした。昨今のいろいろなセクハラ、#MeToo問題をテーマに話は盛り上がり、会場はヒートアップ! 女性も男性も立ち止まって考えてもらいたいと、3回にわたり採録をお届けします。

 エラぶっているオジサンには、「虚」を感じる

 北原 雨宮さんとは、たぶん15、16年ぐらい前から仕事を通じて知り合いでしたよね。だけど、フェミニズムとかジェンダーについて話をするのは、じつは今回が初めてで、今日はすごく楽しみにして来ました。

  この『「女子」という呪い』という本には、(私が運営している)ラブピースクラブのサイトで書いていただいたエッセー(「化粧する女、化粧する男」)も収録されているんですよね。今回この本を手にした時、表紙のイメージもあると思うのですが、雨宮さんがポジティブにフェミ(ニズム)を語ったんだなと思い込みました。ところが、読んで驚きました。死者の話がとても多かった。ライターの井島ちづるさんや、電通社員で過労死した高橋まつりさんなど、全ての章で若い女性たちの死が語られる……そして、その死は「女性であること」と全く無関係ではない。そういう死を隣で寄り添うように見てきた雨宮さんが、女性の問題をなぜ今まで書かなかったのか、むしろ不思議でした。苦境を乗り越えた女たちは「生き残った者=サバイバー」ですよね。雨宮さん自身も、サバイバーだと思いました。

雨宮 ありがとうございます。お二人とはぜひ話をしたいとずっと思っていました。北原さんはずっとフェミニズムの活動をしてきた方。昨年(2017年)『日本のフェミニズム』っていう本を出版なさっていて、読みました。とても勉強になりました。

    田房さんとは、今日初めてお会いします。つい先日、朝日新聞夕刊に田房さんが描いた「オトナの保健室」コーナーの漫画(2018年4月17日)で、セクハラを理解できないオッサンたちについての分析がとても鋭い、とネット上ですごく話題になりましたよね。

 田房 もう二年前ぐらいから感じていたことを、最近それが表面に表れてきたなと思ったので、この前連載漫画に描いたんですが……。私はエライ感じがするオジサンが話しているのを見ると、すごい「虚」を感じるんですね、虚。

雨宮 空虚の虚。

田房 (オジサンは)立派に見えても、その人自身の心の中ってどうなっているのかなと不安になってくるんですよ。

   私は心理学が好きなので、よく(そういう本を)読んだりするんですけど、「相手に対しての言動は、自分が自分自身に対してやっていることだ」という内容が出てくるんですね。子どもに対して「おまえはダメだ」と言っている人は、自分のことをダメだと思っている。こんなふうに、相手を見ると鏡みたいに自分のことが映って見えてしまう、っていうのが、人にはよく起こる。そういう視点で考えたら、オジサンたちは自分のことを人間扱いするって感覚を持っていないんじゃないかと思います。

北原 「週刊朝日」で田房さんがイラストを描いて、私が文章を書く連載もやっているのですが――(最近思ったことは)フェミニズムの問題って女性問題と言われるけれど、本当は加害者の問題で、男がなぜこういう状況になっているのかって考えるべきだと思う。やっぱり男自身がきちんと人間扱いされていない、そして、(他の人に対しても人間扱い)していない。さっき空虚っておっしゃったけれども、リアルな体の感覚を持たない男たちに、人権意識が育つわけないよね、と思う。

 女性にわざとぶつかったり、怒鳴り付けたりする男性、けっこういるよね?

 北原 女はね、いきなり他人に怒鳴られたり、そんな怖い思いを日常的にしていると思う。

田房 私も男の人に、ぶつかられるんですよね。駅とかで。

北原 タックルされるよね。

田房 カバンでバーンってやられて、もうクルリンって回っちゃったりするんですよ。

北原 そう、だから、日大のアメフトタックル問題は、(関西学院の)被害学生の気持ちがよく分かる。

田房 私たち、毎日あれと一緒ですよ。だからあの事件が大問題になって初めて、本当に後ろからタックルって超ヤバいんだって分かった。しかも、その後ツイッターで、駅でわざとぶつかる男の人がいると話題になって、みんなが被害に遭っていることも分かった。理由もなくぶつかられたり、叱られたり。

  この間も、新宿の丸ノ内線の改札の前で、バカンとぶつかられて。その男はそのまま改札に入っていくから、思い切って「ぶつからないでください!」って言ったんですよ。そうしたら、その男性、メッチャ私に向かって怒ってて。

雨宮 こわーい。

北原 何で怒るの? 謝りもせず。

田房 その人、改札に入りながら、すごい怒った顔で私の方を見て「コノヤロー」みたいな感じで……たぶん「バカ」とか「ブス」とか罵声だと思うんですけど、私に向かって何か言って。私はそれが聞き取れないんだけど、その人の顔を見ながら改札の外側を歩いてて……。人混みの中、二人とも相手を探して見つめ合いながら歩いてる、っていう動きだけはトレンディードラマみたいな感じ。最終的に雑踏の中で、その人は「アーッ!!」て、映画の『プラトーン』のように天を仰いで反り返って、叫んだんですよ。

雨宮 何の叫び? それ。

北原 年は何歳ぐらいですか。

田房 私と同じぐらいですね、たぶん。身なりはきちんとした富裕層な感じの男性でした。反り返って叫んでいる姿を見た時に、「ぶつかられるかも」といつも恐怖心を持って歩いている私より、この人が感じてるストレスの方が5000倍ぐらい大きいんだなと感じたんですよね。ヤバいんだな、っていうか。

北原 ヤバいよ、相当。

田房 見知らぬ女へのタックルで、自分の抱えてるストレスを解消できるわけがない! 自分のストレスに対して、もうちょっと真面目に取り組んでほしいです。

雨宮 この前、斉藤章佳さんという精神保健福祉士の方が書いた『男が痴漢になる理由』っていう本を読んだら、まさにそれでした。痴漢は、ストレスを感じている男性が、満員電車の中で自分より圧倒的に力の弱い女性を支配するっていうか、攻撃するっていうか、むしゃくしゃした気持ちを弱くて抵抗しない人にぶつけたいっていう気持ちからやってしまうんだって書いてありました。

そういう支配欲の他にも、一週間頑張ったから自分へのご褒美に痴漢をしようみたいな人とか、ノルマ型みたいに今月の目標人数に達してないから、あと一人触らなきゃみたいな人もいるとか。

わざとぶつかる人も痴漢も、結局自分の気持ちやストレスを言語化しないのが原因なんじゃないですか。言語化したら何とか解決できるのに、何で(そういう男性は)できないんですかね。

北原 それは日本の男の何割なのかが、すごく気になる。だって、雨宮さんはぶつかられたことある?

雨宮 あるある、もちろんある。

北原 でしょう? 痴漢に遭ったことないとか、ぶつかられたことがない女の人って私の周りでは1割強ぐらいの割合だと思うのね。ということは、9割の女が電車とか駅、公共の施設とか空間で、見知らぬ男からの攻撃――それって別にぶつかられることだけじゃなくて、通りすがりに「ブス」とか「ババア」とか言われてストレスを吐き出されたり、性的なからかいを受けたり、一日イヤな気持ちになるようなことをされている。もうこれは、女にとってはテロじゃん! で、思うのは、ではいったい男の何割が加害者なってしまっているの? ということ。女性たちは(痴漢やわざとぶつかるといった行動を)やってもいい存在だと思われている。こんな社会に生きてたら、「フェミニスト」になりたくなくても、なっちゃいますよ。

 最近のセクハラ案件についてどう思う?

 雨宮 最近、財務省の福田事務次官やTOKIO山口達也メンバーの問題、自民党の加藤とかいう議員が「必ず3人以上の子どもを産み育てろ。結婚しなくて子どももいなかったら、人様の子どもの税金で老人ホームに入ることになるんだぞ」という発言をしたり――いろんなセクハラ案件があるじゃないですか? その中で、私が微妙に気になってるのが、文科大臣が通っていた〈セクシー個室ヨガ〉!

北原 私も気になってる。

雨宮 あれを見てね、思い出したのが、田房さんの書いた本『男しか行けない場所に女が行ってきました』に出てきたセクシー〈密着型理髪店〉なんです。あの〈セクシー個室ヨガ〉は、経営者の人が元AV女優ではないかとか一部で報道された。それに対して、「元グラビア(アイドル)だし、そう報道されること自体がセクハラで職業差別だ」って経営者の女性が反論していたじゃないですか。

   でも一方で、自分たちの美を商品として売り出している感じもビンビンにしていて、ああいう綺麗な女性からそうされてしまうと、何て言えばいいんだろう? ……と思いました。

田房 私が取材した〈密着型理髪店〉はもう、なくなってしまったんです。ミニスカート穿いて長い髪を垂らして、細い眼鏡かけた女教師みたいな格好をしてる女性が理髪店にいる。とにかく理髪店としておかしい風景なんですよ。

雨宮 おかしいよね、明らかに。

田房 衝立があって、でっかい鏡があって。髪を洗ったりとか、切ったりする時に、ミニスカート姿がチラチラ見えたり、おっぱいがお客さんにくっつきそうな感じになったりする。私、その当時、いろんなフーゾク店に取材に行っていたのですが、そういう話を男の友達とか知り合いの人に話すと、この〈密着型理髪店〉はみんなすごく食いついてきて、「メッチャ行きたい」って言うんですよ。

  そこは、ただ世間話をするカウンセリングコースというのもあって、1000円で10分とか、お店の一角で話をするんです。カントリーマアムというお菓子やQoo(クー)っていう子どもの好きなジュースが出てくる。

雨宮 切ないですよね。というか、みんな茶番じゃないですか。「いや、髪切ってるだけですよ」っていう体裁で、性的な何かを期待するわけでしょう。で、田房さんがこの本で書いているように、男性はみんなキョトンとした顔してやってくる!

田房 そう! 「ここ、普通の理髪店ですよね、あれっ、あれっ」みたいな感じを装いながら、ひっきりなしにお客がやってくる。

雨宮 確信犯なのにね。男ばっかりでしょう?

田房 そう。

雨宮 だから、〈セクシー個室ヨガ〉の報道があった時に、あの文科大臣もたぶん同じようにキョトンとした感じで通っていたのではないかと。個室ヨガで1対1だけど、ヨガやってるだけですよ~と言い訳している感じが、なんかもやもやするというか。

田房 その〈密着型理髪店〉で働く女の子に聞いたんだけど、そこは男性の経営者がキャバクラや理髪店から女の子を引き抜いてきて作ったお店でした。「3倍の給料を払います」という感じで。だから理髪師とキャバクラ出身の人の区別が、見ただけではっきりと分かるくらいなんです。私のことを担当してくれた女の子は、理髪師でハサミとかカミソリが持てるんだけど、それでもミニスカートにサイズ小さめのワイシャツは着なきゃいけない。その子は「お給料はいいけど、つらい……」って感じでした。

でも、その〈セクシー個室ヨガ〉は女性が経営してるんですよね。そこは、〈密着型理髪店〉とはちょっと違うのかな?

雨宮 〈密着型理髪店〉も〈セクシー個室ヨガ〉も、フーゾクでもないしキャバクラでもない。それはその通りだと思います。

ただ、一方でね、本来提供しているサービスに加えて、女の子とLINEでメッセージ交換とかできますよ、といったことを売りにする場合がある。それで、お客からのストーカー被害に遭った場合は、店は責任を負わない、労働者として守られていない。なんか曖昧にして、「そういう種類のサービスではないですよ」としらばっくれて、結局働く女性が大きなリスクを負う可能性が高い。そういう曖昧なグレーの部分が際限なく広がって、全部女性の自己責任になるんですよ。風営法に取り締まられないような、水商売とも性産業とも言えないところが、危ないと思いませんか?

北原 風営法によるフーゾク産業でも、基本的には女性の自己責任とされているんですよね。いわゆる「本番」と言われている性交は、自由恋愛の範囲でどうぞ、として運営されている。どんな所でも、男は、「デリヘルって、ただのマッサージじゃないんですか、キョトン? え、ソープランドってお風呂屋さんだよね? なのにセックスできるの? キョトン?」という、建前と本音、ダブルスタンダードで、女をすごく上手に搾取している。でも、基本的に最終的に何かあった時には、全て責任を取らされるのは男じゃなくて女なの。

雨宮 今のフーゾクも「キョトン」ですよね。ソープランドもね、そんなつもりじゃなかったみたいにね、言えちゃいますもんね、男性はね。

北原 (日本の社会は)どこまでも男の人に甘い、性に関して甘いよね。だけど、男の人もこれでほんとうに幸福なんですか? こんな文化でいいんですか? って聞きたいの。さっきの話に戻ると、大臣が公用車で〈セクシー個室ヨガ〉に行くわけでしょ。 そんな人が大臣でいいんですか。

田房 虚がすごいよね。

北原 虚がすごい。あまりにも空、ほんとに。

 

*「この国で、女子でいることはかなりしんどい。その2」は、10月16日(火)の公開です。


そうですか・・・・・
都会での通勤、大変なんですねぇ
下手したらホームから突き落とされるかも

そうですか・・・・
そんなものがあるんですね
なんか「ごはん論法」みたい


「災害救助法」・「被災者生活再建支援法」の充実を

2018年10月08日 | 社会・経済

地震罹災証明に再調査要請700件超 
   「一部損壊」に不服か

  道新 10/08

 

 胆振東部地震で、住宅被害の判定結果を不服とする被災者から、自治体に再調査を求める申し立てが、札幌を中心に道内で少なくとも701件寄せられたことが、北海道新聞の調べで分かった。国の制度で公的支援金を受け取れない「一部損壊」の判定が8割を占めていることから、再調査の要望が増えたとみられる。専門家は「迅速な復興に向け、住民の再建への意欲を高めるためにも、幅広い支援が必要だ」と指摘する。

 北海道新聞が道に住宅被害を報告した27市町に対し、住宅被害の判定結果を通知する罹災(りさい)証明書の発行状況と、不服申し立ての有無を聞いた。

 罹災証明の申請は3日現在計7187件、発行数は計5282件。一部損壊が4422件と、発行数の8割超を占めた。全壊257件、大規模半壊73件、半壊420件、被害なし110件。

 不服申し立てのうち札幌市が663件と道内全体の95%を占め、同市の罹災証明発行数の2割に及んだ。市固定資産税課の担当者は「一部損壊の被災者が大半だろう」とみる。

 胆振管内安平町は21件、むかわ町は15件、厚真町は0件だった。3町の罹災証明の発行数は、自治体規模に比べて被害が大きかったことなどから、3日時点で申請の4割にとどまる。厚真町の担当者は「手続きが進めば再調査希望は出てくるだろう」と推測する。

 不服申し立ては他に、千歳市と登別市が1件。北広島市は「申し立てはあるが数は未集計」としている。

 国の災害救助法や被災者生活再建支援法は、住み続けるのが困難な全壊や大規模半壊、半壊以上の被災者支援が柱。一部損壊でも住宅の補修に多額の費用を要する場合があるが、支援は所得税の減免などに限られている。

 再調査で結果が変わることは少ない。札幌市厚別区の主婦(58)は木造2階建ての自宅が傾き、基礎にひび割れも走り、業者には500万円の修理費がかかると言われた。だが、罹災証明は一部損壊で、9月21日に出た再調査結果も同じ。「雪が積もる冬を越せるのか不安だ。5万円でも10万円でもいいから支援が欲しい」と訴える。

 液状化の被害があった札幌市清田区里塚地区では、時間がたって住宅の傾きが大きくなり、再調査で判定が一部損壊から半壊に変わった例があり、千歳市の1件も再調査で一部損壊から全壊に変更された。ただ、札幌市の担当者は「基準に沿って調査しており、結果が劇的に変わることはそう多くはない」と話す。

 一部損壊の被災者らが支援の枠組みから漏れる課題は過去も指摘され、対策が取られてきた。

 2000年の鳥取県西部地震後、同県と市町村は年1億円ずつ基金を積み立て、16年の鳥取県中部地震では独自に一部損壊の世帯に補修費用を最大30万円支給した。16年の熊本地震では、一部損壊で修理に100万円以上かかった世帯に対し、県が義援金から10万円を配分した。

 鳥取大の浅井秀子准教授(地域防災)は「自治体による幅広い被災者支援は、少額でも復興への意識を高める意味がある」と話している。(荒谷健一郎、川崎学)


 <ことば>住宅の被害認定 災害対策基本法に基づき、市町村職員が国の判定基準に沿って、住宅の壁や基礎のひび割れ、住宅の傾きなどを目視で調査する。損壊割合によって50%以上を全壊、40%以上50%未満を大規模半壊、20%以上40%未満を半壊、1%以上20%未満を一部損壊と判定する。罹災(りさい)証明書の発行後、被災者が要望すれば不服申し立てができる。


 

「自然災害」なのだから全額保証できればいいのですが・・・
こんなところにも「自己責任」ですか?

 今日は一日曇りの予報でしたが、割と晴れ間が多かったようです。
この時期すっきりと晴れると霜の恐れがあります。だから今日のように朝晩曇りで日中は晴れてくれるととてもうれしいのです。 


旭日旗の歴史

2018年10月07日 | 社会・経済

 台風25号、わたしのところは雨、風ともそれほどでもなく、被害はありませんでした。しかし、東北地方では、かなりの被害が出ているようです。この強風で、青森・弘前市のリンゴ園では、収穫直前の実が地面に散乱する事態となったようです。被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

 それにしても災害が多すぎます。「忘れたころにやってくる」はずのものが毎週のごとくです。被害にあっても「運が悪かった」で済まない救済法が必要です。


 

 

旭日旗問題で炎上した俳優・國村隼の発言は真っ当だ! 日本の侵略戦争、軍国主義の象徴だった旭日旗の歴史

リテラ 2018.10.06.

 

  旭日旗を巡る日本政府の対応が、またしても大きな外交問題に発展している。11日に韓国・済州島で行われる「国際観艦式」にあたり、海上自衛隊の旭日旗掲揚を事実上、自粛するよう求めた韓国政府に対し、日本政府が猛反発。5日にはとうとう護衛艦の派遣を取りやめると正式決定した件だ。

 言うまでもなく、海上自衛隊の艦旗である旭日旗は、戦中・戦前の帝国海軍からそのまま継承したもので、日本の軍国主義や帝国主義の象徴だ。これまでも、サッカーの試合などでサポーターが旭日旗を掲げて国際問題化してきた。韓国との過去の歴史を考えれば、要請に応じての自粛するのが普通だろう。それを護衛艦派遣取りやめとは、大人気ないにもほどがある。

 そんななか、意外な人物がこの旭日旗問題について正論を口にして、話題となっている。映画やテレビで独特の存在感を発揮しているコワモテの演技派俳優、國村隼だ。

 國村隼は、リドリー・スコットの『ブラック・レイン』やタランティーノの『キル・ビル』のほか、香港映画や韓国映画などにも複数出演してきた国際派でもある。近年ではナ・ホンジン監督作『哭声/コクソン』での怪演で高い評価を受けたことも記憶に新しい。ちなみに、『シン・ゴジラ』では自衛隊の統合幕僚長役を演じていた。

 そんな國村が5日、韓国で釜山国際映画祭関連の記者会見に参加。韓国・中央日報によれば、旭日旗問題について質問を受けた國村はこのように話したという。

 「旭日旗というのが日本海軍自衛隊の伝統旗だと知っている。だが、われわれより先の世代、特に韓国の方はこの旗を格別に捉えているということも深く理解している」

 「自衛隊としては旭日旗が自身たちの伝統なので曲げることができないだろう。しかし、過去の歴史を一度だけでも理解すればどうだろうか、個人的には考えている」

 國村のいう旭日旗の「過去の歴史」が、大日本帝国による韓国併合とアジアへの侵略戦争を指していることは解説するまでもないだろう。さらに國村は、現在の安倍政治についてもこう感想を語ったという。

 「現在の日本政府は旭日旗だけでなく、すべての面で保守的な立場を持っている。日本の中でも様々な社会的な問題を起こしているのが事実だ」

 「この問題については俳優としてよりも、一人の個人として望ましくないと考える」

 日韓両方の立場を尊重しつつも逃げることなく、旭日旗の歴史的経緯を踏まえたうえで誠実に自身の考えを語り、その背景にある安倍政権による日本社会の保守化の問題にまで踏み込んだ國村。言葉を慎重に選んでいるが、その内容は至極真っ当だろう。

 ところが、やはりというべきか、国村は、Twitterなどでネトウヨから総攻撃を浴びせられることになってしまった。

 〈売国奴國村を許すな!〉

 〈所詮このオヤジも、吉田鋼太郎と同じ、雰囲気だけの俳優。演技力なんざ下の下じゃねえか。その上脳みそは極左ときた。國村隼、テメエは恥を知れ〉

 〈釜山の映画祭に出席している時点で、韓国寄りの意見しか言えないだろう 目先の金のために、売国奴に成り下がったな 惨めな男〉

 〈國村隼さん好きな俳優さんだったけど韓国の傀儡で日本の国賊だったとは残念〉

 〈反日分子は追放しろ!〉

 

 この程度の発言で「売国奴」「国賊」「反日分子」呼ばわりされ、その演技力まで否定しにかかるとは、毎度のことながら連中のファナティックさには呆れ果てる。

  だが、狂っているのはネトウヨたちだけではない。今回の問題はそもそも、連中の親玉である安倍政権の対応がおかしいのだ。

韓国は全参加国に「国旗のみ」を要請しているのに

 前述したように、日本政府は旭日旗が自衛隊法で定められた自衛艦旗であり、外部標識として掲揚が義務付けられていると言い張り、護衛艦の派遣を取りやめた。岩屋毅防衛相は「わが国の立場としては、受け入れることができない」と掲揚自粛を断固拒否。河野克俊統合幕僚長にいたっては「海上自衛官にとって自衛艦旗は誇りとしての旗だ。降ろしていくことは絶対にない」といきりたった。

 いったいなにをいっているのか。そもそも韓国側の要請は、日本にだけ向けられたものではない。参加予定の全14カ国に対して「自国と韓国の国旗のみ」を掲揚するよう求めるものだ(ちなみにもともと軍艦旗を持たず国旗をそのまま掲揚している国もある)。にもかかわらず、安倍政権はこれにヒステリックに反発して、国際関係を拗らせているのである。

 その結果、ネトウヨたちから、国際感覚の欠如した安倍政権に乗っかって、〈死ね韓国〉〈自衛艦旗を下ろす時は相手国に降伏した時だ!韓国に降伏するわけが無い〉〈真の敵国は南北朝鮮〉〈国旗は祖国日本の誇りです〉などといった韓国バッシングが噴き出したのだ(一応言っておくと、旭日旗が日本国の国旗だった時期は存在しない)。しかも、こうした韓国批判や、「旭日旗を掲げて何が悪い」という主張は、頭の悪いネトウヨだけでなく、一般国民の間にも広がっている。

 だとしたら、旭日旗のいったい何が問題なのかきちんと指摘する必要があるだろう。本サイトでは以前も詳しく解説したことがあった(https://lite-ra.com/2017/05/post-3142.html)が、「旭日旗は日本の軍国主義の象徴である」という韓国世論は、べつに言いがかりでもなんでもなく、歴史的事実だ。そして海上自衛隊の艦旗は、その旭日の意匠のみならず、戦中のミリタリズムをまるごと引き継いだ、極めて思想的なものに他ならないのである。

旭日旗は天皇の分身、意匠には〈我帝國ノ武勇ヲ世界ニ輝カセ〉の意味

 言うまでもなく、旭日旗は、戦前・戦中に帝国陸軍の「軍旗」(連隊旗)および帝国海軍の「軍艦旗」として用いられた。それぞれ形が微妙に異なるのだが、たとえば陸軍での扱いは、単なる連隊の標識にとどまらず「旭日旗=天皇の分身」として、軍旗に関する礼式、取り扱い等も規定された。紛失したり、奪取されることなどもってのほかで、敗北・玉砕の際は連隊長が腹を切り、軍旗を奉焼の儀式にて灰にした(寺田近雄『完本 日本軍隊用語集』学習研究社)。第二次大戦末期には爆薬によって旗手が軍旗もろとも自爆する処置がとられたという(秦郁彦『日本陸海軍総合事典』東京大学出版会)。

 一方、海軍での旭日旗=軍艦旗はどうだったか。前述の“狂気”としか言いようがない陸軍での扱いとは違って、海軍の艦船たることを示す旗章として日本国主権の存在を示したと解説されることが多いが、1902(明治35)年に海軍少佐・奥田貞吉の名前で著された「帝國國旗及軍艦旗」によると、その意匠には〈我帝國ノ武勇ヲ世界ニ輝カセ〉〈帝國ノ國權ヲ地球ノ上ニ發揚セヨ〉という意味があるとされる。つまり、たんに船舶の所属を表す目的ではなく、国威発揚や帝国主義の正当化を図る示威行為の意図があったと考えられる。

 陸軍の軍旗および海軍の軍艦旗は、敗戦で一度は消滅する。だが、海上自衛隊はその後、戦中とまったく同じ旭日旗を自衛艦旗として蘇生した。しかし、それは「自衛隊が旭日旗を使うことは問題ない」からではなく、むしろ逆で、当局もその問題性を認識していたことは意外と知られていない。

 現に、防衛省・自衛隊ホームページでは〈自衛艦旗は戦前の日本海軍の軍艦旗そのままのデザインですが、その制定にあたって海上自衛隊の艦旗はすんなりと旧軍艦旗と決まったわけではありませんでした〉と解説されている。1954(昭和29)年の自衛隊設置を前に、その前年から旗章が全面的に見直されることになったのだが、〈多くの部隊が希望している旧軍艦旗を採用することについても、情勢はこれを許す状況にはないのではないかとの議論〉があったというから、やはり、旭日旗が軍国主義を示すものであるとの認識は当時の関係者にもあったわけである。

旭日旗復活に「軍艦旗が使える」と狂喜した帝国海軍出身者たち

 ところが、防衛省が説明するところによれば、〈各部隊・機関の意見を集めたその結果、各部隊等の大部分は旧軍艦旗を希望している意見が多いことが判明〉して、旧日本軍の軍艦旗がそのまま制定されたという。

 元海軍軍人の大賀良平・第12代海上幕僚長(故人)が、かつて雑誌に「旭日旗、再び」と題して寄稿した文によれば、1951年、吉田茂はサンフランシスコ講和条約締結と前後し、米国から艦艇の貸与を打診され、これを受け入れた。その際、貸与艦をどう運用すべきかを検討する秘密委員会が設けられ、山本善雄元海軍少佐が主席となり、旧海軍側から8名が参加したという。この答申によって、翌52年に海上警備隊が創設されたのだが、大賀元海幕長は当時をこう述懐している。

 〈この時、関係者が感激し狂喜したのは、かつての軍艦旗“旭日旗”が再び自衛艦旗として使えるように決まったことだ〉(「世界週報」時事通信社/2002年8月20・27日合併号)

 大賀元海幕長の言う「感激し狂喜した関係者」が、海軍出身者のことであることは疑いない。自衛艦旗の「旭日旗」の復活が、帝国海軍のメンタリティを継承しようとした結果だということは明白だろう。つまり、いま国際問題になっている海上自衛隊の自衛艦旗=旭日旗は、たんにその意匠(旭日)が「戦中を思わせる」という「情緒的な」レベルではなく、完全に、大日本帝国のミリタリズムを継承したものに他ならないのだ。

 繰り返す。海上自衛隊の旭日旗はたんに「太陽をイメージした旗」ではない。それは侵略戦争を行った日本の軍隊、大日本帝国海軍を正当化させるものに他ならないのである。韓国をはじめとするアジア諸国で、旭日旗と、それを意気揚々と掲げる自衛隊に強い嫌悪感が生じるのは、当たり前の話だ。

 日本では、「韓国は過剰反応しているという」なる非難も目立つが、逆だろう。旭日旗を当たり前のものとして受け入れているその鈍感さこそ、あまりに危険である。言っておくが、旭日旗は決して軍部だけの独占的なデザインだったわけではない。日本の軍国主義の進展とともに、街角のポスターや学校の校旗にも登場し、子どもたちまでもが手旗サイズの軍旗を振った。つまり、日本の庶民にも対しても、戦意高揚のために使われていたのである。

  今回、いみじくも國村隼が「現在の日本政府は旭日旗だけでなく、すべての面で保守的な立場を持っている。日本の中でも様々な社会的な問題を起こしているのが事実だ」と指摘したように、日本社会はいまや、旭日旗掲揚を批判した俳優を「国賊」「売国奴」「反日分子」と罵倒する、極めてグロテスクな状況に陥っている。そう考えると。国民はすでに安倍政権によって、“旭日旗の思想”に染められつつあるのかもしれない。(編集部)

 

 

 【釜山聯合ニュース】10/7

    4日に開幕した釜山国際映画祭の主催側は7日、「俳優、國村隼さんへの敏感な韓日問題に関する質問により、さまざまな誤解と憶測が広がっている。記者会見を準備した映画祭の立場から、こうした問題が発生したことを謝罪する」との声明を発表した。

 


ノーベル平和賞ムクウェゲ医師が批判した慰安婦問題

2018年10月06日 | 社会・経済

ノーベル平和賞受賞でも日本マスコミは無視…性暴力救済に取り組むムクウェゲ医師が語っていた日本の慰安婦問題

 

  リテラ > 2018.10.06.

 

   今年のノーベル平和賞は、性暴力被害者の治療・救済に取り組んできたコンゴ民主共和国の医師、デニ・ムクウェゲ氏と、イスラム国(IS)から受けた性暴力を証言してきたイラク・クルド民族少数派のヤジディー教徒のナディア・ムラド氏の受賞が発表された。

 授賞理由について、ノルウェー・ノーベル賞委員会のベリト・レイス=アンデルセン委員長は「戦争や武力紛争の武器としての性暴力」の撲滅に両氏が貢献したことを挙げ、「戦時下の性暴力を白日の下にさらし、犯罪者への責任追及を可能にした」と語った(毎日新聞、6日朝刊)。また、アンデルセン委員長は「MeTooと戦争犯罪(との闘い)は異なるが、共通点もある。それは虐待の実態と女性の苦しみに目を向け、性被害が恥だという概念から女性を解放し、声を上げることの重要性だ」と言い、〈性暴力根絶に向け、さまざまな立場の者が連帯して取り組む必要性を訴えた〉という(時事通信、6日)。

 かたや日本では、先日発表された内閣改造で、財務省セクハラ問題をめぐり「はめられて訴えられているんじゃないかとか、世の中にご意見ある」と被害者女性を陰謀論で攻撃するなど女性蔑視発言を連発した麻生太郎を副総理と財務相に続投させた上、このセクハラ問題に「#MeToo」のプラカードを持って抗議した女性議員たちのことを〈少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々〉と誹謗した自民党・長尾敬衆院議員を内閣府政務官に抜擢したばかり。杉田水脈衆院議員も“セクハラと騒ぐのは魔女狩り”“「#MeToo」運動はもう辞めよう”などと主張していた。

 女性に対する性暴力に対して世界から声があがり、問題と向き合おうという潮流が生まれる一方、むしろ貶める言動をする為政者が盛り立てられるという、この国の現実──。だが、今回のノーベル平和賞は、もうひとつ重要な問題を日本に突きつけている。

 というのも、ノーベル平和賞を授賞したデニ・ムクウェゲ医師は、旧日本軍の「従軍慰安婦」問題を、「戦時下の性暴力」として言及してきたからだ。

 たとえば、2016年に韓国の「ソウル平和賞」を受賞した際のスピーチやメディア取材において、ムクウェゲ医師は「慰安婦」問題について、このように言明した。

 「(日本政府は)被害者の要求を受け入れ、許しを求めなければならない」

 「(慰安婦は)想像もできない苦痛や暴力にさらされた」

 「韓国で正義の回復を求め続けている女性らの力に励まされる」

 (共同通信、2016年10月6日付)

 また、同年にムクウェゲ医師が来日した際には、「女たちの戦争と平和資料館」(wam)を訪問。wamのブログによると、ムクウェゲ医師は日本で最初の訪問地として同所を訪れ、日本の「慰安婦」問題の責任を追及するためにおこなわれた民衆裁判「女性国際戦犯法廷」のダイジェスト版を視聴。「兵士たちは私の身体になんでもやりたいことをした」という被害者女性の証言を聞いたムクウェゲ医師は、「コンゴでも、その言葉を被害者から何度も聞いた」と言い、“強かんは戦闘資金がかからず、敵に多大な恐怖を与えられるため、戦争の手段として使われている、それをやめさせるには、加害者が誰であるかをはっきりさせ、国家の責任を問うことが重要だ”と指摘し、さらに、「またすぐに来るかもしれない。私たちは共通項がたくさんある」と述べたという。

国連でも「なぜ日本政府は慰安婦被害者が満足する形で謝罪と補償ができないのか」と

 いま、コンゴで起こりつづけている女性に対する性暴力も、日本による「慰安婦」問題も、同じ戦時下の性暴力であり、国家の責任が問われる問題である──。こうしたムクウェゲ医師の認識は、何も彼だけのものではない。現に、今年8月におこなわれた国連人種差別撤廃委員会での対日審査でも、日本政府の慰安婦問題への取り組みについて、多くの委員から厳しい意見が飛び出した。

 たとえばベルギーのマーク・ボシュィ委員は、2015年の日韓合意について「沈黙を押し付けている」との声があがっていることに言及し、アメリカのガイ・マクドゥーガル委員は「なぜ慰安婦被害者が満足する形で日本政府が謝罪と補償ができないのか理解できない」と批判、韓国のチョン・ジンソン委員も「あらためて日本政府に強調しておきたいのですが、慰安婦問題を否定するいかなる企みをも日本政府はハッキリと非難するよう勧告されていることです。残念ながらここでもそうした否定の動きが見られます」と釘をさした。

 だが、こうした批判に対して日本政府は、委員会でトンデモとしか言いようがない釈明を展開した。なんと、外務省の大鷹正人・国連担当大使が「慰安婦」問題について、日本軍による強制性はいわゆる吉田清治証言と朝日新聞報道が「捏造」した「空想の産物」に依拠しており、日本政府の強制性はないとの言い分は「無視されている」と主張したのだ。

 先進国とされる国の代表として驚嘆するほかない主張だが、当然ながらその後に国連人種差別撤廃委員会がまとめた報告でも、日韓合意は「被害者を中心に置くアプローチが十分でなかった」とし、元慰安婦の被害者たちが納得する解決をと求められた。しかし、この報告に対しても、菅義偉官房長官は「日本政府の説明内容を十分踏まえておらず、極めて遺憾だ」と批判、反発したのである。

 この、恥をさらすような日本政府の認識は、安倍首相の考えに沿ったものだ。実際、安倍は、1997年に自民党右派の若手議員たちで結成された「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」という議員組織の勉強会で、従軍慰安婦の強制連行はなかったとして、こんな発言をしている。

 「実態は韓国にはキーセン・ハウスがあって、そういうことをたくさんの人たちが日常どんどんやっているわけですね。ですから、それはとんでもない行為ではなくて、かなり生活の中に溶け込んでいるのではないかとすら私は思っているんです」

 キーセンとは漢字で「妓生」、韓国の近代化以降は料亭での接客女性を指すが、安倍氏発言の文脈では「キーセン」と“娼婦”が同一視されており、そして、その「キーセン・ハウス」=“娼婦館”が韓国社会の日常に「溶け込んでいる」、すなわち“韓国は娼婦国家である”と言い放っているのである。

安倍首相らは「韓国はキーセン国家」「慰安婦問題は朝日の誤報のせい」と慰安婦問題を矮小化

 さらに、前述した国連での“慰安婦問題のイメージは吉田証言と朝日新聞報道が「捏造」した「空想の産物」”なるトンデモ発言も、安倍首相が繰り返してきた慰安婦問題の矮小化の結晶だ。安倍首相は「吉田証言自体が強制連行の大きな根拠になっていたのは事実ではないか、このように思うわけであります」(2014年10月3日、衆院予算員会)などと国会で繰り返し吉田清治証言を槍玉にあげて、「慰安婦」問題の矮小化言説をがなりたててきた張本人だからだ。

 総理大臣自らが「慰安婦」問題を歪曲し、「被害者の声に耳を傾け謝罪と補償に応じるべきだ」という国際的な意見を無視する──。いや、それは安倍首相や政府の見解だけではない。先日も、自民党の杉田議員や和田政宗参院議員、片山さつき地方創生担当相らと関係があった右派系市民団体「「慰安婦の真実」国民運動」幹事の藤井実彦なる人物が台湾で慰安婦像を蹴りつけるという事件が起こったばかりだが、「慰安婦は捏造だ!」などと主張する極右団体やネトウヨが幅を利かせ、「慰安婦」問題に言及した歴史教科書を採択した学校に対して抗議の葉書が殺到しているのが、この国の惨状だ。

 そして、こうした極右団体やネトウヨからの抗議を過剰に恐れ、メディアも「慰安婦」の問題を真正面から取り上げようとはしない。実際、前述したムクウェゲ医師のwam訪問時には、NHKやTBSが取材に訪れていたというが、wamのブログによれば、wamでのムクウェゲ医師のコメントは〈まったく報道されなかった〉という。今回のノーベル平和賞授賞のニュースでも、ムクウェゲ医師による日本の「慰安婦」問題に言及したコメントを伝えているメディアは、いまのところ見当たらない。「慰安婦」問題との共通性を指摘するメディアすら、朝日新聞と毎日新聞をのぞけばほとんどない。

 ノーベル委員会は、今回の授賞について「女性の基本的な権利や安全が守られない限り、より平和な世界は実現されない」と述べている。過去の歴史から目を背け被害者女性を貶めつづける、そんな国に、現在進行形で起こっている女性に対するセクハラや性暴力、人権侵害の問題に取り組むことなどできないだろう。 (編集部)


 

気になる台風ですが

大型の台風第25号は、6日15時現在、日本海にあって、北東へ毎時50kmで進んでいます。中心気圧は980hPa、中心付近の最大風速は30m/sです。この台風は、7日3時には日本海中部で温帯低気圧に変わる見込みです。7日15時には根室市の南東約70kmに達する見込みです。

本道上陸前に温帯低気圧に変わるようですが、風・雨には引き続き注意が必要とのことです。


初霜

2018年10月05日 | 自然・農業・環境問題

昨夜、寝る前に外へ出ると星がきれいに輝いている。
車のフロントガラスは真っ白。触ってみるとガリガリの氷だ。
霜が降りるかもしれない。
外にあった観葉植物や花の鉢物はすべて部屋に入れた。

朝、目を覚ますと日が照っている。
霜が降りて日が照ると危ない。
急いで外へ出てみたが霜が降りた様子はない。
最低気温を調べると0.5℃であった。
風でもでたか?
一応一安心。

江部乙に行ってハウス内を点検。
異常なし。
露地物は?

ヤーコンの先端部分がやられてた。

やっぱり、弱い霜が降りたのだ。


安倍政権の終わりの始まり

2018年10月05日 | 社会・経済

安倍新内閣の支持率が急落 「評価しない」多数で早くも暗雲

 日刊ゲンダイDIGITAL:2018/10/04 15:00

  総裁3選を果たしたばかりの安倍首相に早くも暗雲だ。先月30日の沖縄県知事選の敗北がケチのつき始めで、第4次安倍改造内閣の発足を受けて2、3両日に実施された各種世論調査でもボロボロだ。

  日本経済新聞の調査では、内閣支持率が前回9月調査の55%から50%に急落。改造後の支持率下落は珍しく、第2次安倍政権では初めてだ。

  改造後の安倍内閣や自民党執行部の顔ぶれについては「評価しない」が44%で、「評価する」の28%を上回った。評価しない理由では「派閥の意向にとらわれていた」が26%で最も多かった。

  読売新聞でも、内閣改造を「評価しない」が45%で、「評価する」の38%を上回った。

   疑惑やスキャンダル続出だった財務省のトップの麻生副総理兼財務相の留任を「評価しない」が57%、「評価する」は36%。建設業者からワイロをもらって大臣辞任の“前科”がある甘利明の自民党選対委員長への起用では「評価しない」が41%で、「評価する」は37%だった。

  一方、沖縄県知事選で米軍基地の辺野古移設に反対する玉城デニー氏が当選したことは、63%が「評価する」で、「評価しない」は24%だった。

  驕れる安倍はもはや風の前の塵に同じだ。

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“国民挑発”改造で支持率下落 世論に見放された政権の末路

 

日刊ゲンダイDIGITAL 2018/10/05

 

    安倍首相は愕然としたことだろう。通常なら政権浮揚につながるとされる内閣改造で、支持率が上がらなかったのだ。

 

  各社の世論調査は改造当日の2日と3日に実施され、内閣支持率は共同通信が前回9月の調査から0・9ポイント減(46・5%)。安倍シンパの読売新聞でも前回から横ばい(50%)。驚いたのは日経新聞で、ナント5ポイントも下落した(50%)。アベノミクスや外交などを評価し、比較的政権に好意的なメディアなのにもかかわらずである。いずれも改造を「評価しない」が「評価する」を上回った。

 

 日経によれば、同社の世論調査で内閣改造・自民党役員人事直後に支持率が下がったのは、第1次、第2次を通じて安倍政権で初めてだという。第2次では、改造や衆院選直後の組閣で平均5ポイント程度上昇。14年9月に小渕優子衆院議員ら女性5人を入閣させた時は実に11ポイントの大幅アップだった。

 

世論の動向に詳しい明大教授の井田正道氏(計量政治学)はこう言う。

 

「今度の内閣改造は初入閣が12人と最多でしたが、入閣者の知名度がいまひとつ。目玉も片山さつき氏ぐらいで、内閣の特色が見えてきません。総裁選で支持してくれた派閥への論功行賞人事が際立つ一方、石破氏支持派からの入閣が1人だけだったことにも世論は批判的です。麻生副総理兼財務相の留任も評判が悪い。こうしたことが支持率が上がらなかった要因だとみています」

 

 ■麻生、甘利、下村起用がマイナス作用

  内閣改造が裏目に出た過去のケースとして、橋本龍太郎政権だった1997年9月の第2次改造内閣がある。ロッキード事件で有罪が確定した佐藤孝行氏を総務庁長官に起用したことが世論の反感を買い、下落した。つまり、今回の改造もその時と同様に、「本来なら起用されるべきではないグレーな人物」がいると世論が判断し、嫌悪した結果が、支持率下落となったのではないか。

 

   実際、読売の調査で、森友問題で財務省が決裁文書を改ざんしたことの責任をいまだ取らない麻生の留任について、「評価する」が36%に対し、「評価しない」は57%にも上っている。

 

 大臣室などで建設業者から現金計100万円を受け取り、ワイロ疑惑で閣僚を辞任した甘利明元経済再生相が、党幹部の選挙対策委員長に就いたことにも世論は批判的で、「評価しない」(41%)が「評価する」(37%)を上回った。

 

   コラムニストの小田嶋隆氏がこう言う。

 

  「麻生氏が留任し、甘利氏は党幹部として復権した。そして、加計学園から200万円の闇献金を受け取った政治資金規正法違反疑惑が問題になった下村博文氏も党の憲法改正推進本部長として表舞台に戻った。この3人の人事は内閣支持率にかなりマイナスになったと思います。特に甘利、下村の両氏は疑惑から逃げ、説明責任を果たしていないのに、シレッと復活した。居直っている印象です。みそぎが済んでいないという意味で、『クソみそぎ内閣』とツイートしたら、かなりのリツイートがありました」

 

“スネ傷”のお友達重用というナメ切った人事で国民にケンカを売ったのだから、支持率下落は当然の報いである。4日は副大臣人事で過去最多の5人の女性を起用。「女性閣僚1人」で落とした評判の挽回に躍起だったが、そういう小手先は世論に見透かされるのがオチだ。

 

北朝鮮の脅威をあおって、国民を震え上がらせることで支持率アップを狙った手法もヒドかった。昨年の衆院選圧勝を「北朝鮮のおかげ」と麻生が言ってのけたことがその証左だったが、支持率のためなら国民の生命すらもてあそぶのが安倍政権なのである。

 

 さすがに世論も政権のペテンに気づいてきているが、安倍はそれでも懲りない。最近も日米の貿易協議で「TAG(物品貿易協定)」なる言葉を持ち出した。「FTA(自由貿易協定)」ではないと言い張っているが、米国では「物品だけではなくサービスも含む」として実質FTAの扱いになっている。どこまで国民を欺くつもりか。いい加減にして欲しい。

 

 「安倍政権はこれまで、外交と経済の2つの柱で支持率を保ってきましたが、どちらも閉塞感が漂っている。外交は北朝鮮による拉致問題で全く進展がないし、トランプ大統領との関係も微妙になってきた。経済も似たような状況で、“やってる感”はあるものの、この先、打つ手が見えません。そうしたことも支持率と無関係ではないと思います」(井田正道氏=前出)

 

■臨時国会は追及材料が盛りだくさん

 

 お友達重用と在庫一掃人事で見えてくるのは、「改憲シフト」だということ。改憲に関係のないポストは誰でもいいから、派閥均衡で派閥の推薦を受け入れた。今の安倍は、改憲という自分のレガシーづくりしか頭にない。国民なんて眼中にないのである。

 

 「安倍政権が永遠に続くような感じだったから、自民党内はみな安倍首相に頭を下げ、従ってきた。しかし、あと3年という終わりが見えてきたわけで、今後、党内は次の権力基盤を探し出し、安倍首相は求心力を失う。それは世論についても同様で、『安倍さんしかいない』という消極的な選択が支持率の維持につながっていた。しかし『次はない』というのが分かった瞬間、民心も離れていくものです。本来ならそれを回避するために、安倍首相は内閣改造でこれまでとは一線を画して新機軸を打ち出す必要があったのです。しかし、それが一切ないどころか、むしろ後退してしまいました」(小田嶋隆氏=前出)

 

こうなると、この先の転落は早いだろう。今月下旬に臨時国会が召集されれば、モリカケ問題が蒸し返されるし、日米貿易交渉の「TAG」のイカサマや障害者雇用の水増しなど、野党の追及材料は盛りだくさんだ。滞貨一掃のポンコツ大臣の失言ラッシュもあり得る。頼みの世論から見放され、安倍政権はご臨終への道へまっしぐらだ。


 

 暴風によるハウスの損壊で規模を縮小せざるを得なかったし、また近年の体調不振による規模縮小もあった。しかし、うれしいことに需要はさらに増えている。何とか対応してゆきたいのだが、わたしの体力ではもう限界かもしれない。生のミニトマトが足りないぐらいなのだからジュースに回せる分はほとんどない状態。ジュースの需要もまだ増えているが新規はお断りせざるを得ないし今までの分も減らしてもらわなければならないだろう。誰かアルバイトでも雇わなければならないのか?それよりも、わたしの農法を理解し、自分でやってみたいという「若者」(50代くらいまで)がいれば一番いい!もちろん未経験者でも構わない。

鹿肉をいただいた。フライパンで食用ホーズキを入れて焼いているところ。


玉城デニー氏の当選に米主要紙が注目

2018年10月04日 | 社会・経済

「父は米兵」 沖縄県知事選・玉城デニー氏の当選に米主要紙が注目

  沖縄タイムス社 - 沖縄タイムス - 2018年10月3日

  【平安名純代・米国特約記者】米主要紙のニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストは1日の紙面で、沖縄県知事選で玉城デニー氏が当選したことについて、大きく紙面を割いて報じた。米主要メディアは、玉城氏が米海兵隊員を父に持つ沖縄では初めての県知事であることや、沖縄の過重な基地負担に反発していることに着目し、「新たな時代の始まり」と報じるなど、注目の高さを示している。

 ニューヨーク・タイムズは、4ページ目の国際面の上半分に写真を2枚載せ、「小さなアリでも象の足を動かすことができる」との玉城氏の言葉を紹介。同氏の勝利は、「日本政府が支援した佐喜真淳氏の当選を予測していた多くの専門家を驚かせた」と報じた。

 ワシントン・ポストは、10ページ目の上半分にカラー写真とともに報道。辺野古新基地建設計画を巡る訴訟で日本政府が翁長雄志前知事に勝利したことに触れた上で、「玉城の勝利は、新たな手ごわい交渉と法廷闘争の始まりを意味している」と報じた。

 CNNは、玉城氏の大差での勝利に「新時代が始まった」とし、ウォール・ストリート・ジャーナルは「新たな長期的な法廷闘争につながる可能性がある」との分析を記した。

 

「日米両政府は妥協案探せ」NYタイムスが社説

 【平安名純代・米国特約記者】米紙ニューヨーク・タイムズは1日、県知事選での玉城デニー氏の勝利を受け、「沖縄の米軍駐留縮小に向けて」と題した社説を掲載した。「新知事は米軍が去ることを望んでいる。ワシントンと東京(日米両政府)は妥協案を見つける時だ」と、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の見直しを主張している。

 社説は、国民の多くが日米同盟を支持しているにもかかわらず、沖縄に基地負担が集中する現状を指摘。日本政府が支援した候補者を玉城氏が破ったことについて「新基地は不要との沖縄の民意であり、新たな時代の幕開けだ」と強調した。

 さらに、「日本と地域の安全保障のために、日本で最も所得の低い沖縄に、不公平で不必要で危険を伴う負担を背負わせてはならない。安倍首相と米軍司令官は、県民と共に意欲的に公平な解決策を見いだすべきだ」と訴え、日米両政府に計画の見直しを促している。


「日米両政府の妥協案」と言いましても、ポチに「案」を出せるわけもなく…

 昨日はわたしの60代最後の誕生日でした。’16年、’17年の最悪の状態から今年は少しづつよくなっている感じです。何より、気持ちが前向きに、明るくなってきています。やりたいことはたくさんあって、まだまだボケてはいられません。ただ、「先立つもの」がなく、わたしのほうが先立つのかもしれません。

子供からのプレゼント。

充電式電動ノコ。
始めは馬鹿にしていました。手で切る方が早い。でも、疲れないのです。これはいいものです。太めの枝などに重宝です。


雨宮処凛がゆく!第461回:玉城デニー知事の誕生と、数々のデマと「愛国ビジネス」 の巻

2018年10月03日 | 社会・経済

 

  沖縄県知事選に、玉城デニー氏が当選した。

 

 翁長氏の後継候補として指名されたと報道されてから一ヶ月と少し。それから怒涛の選挙戦に突入し、デニー氏は「辺野古に新基地を造らせない」という翁長氏の遺志を引き継ぎ、当選した。

 

 玉城デニー氏とは、一度会ったことがある。安保法制を巡って与野党の激しい攻防が続いていた頃のことだ。自由党の衆院議員だったデニー氏もその渦中にいて、なんとか強行採決を阻止しようとしていた。ピリピリした空気漂う現場だったけれど、デニー氏は終始ニコニコしていて、気さくで明るくてムードメーカー的な人だなーという印象を持ったことを覚えている。そのデニー氏が、今や沖縄県知事だ。熱烈に見守り、応援したいと思っている。

 

 そんな県知事選は、「デマ」との戦いでもあった。特にネットをはじめとして「玉城デニー氏が知事になると沖縄は中国に乗っ取られる」というようなデマが飛び交った。

 

 何をどうしてどうやったらそんなことになるのか謎としか言いようがないのだが、どんなに突拍子もないことでも拡散され続ければ真実味を帯びてきたり、一定の市民権を得てくる、というのがこの20年以上、私たちが見てきたことである。「中国の工作員」「沖縄は中国に乗っ取られる」というような言い分に限らず、ネトウヨ的な人々は、外国勢力とか工作員とか、猛威をふるう反日メディアとか弱者利権にまみれた左派とか、そういう話が大好物である。

 

 玉城デニー氏をめぐるデマを見ていて思い出したのは、今話題の『新潮45』だ。

 

 「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という特集についてはあちこちで批判されており、私もいろいろ言いたいことはあるがもう引用するのも嫌な文章のオンパレードだから控えていたのだが、特集を一読して気づいたのは、数人の書き手に共通するあるスタンスだった。それは例えば、杉田水脈氏を評する小川榮太郎氏の以下のような文章に如実に現れている。

 

 「杉田氏は概して弱者の名のもとにおけるマスコミの異常な同調圧力、それらと連動しながら強化されてきた様々な弱者利権、それらがしばしば外国による日本侵食工作と繋がっている事の深刻な害毒と戦ってきた人だ」

 

 「氏は『弱者』に一言必ず阿らねば発言も許されないようなマスコミの抑圧の危険な裏を暴き続けてきた」

 

 弱者利権、外国による日本侵食工作。おなじみのフレーズである。

 

 一方、評論家の八幡和郎氏は「杉田議員を脅威とする『偽リベラル』の反発」という原稿で、杉田氏の原点は公務員時代の義憤であるとし、以下のように書いている。

 

 「関西では、伝統的に公務員労組が強く、市長自身が保守系であっても、なれあいで左派系の既得権益が守られているし、市民運動と連携して新しい利権が生まれてもいる。しかも、それはしばしば、半島や大陸の国とも結びついている」

 

 半島、大陸、そして左派の既得権益、市民運動の利権。これだけ短い文章によく詰め込んだものだと感心したくなるほど、やはりおなじみのフレーズが続く。

 

 また、特集の中には、杉田論文への批判を「ビジネス」と捉える原稿もある。自身もゲイであるかずと氏は、「騒動の火付け役『尾辻かな子』の欺瞞」と題された原稿で、この騒動は尾辻氏らにとっての「ビジネスチャンス」だと指摘するのだ。

 

 「あなた方が狙っているのはLGBTに関する法案の成立です。LGBTを弱者認定する差別禁止法、または理解増進法が成立すれば学校や自治体でLGBTに関する講習会などが絶えず開かれることになるでしょう。これはあなた方にとってはビジネスチャンス以外の何物でもありません」

 

 「行政から受託ということは税金があなた方の活動に使われることを見越しているということですよね。議員の職を失っても将来安泰といえるでしょう」

 

 そして原稿は、杉田氏は、LGBTの中でも「LGB」は社会的弱者ではないとわかっている唯一の国会議員と書き、続く。

 

 「いや、正確にはもう一人います。当事者である尾辻さん、あなたです。しかしあなたにとってLGBTとは今もこの先もお金を生み出してくれる存在、そのため永遠に弱者でいてもらわなければ困るのです。だからこそ杉田さんが邪魔で仕方ない。そこでデモなどを扇動しひたすら議員辞職を要求している」

 

 保守系の人などがリベラル派を否定する時の言い分のひとつの定番が、「あいつら金もらってる」である。これまでも、「辺野古に座り込みをする人には日当が出ている」などのデマが拡散されてきた。そんなリベラル派が杉田議員を叩くのは、LGBT問題を利用して金儲けするのを邪魔されたくないからだろう、という言い分である。

 

 彼ら彼女らがそんなふうに思うのは、金儲け以外の目的で動く人間などいないという価値観だからなのだろうか? それとも、「保守ビジネス」「愛国ビジネス」で金儲けをするような人たちがいるからなのだろうか? ここで、最近読んでメチャクチャ面白かった『歴史修正主義とサブカルチャー 90年代保守言説のメディア文化』(倉橋耕平)からある一節を紹介したい。「保守ビジネス」「愛国ビジネス」についての、毎日新聞編集委員・伊藤智永氏の記事である。

 

 「『保守ビジネス』を起業した男性二人に取材した。話を総合すると――。

  『セミナー屋だね。会費三千円で一回二十五人も集まれば成り立つ。あとはネット塾。私は月千円で約千四百人に歴史や時事問題で面白い言論を配信している。毎月定期的に百四十万。売れっ子のKさんは月五千円、Mさんは月三千円で常時千人以上。やめられないよ。運動なんかしない、商売だもの。自己啓発とか異業種交流とか似たモデルは他にもあった。一九九〇年代末から保守が売り物として成立するようになった」

 

 私が右翼団体にいた90年代後半、右翼ということで「食えて」いる人など周りに一人もおらず、逆にみんなバイトしたお金を団体に入れていたのだが、どうやら90年代末からは「ビジネス」として成立するようになったようなのである。右翼が「食える」時代になる前に右翼を辞めていて、本当によかったと今、つくづく思う。それで「食えて」しまっていたら、辞められなくなっていたかもしれないからだ。それほどに、私は当時のバイト生活が辛かった。

 

 そんな「愛国ビジネス」の実態については、古谷経衡氏の小説『愛国奴』にも詳しい。ここまで書いちゃって大丈夫なのか、と心配になるほど詳細が書かれている。ちなみに内容を少し紹介すると、主人公は「ちょっと右寄り」のオタク青年・照一。懸賞論文での入選を機に保守系論客として活動を始めるのだが、講演会に来る「ネトウヨ」たちの「あまりの馬鹿さ加減」に絶望するシーンも印象的だ。ネトウヨたちは「大東亜戦争」についての陰謀論を主張し、「在日特権」についてありもしない利権を並べ立てる。呆れて照一が「本読めよ」と言うと、出版社、テレビ局、新聞社には反日工作員が入り込んで偏向報道がされているから真実はネットの中にしかないと頑なに主張するネトウヨ。しかも照一に「もっとネットを見て勉強して出直してこいよっ!」と叫ぶのだ。

 

 笑えないのは、今やそんな言葉を「ネトウヨ」に限らず老若男女が口にすることだ。フェイクを信じ、無自覚にヘイトに加担してしまう可能性は誰にでもある。時にネット情報は、「自分だけが真実を知っている」という優越感も与えてくれる。以前、この連載の451回で『フェイクと憎悪』を紹介したが、嘘のニュースは真実のニュースより70%高い確率でリツイートされたという研究があるそうだ。「つまらない真実」よりも、「面白い嘘」に魅力を感じるという、誰の中にもある心性がフェイクを拡散させていく。「ネットの中にこそ真実がある」という盲信もそれに拍車をかける。

 

 『フェイクと憎悪』では、沖縄の運動を巡っても非常に興味深いエピソードが綴られている。沖縄の基地反対運動の現場を取材したテレビ製作者に、視聴者から「ネットを見ろ」「ネットで調べろ」という意見が寄せられたというものだ。プロの取材者に対して、「現場へ行って調べろ」ではなく、ネットの動画にこそ「真実」があるからそれを見ろと意見する。そこに列挙された動画では、基地に反対する人々が「暴力的」に見えるような編集がされていたという。

 

 見たいものしか見たくない。知りたいことしか知りたくない。「真実」なんかどうでもいい――。そう思う人が多数派になってしまったら、丹念な調査報道など成立しなくなるかもしれない。そうしてメディアが「忖度」すれば、真実は「みんなが望むもの」に歪められていく。「ニュース女子」などを見ればわかる通り、それはすでに始まっているし、それが「金になる」とわかれば『新潮45』だって「愛国ビジネス」に乗り出してしまう時代だ。結局、その代償は「休刊」だったのだが。

 

 玉城デニー氏を巡るデマや歴史修正主義、また『新潮45』や多くのヘイト言説を見て改めて思うのは、この国には言葉が通じないくらいに「別の物語」を生きている人たちがいるということだ。その人たちの中では、この国は弱者利権にまみれ、反日メディアが猛威をふるい、外国勢力に乗っ取られたさまざまな左派系の運動が幅をきかせ、日当をもらいつつ杉田議員など「国を憂える」人々を攻撃している、という構図になっている。一体どこから話をすればいいのか、どうすれば対話の糸口を見つけられるのか、そこからわからなくて、ただただ戸惑っている。そんな状態がもうずーっと続いているというのがこの国の現状ではないだろうか。

 

 玉城デニー氏の選挙や『新潮45』の騒動から、そんなことを思った。

 

 楽観はできない状況だけど、とにかく、沖縄には玉城デニー知事が誕生した。沖縄が、そしてこの国が、いい方向に変わっていくことを願っている。


  ようやく安定した天気になるかと思われたのだが、昼から大粒の雨となった。これからさらに台風25号の動きに目が離せない。

 

 


ノーベル医学生理学賞受賞,おめでとうございます!

2018年10月02日 | 自然・農業・環境問題

 

本庶さん受賞 基礎医学が人類を救う

  東京新聞2018年10月2日【社説】

 

 画期的ながん免疫療法を開発した本庶佑・京都大特別教授のノーベル医学生理学賞受賞が決まった。基礎研究が薬剤開発につながった。将来、がん克服の道が見え始めた。賞にふさわしい研究だ。

 がんの治療法として免疫療法は注目されていたが、効果的な方法が見つからなかった。そうした中で、本庶さんの研究を基に開発された薬剤オプジーボは副作用が少なく、完治するという画期的な治療法となっている。

 きっかけは体の不要な細胞を取り除く細胞死の研究だった。一九九二年にPD-1という遺伝子を発見し、免疫に関係していることが分かってから、臨床に応用できると考えたという。

 治療薬として承認されたのは二〇一四年。新薬承認まで二十二年かかっている。

 免疫療法によって、がんを克服できる日が来ることを本庶さんは確信している。昨晩の記者会見で「ペニシリンによって感染症が脅威でなくなったように」と語った。日本生まれの薬が人類を救う。その実現に向けて官民を挙げてバックアップしてほしい。

 

  記者会見では研究者らしい発言が相次いだ。

 

 がんが完治した患者からお礼を言われた様子を話して「これほどうれしいことはない」と述べた。基礎研究の大切さを強調して「もっと多くの人、特に若い人にお金をばらまいて」とずばり語った

  一昨年夏、静岡県立大薬学部の百周年記念講演で「大学の研究成果を製薬会社に移し、製薬会社の利益を大学に還元するウィンウィンの関係を早急につくる必要がある」と訴えたこともある。

 

  今回の受賞は日本の問題点もあぶり出している。

 

  本庶さんが臨床応用を目指したとき、国内の製薬企業は共同研究を断った。紆余(うよ)曲折があって小野薬品工業とブリストル・マイヤーズスクイブ社によって実用化された。国は創薬立国を目指しているが、新薬に挑戦できなかった事実を重く受け止める必要がある。

  安倍晋三首相は受賞者の記者会見に割り込んでお祝いを言うのが好きらしいが、受賞者の話にもよく耳を傾けてほしい。基礎研究の重要性は、一昨年、医学生理学賞を受賞した大隅良典・東京工大栄誉教授も語っていた。研究に集中できる環境を整えるのも政治の役割である。科学の成果、イノベーション(革新)は意外なところから出てくるのは、経験則が示しているはずである。


 そろそろ霜の心配だ。観葉植物などの鉢物を家の中に入れなければならないのだが、まだだいぶ残っている。ようやく部屋から出してすっきりしたのに、もうはや入れなくてはならない。

 収穫量もだいぶ減ってきた。
今日の収穫。


オカワカメの花