マンドラゴラ アウツムナリス(Mandragora autumnalis)が「奇跡の星の植物館」で4年ぶりに咲いたというニュースがあったので、ラン展のついでに見てきました。お客さんは殆ど素通りしていきます。
マンドラゴラはギリシャ神話や旧約聖書創世記にも出てくる植物で、二股の鮮やかな色をした根が時には人間の頭とよく似ているとかで気味悪がられていたようです。その根を引き抜くと金切り声をあげるといわれています。この植物は媚薬としての効能を持つといわれているので人は手に入れたいのです。犬の飼い主が犬のシッポを茎に縛り、この草を三度またいでから安全な処まで離れてから口笛を吹いて犬を呼びます。その時、飼い主は両耳を押さえて金切り声を聞かない様にするとこの草が手に入るのです。が、可哀想にその声を聞いただけで恐ろしさのあまり犬は死んでしまうのです。声を聞いたら人間の方は死ぬか気が狂ってしまうのです。
マンドラゴラはメドゥーサ(ギリシャ神話に出て来る女の怪物)の頭がアテナイの広場(アゴラ)に埋められているという事に由来していると考えられているといわれています。メドゥーサは生きていた時は、にらむと気を失わせて死なせてしまう力を持っていた為に、その墓から生まれたものは麻酔薬や毒薬の効能があると思われたからのようです。シェークスピアのロミオとジュリエットやオセロの中にもマンドラゴラが出てくるようです。
ここのスタッフは耳を押さえながら作業したのかしら?
マンドラゴラには他にもイロイロな話しがありますが、「花の神話と伝説」という本の一部をご紹介しました。