塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

1970年と1998年のブラジル代表を比べて

2020-12-25 21:13:47 | 日記
 1970年ワールドカップにおいて、セレソンは史上初めて全勝優勝を成し遂げた以上に、その華麗さと逞しさで世界中を魅了します。

 ペレ、トスタン、ジャイルジーニョ、ジェルソン、そしてリベリーノ。

 この偉大な5人に加え、若きクロドアウド、守備の重鎮カルロス・アウベルトと今考えてみても、まとめ上げたマリオ・ザガロにとっても素晴らしい大会だったに違いありません。

 しかし、僕はむしろ1998年ワールドカップにおけるセレソンの方が、彼らの底力を見せたと考えます。

 この大会のセレソンは

 1・GKのタファレル、CBのゴンザウベスとジュニオール・バイアーノの脆弱さが浮き彫りとなる
 2・ザガロは本来、4-3-1-2で戦う予定であり「1」にアトレティコ在籍のジュニーニョを指名する予定だった
 3・しかし彼が骨折のため招集負荷となる
 4・ロナウド、ベベトの2トップを支援するリバウド、デニウソン、そしてレオナルドと左利きの選手が多すぎる

 そう、ザガロは4-4-2で戦う算段ですが、左利きが多すぎて彼らがいずれも、中央によってきてしまいます。

 つまりカフーとロベルト・カルロスの前には、攻撃、守備いずれの際にも莫大な空間が生まれる

 「4-2-2-2」

 の形となり、到底前線からのプレスが足りず、ただでさえ脆弱なラインを助けることすらできません。

 「ロナウドが何とかしてくれる」

 と考えたのかもしれませんが、ご存知のようにロナウドは心と両肩に重くのしかかる重圧のせいで「ひきつけ」を起こし、到底先発できる体調ではありませんでした。

 これだけの不安要素を用いながらも、彼らは準優勝なのです。

 むしろよくこの歪で不安定な戦術、布陣で決勝までたどり着くことができたと、改めて感じます。

 決勝以前に敗退しても不思議ではないのですが、この歩みこそ彼らがワールドカップで培った財産のように思えます。

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レイモン・ドメネクの新たなる復活

2020-12-25 21:00:32 | 日記
 ブラジル人のセバスチャン・ラザローニは日本の横浜F・マリノスで監督経験を持ちます。

 1990年ワールドカップ、その彼が率いたセレソンは

 1・背番号10に指名されたシーラス(彼は京都パープルサンガに在籍経験あり)は、出場時間がほとんどなかった
 2・マウロ・ガジェボンを軸とする3-5-2は、欧州風の戦術ということでファンから不評
 3・アルゼンチン代表とのベスト16で0-1で敗北

 という、暗い話題が多かったものです。

 この4年後、1990年ブラジル代表の象徴的存在と罵倒され忌み嫌われたドウンガが、4年後世界王者のカピタンになるのですから、サッカーは興味深いものです。

 僕が言いたいのは、ブラジル代表の停滞ではなく、例えどんなに成績が振るわない指揮官でも、再雇用の道があると言いたいのです。

 1990年から20年後の2010年、今度は南アフリカの地でフランス代表が
 
 「レイモン・ドメネク」

 という指揮官の下で、目をそむけたくなる屈辱を味わいます。

 ドメネクも自伝を出版しましたし、ティエリ・アンリやパトリス・エブラなど主力にも多くの批判が寄せられました。

 少なくとも

 1・2008年欧州選手権の直後、監督交代の可能性はあった
 2・2006年ワールドカップ優勝は、怖いもの知らずのフランク・リベリ、そして復帰したジダンの存在によるもの

 だったと思います。

 しかしフランスサッカー協会はある意味傍観し、この結果が世界中に知れ渡り面子が潰れます。

 そのレイモン・ドメネクが「ル・キャナリー」の愛称で知られる、古豪ナントの監督に就任したと、フットボール・ウエブマガジン伝えています。

 ナント首脳陣がこれだけフランス国内を大騒動に導いた人物を新監督に指名したのか定かではありません。

 汚名返上か、それとも体たらくの形で終わるのか、ナントの決断はどうでるでしょうか。
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中村憲剛と重なる泊志穂の姿

2020-12-25 20:41:24 | 日記
 長野パルセイロ・レディースは、泊志穂との契約更新を本日発表しました。

 海外リーグから長野パルセイロ・レディースに復帰した今季、彼女は以前よりも地域貢献活動に大きな比重を置いていた印象があります。

 僕は機材を買うことを検討したこともありませんし、ユーチューブに映像を投稿したいとも思いません。

 しかし、泊さんは移籍先のオーストリアで自分で情報を伝え

 「私と言う人間、選手を皆さんにしってもらいたい」
 「そしてサッカーは男性だけが注目されがちだが、そんなことはありませんよ」

 と語っています。

 彼女の姿勢は、今季で現役を負える川崎フロンターレの中村憲剛と重なります。

 やべっちFCの春季キャンプ映像の中で、自分よりはるかに年下の選手がリーグMVP、日本代表経験者である彼に

 「今季のゴール・パフォーマンス、今決めましょうよ」
 「ではこれで行きましょうか」

 と強引にゆだねる姿。

 それは中村の人間性もそうですが、彼自身が自分を観に訪れた方々に喜んでもらいたいという気持ちから生まれています。

 フロンターレン算数ドリル
 商店街を選手皆で渡り歩いて、新シーズンの抱負を述べる

 このような姿勢が根付くには、クラブの顔である中村がまず行ってきた歴史があり、周囲も

 「彼が頭を下げているんだから」
 「中村君のお願いだから」

 と首を縦に振ったことあると思います。

 クラブは2021年からWEリーグ参加を表明し、既に補強を行いながら契約満了選手の移籍先も探しています。

 来季は女子プロリーグ元年ですが、泊さんの地道な作業が周囲に伝播するといいですね。

 ただ彼女は映像を作成し、ス本差に挨拶パートナータウンへ出向くことが苦痛でないように見えます。
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