海外援助は親の仇ほどに嫌っているし、経済政策としても外交政策としても下の下策だと考えているので、援助の報道がされればそれに対応して批判の記事を書きたい。少額のそれでは数が多すぎるかもしれないから記事にはできないかもしれないが、少なくともツイッターでは批判したい。多額の援助の報道があればそれはブログ記事にして批判したい。必ずとも絶対とも確約できないが。
政府にはミャンマーの国軍と一定の繋がりがあるようだ。それは親欧米のスーチー政権より深いパイプかもしれない。しかしだからといって国民を弾圧している軍事政権を支持はできまい。無血クーデターかつ国民を弾圧しない軍事政権であれば違ったかもしれないが、もう犠牲者は1500人以上と云われるのだ。そのような政権を支持できようか。
国際社会において所詮道義や人権は偽装だが、限度がある。自国民を弾圧する政権は支持できない。
だが政府、外務省が冷徹な国益に基づいてミャンマー軍事政権を支持するというのであればまだわかる。しかし外交下手の日本にそんな考えはあるまい。ミャンマーをスーチー女史が率いることになっても軍事政権でもどちらでも良いように両天秤を掛けているのだ。
それもまた外交判断かもしれない。戦後日本には対外情報機関の類いはなく政権を転覆させることはできないからだ。しかし友好を「買う」ために援助するのは下の下策である。
ミャンマーの軍事政権を支持するにしても援助を与えて友好を「売る」のは間違いだ。相手は日本を低く見るだけだからだ。それに民主化がなされれば民主派勢力は日本を裏切り者として嫌うだろう。いずれにしろ軍事政権に人道目的でも援助してはならないのである。
嗚呼。外交音痴の日本よ。
すぐ援助を与えて友好を売ろうとするのが日本の悪い癖だ。真の友好は金では築けない。血の犠牲による同盟だ。国家に真の友人はいないにしても自国のために血を流してくれる国家こそ信頼されるのである。戦後日本にそこまでの覚悟はあるまい。
ミャンマー幹部の士官と幹部候補生受け入れはどうか。これも友好を売っている気がするが、海外援助よりはマシだ。親日派育成に繋がる。
しかし現在も受け入れを続けていて良いのだろうか。言うに事欠いて「文民統制下の自衛隊を理解してもらい、本国で生かしてもらうため」とは冗談としか思えない。防衛省はまさかこの理屈で押し通すつもりなのだろうか。
日本に頑としてミャンマー国軍を支持する決意があるとは思えない。万一そうだとしても援助は止めにして欲しい。国益にならないからだ。
政府の内弁慶外地蔵。海外への巨額援助 - 面白く、そして下らない
~~引用ここから~~
ミャンマーに追加の人道支援へ 食料供給など約1850万ドル 外相 | NHKニュース
【NHK】軍事クーデターから1年が経過したミャンマー情勢をめぐり、林外務大臣は、現地の国民生活は依然、厳しい状況にあるとして、緊急…
NHKニュース
軍事クーデターから1年が経過したミャンマー情勢をめぐり、林外務大臣は、現地の国民生活は依然、厳しい状況にあるとして、緊急の食料供給など、およそ1850万ドルの追加の人道支援を行うことを発表しました。
今月1日で軍事クーデターから1年が経過したミャンマー情勢をめぐっては、今も軍による非常事態宣言が継続され、国民への弾圧が続いています。
林外務大臣は、閣議のあとの記者会見で、軍事クーデター以降、経済が停滞し、ミャンマー国民の生活は、さらに困窮に追い込まれているとして、およそ1850万ドルの追加の人道支援を行うと発表しました。
具体的には、国際機関を通じた緊急の食料供給や、子どもや女性の保護・救命の支援、それに避難民への新型コロナウイルス対策などにあてられるということです。
林大臣は「ミャンマーにおける人道状況は悪化の一途をたどっている。今後も支援を必要とするミャンマー国民に届く人道支援を積極的に行い、しっかりと寄り添っていく」と述べました。
~~引用ここまで~~
政府にはミャンマーの国軍と一定の繋がりがあるようだ。それは親欧米のスーチー政権より深いパイプかもしれない。しかしだからといって国民を弾圧している軍事政権を支持はできまい。無血クーデターかつ国民を弾圧しない軍事政権であれば違ったかもしれないが、もう犠牲者は1500人以上と云われるのだ。そのような政権を支持できようか。
国際社会において所詮道義や人権は偽装だが、限度がある。自国民を弾圧する政権は支持できない。
だが政府、外務省が冷徹な国益に基づいてミャンマー軍事政権を支持するというのであればまだわかる。しかし外交下手の日本にそんな考えはあるまい。ミャンマーをスーチー女史が率いることになっても軍事政権でもどちらでも良いように両天秤を掛けているのだ。
それもまた外交判断かもしれない。戦後日本には対外情報機関の類いはなく政権を転覆させることはできないからだ。しかし友好を「買う」ために援助するのは下の下策である。
~~引用ここから~~
一国の国力を計る方法の一つは、その国と近隣諸国との間に、どのような関係が成り立っているかを見ることである。
もしも近隣の諸国が、友好関係を保ちたいがために貢納してくるようならば、その国は強国と言えよう。
反対に弱体なはずの近隣諸国であるのに、それらの国々に対し金銭をもって援助する関係である場合、その国家の国力は弱いと思うしかない。
ローマ史全体を読んでいくと、アッシリア人、エドゥス人、ロードス人、それにシラクサのヒエロンやエウメネスやマッシニッサのような王たちが、ローマと国境を接する国や君主であったのだが、彼ら全員は、ローマとの友好関係を確保するために、ローマが必要とする貢納金を納め経費を負担し、ローマの保護を得るために、自分たちからはなんの要求もしなかったのであった。
これとは反対の例は、弱体な国家に見られる。
われわれの祖国フィレンツェからはじめるとすると、フィレンツェ共和国が隆盛をきわめた昔でさえ、フィレンツェと国境を接するロマーニャの小国群は、貢納どころか経費の負担も申し出たことはなかった。それどころか、われわれのほうが彼らに、経済援助を与えていたのだ。
もしもフィレンツェに強力な軍事力がそなわっていたとしたら、これとは反対の現象が生じていたであろう。つまり、友好関係を売りつけるのではなく、友好関係を買おうとしたに違いないのだ。
このようにだらしない状態は、一人フィレンツェにかぎらない。ヴェネツィア共和国やフランス王国とて同様だ。フランス王にいたっては、スイスやイギリスに貢納している始末である。
この原因は、一に、自国の民の武装を怠り、他国民の傭兵に頼ったことにある。
このように近視眼的な国策は、ひとまずの現状打開には役立っても、終局的には国家の命とりにつながらざるをえないのである。
――――――――『政略論』――――――――
塩野七生著『マキアヴェッリ語録』より
~~引用ここまで~~
ミャンマーの軍事政権を支持するにしても援助を与えて友好を「売る」のは間違いだ。相手は日本を低く見るだけだからだ。それに民主化がなされれば民主派勢力は日本を裏切り者として嫌うだろう。いずれにしろ軍事政権に人道目的でも援助してはならないのである。
嗚呼。外交音痴の日本よ。
すぐ援助を与えて友好を売ろうとするのが日本の悪い癖だ。真の友好は金では築けない。血の犠牲による同盟だ。国家に真の友人はいないにしても自国のために血を流してくれる国家こそ信頼されるのである。戦後日本にそこまでの覚悟はあるまい。
~~引用ここから~~
防衛省がミャンマー軍幹部らの教育訓練受け入れ 人権団体から批判:朝日新聞デジタル
クーデターで実権を握ったミャンマー国軍の幹部や幹部候補生を、防衛省が昨年2月のクーデター後にも留学生として受け入れ、教育訓練を続けている。...
朝日新聞デジタル
クーデターで実権を握ったミャンマー国軍の幹部や幹部候補生を、防衛省が昨年2月のクーデター後にも留学生として受け入れ、教育訓練を続けている。授業料は免除し、給付金も提供。同省は「文民統制下の自衛隊を理解してもらい、本国で生かしてもらうため」と説明するが、国際人権団体は「多数の市民を殺害した軍への支援につながる」と批判。受け入れを中止するよう求めている。
この取り組みは、委託を受けて教育訓練ができるとした自衛隊法に基づく。これまで36カ国の軍関係者を受け入れており、ミャンマーは2015年に開始。20年度はミャンマーを含む15カ国にのぼる。
これまで受け入れたミャンマー軍関係者は20~30代の計30人。軍幹部17人を防衛研究所や自衛隊の幹部学校などで、幹部候補生13人を防衛大学校で受け入れた。現在在籍するのは10人で、このうち幹部2人(少佐、大尉)と幹部候補生2人の計4人はクーデター後に受け入れていた。
「人的関係築ける」と防衛省 「軍の暴力後押し」批判も
幹部は安全保障に関する実践的な教育を数カ月~1年ほど受け、幹部候補生は基本的な教育や実弾射撃を含む訓練を5年受ける。同法は授業料の徴収や給付金の支給ができると定めるが、同国は発展途上国に当たるとの理由から、年55万2千円の授業料を免除。幹部に月14万4千円、幹部候補生に月8万3千円の給付金を支給している。昨年4月時点で給付金の予算額は約5800万円だった。
同省人材育成課は教育訓練に…(以下有料)
~~引用ここまで~~
ミャンマー幹部の士官と幹部候補生受け入れはどうか。これも友好を売っている気がするが、海外援助よりはマシだ。親日派育成に繋がる。
しかし現在も受け入れを続けていて良いのだろうか。言うに事欠いて「文民統制下の自衛隊を理解してもらい、本国で生かしてもらうため」とは冗談としか思えない。防衛省はまさかこの理屈で押し通すつもりなのだろうか。
日本に頑としてミャンマー国軍を支持する決意があるとは思えない。万一そうだとしても援助は止めにして欲しい。国益にならないからだ。
政府の内弁慶外地蔵。海外への巨額援助 - 面白く、そして下らない
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