新型コロナウイルスで落ち込んだ経済を下支えするには国債を大量に発行して歳出を増やすしかないのに、財政規律が緩むだの、財政再建が遠退くだの、借金頼みの予算などと報じて積極財政を妨害しようとするマスコミ。日本の癌としか言えない。
いくつかその報道を引用するが、財政や国債、経済に対する認識があまりに間違っているので話にならない。引用するが読み飛ばして構わない。問題はそのマスコミの大量報道によって世論が誤った方向に誘導されるかもしれないことだからだ。
マスコミの世論操作力は落ちているが、経済、財政、国債に関しては主要マスコミの論調は一致しているし、後ろに財務省という緊縮財政の総本山が控えている。国債を大量に発行する積極財政を何年も続けなければ景気の低迷からは抜け出せないのに、だ。
新聞の部数は激減しているが、それをもっと推し進めたい。新聞は癌でしかないからだ。新聞購読はできる限り止めて欲しいし、電子版の契約も同じだ。騙されなければ良いのだが、大量のマスコミ報道に世論は左右されてしまう。
「反緊縮」の声はネットでは広まっているのだが、現実への波及は正直なところわからない。マスコミにとっても怖いのか、世論調査をしないからだ。
私個人にできることは多くないが、マスコミの国債の大量発行に反対する誤った論調に反対して政治を少しでもマシなものにしたい。
~~引用ここから~~
政府の2021年度予算案は、新型コロナウイルス対策により、当初予算で過去最大の106兆6097億円に膨らんだ。20年度に3度の補正予算を編成し、大規模な財政出動に踏み切ったものの、歳出拡大の圧力がやむ気配はない。税収不足を新規国債の大量発行で穴埋めするいびつな構造に陥っており、財政再建は風前のともしびだ。
政策的経費を借金に頼らず、税収でどれだけ賄えているかを示す「基礎的財政収支(PB)」は、21年度に20兆3617億円の赤字に陥る見通し。20年度当初予算段階の9兆6264億円に比べ、2倍超に拡大する。政府は、国と地方のPBを25年度までに黒字化する目標を掲げるが、修正に追い込まれるのは必至の情勢だ。
借金頼みが続き、普通国債に借入金などを加えた国の長期債務残高は20年度末に1010兆円、21年度末に1019兆円に積み上がる見込み。14年度末には国と地方の合計で1000兆円を超えたが、国だけで大台を突破する。
それでも、政府内に財政悪化に対する危機感は乏しい。政府は21年度予算の編成方針で「経済あっての財政」と表明。財政再建の優先順位を下げ、コロナ禍で打撃を受けた経済の下支えを継続する姿勢を打ち出した。菅義偉首相は、政府経済見通しの21年度実質GDP(国内総生産)成長率4.0%の達成により、「来年度中に経済がコロナ前の水準まで回復する」と強調する。
企業業績の悪化で税収が低迷し、21年度の歳入に占める国債の比率は40.9%と前年度当初から約9ポイント上昇する。財務省幹部は「持続可能性の課題は十分認識している」と、コロナ収束後を見据え財政再建を目指す姿勢を堅持する考えを示す。ただ、コロナ禍が長期化する中、さらなる経済対策を迫られる可能性がある。
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
政府の2021年度予算案で、政策的経費を借金に頼らず、税収でどれだけ賄えているかを示す「基礎的財政収支(PB)」が約20兆3600億円の赤字に陥る見通しとなった。前年度当初予算の9兆6264億円と比べ2倍以上に拡大する。政府は25年度までに国と地方のPBを黒字化する目標を掲げているが、新型コロナウイルスの影響で財政悪化が加速しており、目標達成は絶望的だ。
政府は21日に予算案を閣議決定する。一般会計総額が過去最大の約106兆6100億円に膨らむ一方、コロナ禍で税収見通しは約57兆4500億円にとどまる。歳入確保のため新規の国債発行額は約43兆6000億円と前年度当初を11兆円程度上回る。
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
政府が2021年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は当初予算で過去最高の106兆円超となり、新規国債の発行で4割を賄う。コロナ禍の克服と成長基盤の強化に焦点を当てたのはいいが、財政規律の緩みは隠せない。
政府は20年度第3次補正予算案も含めた「15カ月予算」との位置づけで、コロナの感染防止と経済の回復を後押しする。一連の予算で医療体制の拡充や企業・家計の支援を急ぎ、グリーン化やデジタル化を促すのは妥当だ。
だが賢い支出を積み上げたと胸を張れる内容だろうか。15カ月予算の中に、首をかしげたくなるものが紛れているのは確かだ。
多くの問題をはらむのはコロナ対策の予備費である。20~21年度の合計で10兆円を確保し、その使途を政府の判断に委ねる。病床や医療人材の確保などに充てるのならともかく、不要不急のカネをばらまくのでは困る。
公共事業全体の規模を抑えつつ、与党が望む国土強靱(きょうじん)化には予算を重点配分した。減災・防災事業の重要性は認めるが、21~25年度に15兆円も投じる必要があるのだろうか。
脱炭素社会の実現を促す基金や、大学の高度な研究を促す基金への支出も巨額である。目利きの能力に乏しい人々がグリーン化やデジタル化を大義名分に、無駄な投資や出資を繰り返さぬよう、政府は細心の注意を払ってほしい。
一般会計の3分の1を占める社会保障費への切り込みも甘い。高齢化の進展などに伴う実質的な伸びを3500億円にとどめたというが、この程度の抑制では社会保障制度の持続性が危うい。
介護保険の抜本改革に向けた議論を避けたまま、3年に1度の介護報酬改定で安易に引き上げを認めたのが典型だろう。薬価の引き下げは評価したいが、その陰でコロナ対応を名目とする異例の診療報酬引き上げが決まっていたのも見過ごすわけにはいかない。
国の21年度の基礎的財政収支は20兆円超の赤字となり、地方との合計で25年度に黒字化するという目標の達成はもはや絶望的だ。国・地方の21年度末の長期債務残高は1200兆円超に膨らむ。
たとえ危機下でも財政に負荷をかけすぎれば、そのツケはいずれ返ってくる。当面の予算措置で一定の規律を守るだけでなく、コロナ後を見据えた本格的な歳入・歳出改革の議論も始めるべきだ。
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
政府が21日に閣議決定した2021年度予算案は、新型コロナウイルスの感染拡大が響き、新規国債の発行額が11年ぶりに増えるなど、財政状態は一段と悪化した。経済成長に伴って税収が増え、財政健全化につなげるシナリオは遠のいている。
12年に発足した第2次安倍内閣以降、政府は景気回復による税収の自然増を目指し、菅首相もこの路線を引き継いだ。20年度当初予算段階までは税収が増え、新規国債の発行額が減っていたことから、政府は経済成長と財政再建を両立させていると説明してきた。
しかし、税収増に頼った財政運営の危うさは鮮明になっている。19年度は米国と中国の貿易摩擦の影響で約2・3兆円、20年度は新型コロナの影響で約8・3兆円、それぞれ当初予算からの下方修正を迫られた。
財政の健全性を示す指標も悪化している。国が新たな借金に頼らず、税収などで政策経費を賄えているかどうかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)は20兆3617億円の赤字で、20年度当初の2倍以上に膨らむ。政府は25年度までに国と地方のPBを黒字にする目標を掲げるが、達成は絶望的だ。
国と地方の長期債務残高も21年度末に1209兆円に上り、国内総生産(GDP)の2倍以上と、主要国では最悪の水準になる見通しだ。政府の21年度の経済見通しは民間予測よりも楽観的で、想定を下回った場合は税収が減り、財政は一段と厳しくなる。
22年度からは戦後生まれの「団塊の世代」が75歳以上になり始め、医療や介護にかかるお金も増える。歳出の3割超を占める社会保障費の増加ペースも加速する。しかし、現在は景気下支えが最優先課題のため、財政再建や歳出改革の議論は低調なままとなっている。
税制大綱も閣議決定
政府は21日午前の閣議で、2021年度税制改正大綱を決定した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、住宅ローン減税の拡充や固定資産税の据え置きで家計や企業を支えるとともに、環境やデジタルの分野で企業の投資を促す。
住宅ローン減税は入居期限を22年末まで延長し、床面積の条件を「40平方メートル以上」に緩和する。固定資産税は、税額が増える場合は据え置き、下がる場合はそのまま反映する。エコカー減税も23年4月まで続ける。温室効果ガスの削減効果が大きい投資をした企業については、投資額の最大10%を法人税額から差し引く。インターネット上でデータを管理するクラウドを活用するなどの設備投資では、投資額の最大5%を法人税額から控除する。
政府は来年1月に召集される予定の通常国会に税制改正法案を提出し、3月末までの成立を目指す。
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
政府は21日午前、2021年度の当初予算案を閣議で決める。コロナ禍の今年はすでに3回、緊急対応として予算編成を重ねた。その姿は、いびつさともろさがひときわ際立つ。菅義偉首相は、重みを増す公助の意味合いを「最後は国がセーフティーネットで守ってくれる」と繰り返してきた。「公助」を支える土台となる予算のありようは、何か語るだろうか。
1次補正、10万円支給へ閣議やり直し
手始めは、緊急事態宣言下の4月末に成立した、今年度の1次補正予算だった。国民全員への10万円の給付金は、政府が予算案を決めた後に飛び出した与党幹部の発言を受けて、突然、実現した。
2年分の公共事業費にも相当する12兆円超を投じる給付金の規模も、中心となる政策の差し替えによる閣議決定のやり直しも、前代未聞。本当に困っている人を国がつかみ切れないので、所得制限なく全員に配るほうが、早く手元に届く。そんなねらいが説明された。
2次補正、予備費なのに10兆円
ほぼ1カ月後の2次補正予算には、10兆円の予備費が入る。予備費とは、国会の議決がなくても、政府が自由に使える例外的なお金のこと。チェックが利きにくい白紙委任は慎重であるべきなのに、自民党では「50兆円」を求める声が相次いだ。東日本大震災が起きた11年度の2兆円近くを、はるかにしのぐ金額だ。このとき官房長官だった菅さんは「多くつけるべきだと、与野党から強く要請があった」と説明した。
先の見えない感染症と、急速に縮んだ経済活動を目の当たりにして、重視されたのは内容にも増して金額の大きさだった。兆円単位の政策が目白押しとなった二つの補正予算は、合計で57兆6千億円。元手はすべて、借金となる国債が充てられた。
コロナの感染拡大は夏場も収まらず、その勢いは冬に入って猛烈に増す。安倍政権から菅政権へと代わっても、巨額の予算を投じた効果や反省点の深い検証には、とても踏み込めない。
3次補正、「火事場泥棒のように増加」
12月半ばの3次補正予算案も、財務省幹部の目には「論理性を欠いたまま、金額は兆円単位で、火事場泥棒のように増えていった」と映った。コロナ対策を主眼とし、法律で「特に緊要となった経費」に限ると定める補正予算であるのに、脱炭素の技術開発を支援する2兆円の基金が、首相の強い意向で当確に。公共事業や「自衛隊の安定運用の確保」という防衛費、農家の支援策など、当初予算から例年こぼれ落ちるものも含め、最終的に20兆円規模になった。
来年度の当初予算案でも、コロナ対応の予備費に破格の5兆円を積む方針は、早々に決まる。
空前の借金、「本当に大丈夫か」
一方で、高齢人口が増えて出生数が減り、経済成長しにくい構造的な危機への対応となると、政治の動きははるかに鈍い。格差や不公平感をならす改革に踏みだそうにも、平時以上にためらいが生まれる。
75歳以上の医療費の自己負担分を一部で引き上げる方針は決まったが、現役世代の保険料負担を抑える効果は、厚生労働省の試算によると、1人年800円ほどにとどまる。税制改正では、企業や個人が目の前の「納税しうる体力」を取り戻せるようにと力を注ぎ、不公平が指摘される年金や株式への税負担のあり方をめぐる議論には、ほぼ手をつけなかった。民間の議員が首相に「リーダーシップの十全な発揮」を求める経済財政諮問会議も、「歳出効率化のしくみの構築」などを求めたものの、具体化を迫る胆力は感じられない。
家計では考えられないが、コロナ以前でも日本は税収の15~16年分にあたる900兆円近い借金を抱え、貯蓄はない。そこへ20年度だけで新たに、112兆円超の国債を発行する。コロナ前の年間予算を上回る、突出した領域に足を踏み入れた。
コロナ対策のための多額の借金を中央銀行が買い支える構図は、世界で共通する。自国通貨建ての国債ならリスクは低く、インフレになるまではいくらでも支出は増やせるという主張も勢いを増す。だからといって、「低金利が続く」「インフレはこない」という保証にはならない。
「こんなにも借金を重ねて、日本は本当に大丈夫なのか。大量の失業や年金の目減りが押し寄せる時代がくるのでは」。漠然としていても、人それぞれに不安を抱いているようにも思う。
菅さんは公助について、「必ず国が責任を持つ」とも言い切ってきた。
日本は、支えを必要とする人に手を差し伸べて、セーフティーネットやさまざまな公共サービスを安定して提供できる国だろうか。菅政権が初めてつくる当初予算案は、コロナ対応とともに、将来の安心も得られる土台となっているのか。確認したい。(編集委員・伊藤裕香子)
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
菅義偉首相にとって初となる2021年度当初予算案は異例ずくめの編成作業をたどった。「菅カラー」の打ち出しに腐心したが、新型コロナウイルス禍で歳出拡大圧力は強まり続け、補正予算と連動した「15カ月予算」は肥大化した。時限的な政策の財源を手当てする補正と違い、当初予算は暮らしやビジネス活動に直結する国家の絵姿。コロナ後の日本経済の起爆剤となるか、それとも将来に禍根を残す結果を招くのか。
新型コロナウイルス対応で借金が膨らんだ2020年度に続き、21年度当初予算案も歳入の40・9%を新規国債発行(借金)に依存する編成となったことで、日本の財政悪化は一層、厳しい状況に追い込まれた。
政策経費を税収などでどれだけ賄えるかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の赤字規模は、20年度当初段階から10兆円超増えて20兆3617億円。政府は25年度にPBを黒字化させる目標を掲げているが、実現は絶望的な状況だ。
日本の財政事情は、高齢化による社会保障費の伸びに伴い歳出の拡大が続く一方、経済の長期低迷で税収の回復は鈍く、歳入不足を国債で補う構図が続いてきた。10年代は税収が徐々に持ち直し、PBの赤字幅も縮小傾向にあったが、コロナ禍で状況が一変した。
20年度は3回にわたる補正予算を通じ、歳出総額が175兆円に膨張。一方、歳入は税収が当初見込みより8兆円超下振れして55兆1250億円にとどまったこともあり、国債を大量発行。20年度の新規国債発行額は112兆円に達し、それまでで最悪だった09年度(52兆円)の倍以上に肥大化した。国と地方の長期債務残高は、20年度末に1200兆6703億円となる見込みで初めて1200兆円に到達。国民1人あたり960万円程度に上る危機的な状況にある。
政府は「経済再生なくして財政健全化なし」として、まずは経済を回復して税収を増やし、PBの赤字幅を縮小させる従来型の財政改善策を維持する方針だ。しかし…(以下有料)
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
そもそも新型コロナ対策は少なからず3次補正に計上されている。それにも関わらず、当初予算でもコロナ対策費には大型予算が計上された。その当初予算は、支出の4割を国債でまかなうしかなく、まさに非常事態だ。
借金に依存する日本の財政運営は危機的な状況で、日本の債務残高の対国内総生産(GDP)比は足元で266・2%と先進国で最悪の水準にある。3次補正や来年度当初予算を加えればさらに膨らみ、3年度末の国債発行残高は990兆円超に上る。
しかも予算案は3年度の実質国内総生産(GDP)が4・0%程度成長するという予想が前提となっており、見通しの甘さも指摘される。年明け以降も感染拡大が続き、企業収益がさらに落ち込めば税収は下振れしそうだ。
4年度には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に入り、高齢化による社会保障費の増大で財政収支は一層悪化する。だが、補正を含む今年度の新規国債発行額は過去最大の112兆5539億円に上る。政府は、7年度までに国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標は堅持しているが、道筋は示していない。
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は11月、コロナ対応と経済の回復、財政健全化の“3兎”を追うべきと建議(意見書)を示した。だが、コロナ対応は不確定要素が多く、経済回復との2兎すら実現するのも難しい。財政健全化は遠のいている。(林修太郎)
~~引用ここまで~~
いくつかその報道を引用するが、財政や国債、経済に対する認識があまりに間違っているので話にならない。引用するが読み飛ばして構わない。問題はそのマスコミの大量報道によって世論が誤った方向に誘導されるかもしれないことだからだ。
マスコミの世論操作力は落ちているが、経済、財政、国債に関しては主要マスコミの論調は一致しているし、後ろに財務省という緊縮財政の総本山が控えている。国債を大量に発行する積極財政を何年も続けなければ景気の低迷からは抜け出せないのに、だ。
新聞の部数は激減しているが、それをもっと推し進めたい。新聞は癌でしかないからだ。新聞購読はできる限り止めて欲しいし、電子版の契約も同じだ。騙されなければ良いのだが、大量のマスコミ報道に世論は左右されてしまう。
「反緊縮」の声はネットでは広まっているのだが、現実への波及は正直なところわからない。マスコミにとっても怖いのか、世論調査をしないからだ。
私個人にできることは多くないが、マスコミの国債の大量発行に反対する誤った論調に反対して政治を少しでもマシなものにしたい。
~~引用ここから~~
巨額歳出も拡大圧力やまず 財政再建、風前のともしび―来年度予算案:時事ドットコム
政府の2021年度予算案は、新型コロナウイルス対策により、当初予算で過去最大の106兆6097億円に膨らんだ。20年度に3度の補正予算を編成...
時事ドットコム
政府の2021年度予算案は、新型コロナウイルス対策により、当初予算で過去最大の106兆6097億円に膨らんだ。20年度に3度の補正予算を編成し、大規模な財政出動に踏み切ったものの、歳出拡大の圧力がやむ気配はない。税収不足を新規国債の大量発行で穴埋めするいびつな構造に陥っており、財政再建は風前のともしびだ。
政策的経費を借金に頼らず、税収でどれだけ賄えているかを示す「基礎的財政収支(PB)」は、21年度に20兆3617億円の赤字に陥る見通し。20年度当初予算段階の9兆6264億円に比べ、2倍超に拡大する。政府は、国と地方のPBを25年度までに黒字化する目標を掲げるが、修正に追い込まれるのは必至の情勢だ。
借金頼みが続き、普通国債に借入金などを加えた国の長期債務残高は20年度末に1010兆円、21年度末に1019兆円に積み上がる見込み。14年度末には国と地方の合計で1000兆円を超えたが、国だけで大台を突破する。
それでも、政府内に財政悪化に対する危機感は乏しい。政府は21年度予算の編成方針で「経済あっての財政」と表明。財政再建の優先順位を下げ、コロナ禍で打撃を受けた経済の下支えを継続する姿勢を打ち出した。菅義偉首相は、政府経済見通しの21年度実質GDP(国内総生産)成長率4.0%の達成により、「来年度中に経済がコロナ前の水準まで回復する」と強調する。
企業業績の悪化で税収が低迷し、21年度の歳入に占める国債の比率は40.9%と前年度当初から約9ポイント上昇する。財務省幹部は「持続可能性の課題は十分認識している」と、コロナ収束後を見据え財政再建を目指す姿勢を堅持する考えを示す。ただ、コロナ禍が長期化する中、さらなる経済対策を迫られる可能性がある。
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
PB赤字、20.4兆円 コロナ禍で財政悪化加速―来年度予算:時事ドットコム
政府の2021年度予算案で、政策的経費を借金に頼らず、税収でどれだけ賄えているかを示す「基礎的財政収支(PB)」が約20兆3600億円の赤字...
時事ドットコム
政府の2021年度予算案で、政策的経費を借金に頼らず、税収でどれだけ賄えているかを示す「基礎的財政収支(PB)」が約20兆3600億円の赤字に陥る見通しとなった。前年度当初予算の9兆6264億円と比べ2倍以上に拡大する。政府は25年度までに国と地方のPBを黒字化する目標を掲げているが、新型コロナウイルスの影響で財政悪化が加速しており、目標達成は絶望的だ。
政府は21日に予算案を閣議決定する。一般会計総額が過去最大の約106兆6100億円に膨らむ一方、コロナ禍で税収見通しは約57兆4500億円にとどまる。歳入確保のため新規の国債発行額は約43兆6000億円と前年度当初を11兆円程度上回る。
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
[社説]財政規律の緩みを隠せぬ来年度予算案: 日本経済新聞
日本経済新聞の電子版。日経や日経BPの提供する経済、企業、国際、政治、マーケット、情報・通信、社会など各分野のニュース。ビジネス、マネー、I...
日本経済新聞
政府が2021年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は当初予算で過去最高の106兆円超となり、新規国債の発行で4割を賄う。コロナ禍の克服と成長基盤の強化に焦点を当てたのはいいが、財政規律の緩みは隠せない。
政府は20年度第3次補正予算案も含めた「15カ月予算」との位置づけで、コロナの感染防止と経済の回復を後押しする。一連の予算で医療体制の拡充や企業・家計の支援を急ぎ、グリーン化やデジタル化を促すのは妥当だ。
だが賢い支出を積み上げたと胸を張れる内容だろうか。15カ月予算の中に、首をかしげたくなるものが紛れているのは確かだ。
多くの問題をはらむのはコロナ対策の予備費である。20~21年度の合計で10兆円を確保し、その使途を政府の判断に委ねる。病床や医療人材の確保などに充てるのならともかく、不要不急のカネをばらまくのでは困る。
公共事業全体の規模を抑えつつ、与党が望む国土強靱(きょうじん)化には予算を重点配分した。減災・防災事業の重要性は認めるが、21~25年度に15兆円も投じる必要があるのだろうか。
脱炭素社会の実現を促す基金や、大学の高度な研究を促す基金への支出も巨額である。目利きの能力に乏しい人々がグリーン化やデジタル化を大義名分に、無駄な投資や出資を繰り返さぬよう、政府は細心の注意を払ってほしい。
一般会計の3分の1を占める社会保障費への切り込みも甘い。高齢化の進展などに伴う実質的な伸びを3500億円にとどめたというが、この程度の抑制では社会保障制度の持続性が危うい。
介護保険の抜本改革に向けた議論を避けたまま、3年に1度の介護報酬改定で安易に引き上げを認めたのが典型だろう。薬価の引き下げは評価したいが、その陰でコロナ対応を名目とする異例の診療報酬引き上げが決まっていたのも見過ごすわけにはいかない。
国の21年度の基礎的財政収支は20兆円超の赤字となり、地方との合計で25年度に黒字化するという目標の達成はもはや絶望的だ。国・地方の21年度末の長期債務残高は1200兆円超に膨らむ。
たとえ危機下でも財政に負荷をかけすぎれば、そのツケはいずれ返ってくる。当面の予算措置で一定の規律を守るだけでなく、コロナ後を見据えた本格的な歳入・歳出改革の議論も始めるべきだ。
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
政府が21日に閣議決定した2021年度予算案は、新型コロナウイルスの感染拡大が響き、新規国債の発行額が11年ぶりに増えるなど、財政状態は一段と悪化した。経済成長に伴って税収が増え、財政健全化につなげるシナリオは遠のいている。
12年に発足した第2次安倍内閣以降、政府は景気回復による税収の自然増を目指し、菅首相もこの路線を引き継いだ。20年度当初予算段階までは税収が増え、新規国債の発行額が減っていたことから、政府は経済成長と財政再建を両立させていると説明してきた。
しかし、税収増に頼った財政運営の危うさは鮮明になっている。19年度は米国と中国の貿易摩擦の影響で約2・3兆円、20年度は新型コロナの影響で約8・3兆円、それぞれ当初予算からの下方修正を迫られた。
財政の健全性を示す指標も悪化している。国が新たな借金に頼らず、税収などで政策経費を賄えているかどうかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)は20兆3617億円の赤字で、20年度当初の2倍以上に膨らむ。政府は25年度までに国と地方のPBを黒字にする目標を掲げるが、達成は絶望的だ。
国と地方の長期債務残高も21年度末に1209兆円に上り、国内総生産(GDP)の2倍以上と、主要国では最悪の水準になる見通しだ。政府の21年度の経済見通しは民間予測よりも楽観的で、想定を下回った場合は税収が減り、財政は一段と厳しくなる。
22年度からは戦後生まれの「団塊の世代」が75歳以上になり始め、医療や介護にかかるお金も増える。歳出の3割超を占める社会保障費の増加ペースも加速する。しかし、現在は景気下支えが最優先課題のため、財政再建や歳出改革の議論は低調なままとなっている。
税制大綱も閣議決定
政府は21日午前の閣議で、2021年度税制改正大綱を決定した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、住宅ローン減税の拡充や固定資産税の据え置きで家計や企業を支えるとともに、環境やデジタルの分野で企業の投資を促す。
住宅ローン減税は入居期限を22年末まで延長し、床面積の条件を「40平方メートル以上」に緩和する。固定資産税は、税額が増える場合は据え置き、下がる場合はそのまま反映する。エコカー減税も23年4月まで続ける。温室効果ガスの削減効果が大きい投資をした企業については、投資額の最大10%を法人税額から差し引く。インターネット上でデータを管理するクラウドを活用するなどの設備投資では、投資額の最大5%を法人税額から控除する。
政府は来年1月に召集される予定の通常国会に税制改正法案を提出し、3月末までの成立を目指す。
~~引用ここまで~~
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そびえ立つ空前の借金、公助の土台は? 当初予算に注目:朝日新聞デジタル
政府は21日午前、2021年度の当初予算案を閣議で決める。コロナ禍の今年はすでに3回、緊急対応として予算編成を重ねた。その姿は、いびつさと...
朝日新聞デジタル
政府は21日午前、2021年度の当初予算案を閣議で決める。コロナ禍の今年はすでに3回、緊急対応として予算編成を重ねた。その姿は、いびつさともろさがひときわ際立つ。菅義偉首相は、重みを増す公助の意味合いを「最後は国がセーフティーネットで守ってくれる」と繰り返してきた。「公助」を支える土台となる予算のありようは、何か語るだろうか。
1次補正、10万円支給へ閣議やり直し
手始めは、緊急事態宣言下の4月末に成立した、今年度の1次補正予算だった。国民全員への10万円の給付金は、政府が予算案を決めた後に飛び出した与党幹部の発言を受けて、突然、実現した。
2年分の公共事業費にも相当する12兆円超を投じる給付金の規模も、中心となる政策の差し替えによる閣議決定のやり直しも、前代未聞。本当に困っている人を国がつかみ切れないので、所得制限なく全員に配るほうが、早く手元に届く。そんなねらいが説明された。
2次補正、予備費なのに10兆円
ほぼ1カ月後の2次補正予算には、10兆円の予備費が入る。予備費とは、国会の議決がなくても、政府が自由に使える例外的なお金のこと。チェックが利きにくい白紙委任は慎重であるべきなのに、自民党では「50兆円」を求める声が相次いだ。東日本大震災が起きた11年度の2兆円近くを、はるかにしのぐ金額だ。このとき官房長官だった菅さんは「多くつけるべきだと、与野党から強く要請があった」と説明した。
先の見えない感染症と、急速に縮んだ経済活動を目の当たりにして、重視されたのは内容にも増して金額の大きさだった。兆円単位の政策が目白押しとなった二つの補正予算は、合計で57兆6千億円。元手はすべて、借金となる国債が充てられた。
コロナの感染拡大は夏場も収まらず、その勢いは冬に入って猛烈に増す。安倍政権から菅政権へと代わっても、巨額の予算を投じた効果や反省点の深い検証には、とても踏み込めない。
3次補正、「火事場泥棒のように増加」
12月半ばの3次補正予算案も、財務省幹部の目には「論理性を欠いたまま、金額は兆円単位で、火事場泥棒のように増えていった」と映った。コロナ対策を主眼とし、法律で「特に緊要となった経費」に限ると定める補正予算であるのに、脱炭素の技術開発を支援する2兆円の基金が、首相の強い意向で当確に。公共事業や「自衛隊の安定運用の確保」という防衛費、農家の支援策など、当初予算から例年こぼれ落ちるものも含め、最終的に20兆円規模になった。
来年度の当初予算案でも、コロナ対応の予備費に破格の5兆円を積む方針は、早々に決まる。
空前の借金、「本当に大丈夫か」
一方で、高齢人口が増えて出生数が減り、経済成長しにくい構造的な危機への対応となると、政治の動きははるかに鈍い。格差や不公平感をならす改革に踏みだそうにも、平時以上にためらいが生まれる。
75歳以上の医療費の自己負担分を一部で引き上げる方針は決まったが、現役世代の保険料負担を抑える効果は、厚生労働省の試算によると、1人年800円ほどにとどまる。税制改正では、企業や個人が目の前の「納税しうる体力」を取り戻せるようにと力を注ぎ、不公平が指摘される年金や株式への税負担のあり方をめぐる議論には、ほぼ手をつけなかった。民間の議員が首相に「リーダーシップの十全な発揮」を求める経済財政諮問会議も、「歳出効率化のしくみの構築」などを求めたものの、具体化を迫る胆力は感じられない。
家計では考えられないが、コロナ以前でも日本は税収の15~16年分にあたる900兆円近い借金を抱え、貯蓄はない。そこへ20年度だけで新たに、112兆円超の国債を発行する。コロナ前の年間予算を上回る、突出した領域に足を踏み入れた。
コロナ対策のための多額の借金を中央銀行が買い支える構図は、世界で共通する。自国通貨建ての国債ならリスクは低く、インフレになるまではいくらでも支出は増やせるという主張も勢いを増す。だからといって、「低金利が続く」「インフレはこない」という保証にはならない。
「こんなにも借金を重ねて、日本は本当に大丈夫なのか。大量の失業や年金の目減りが押し寄せる時代がくるのでは」。漠然としていても、人それぞれに不安を抱いているようにも思う。
菅さんは公助について、「必ず国が責任を持つ」とも言い切ってきた。
日本は、支えを必要とする人に手を差し伸べて、セーフティーネットやさまざまな公共サービスを安定して提供できる国だろうか。菅政権が初めてつくる当初予算案は、コロナ対応とともに、将来の安心も得られる土台となっているのか。確認したい。(編集委員・伊藤裕香子)
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肥大予算、さらに借金依存 歳入の40.9% 財政再建目標、絶望的に 21年度当初 - 毎日新聞
菅義偉首相にとって初となる2021年度当初予算案は異例ずくめの編成作業をたどった。「菅カラー」の打ち出しに腐心したが、新型コロナウイルス禍...
毎日新聞
菅義偉首相にとって初となる2021年度当初予算案は異例ずくめの編成作業をたどった。「菅カラー」の打ち出しに腐心したが、新型コロナウイルス禍で歳出拡大圧力は強まり続け、補正予算と連動した「15カ月予算」は肥大化した。時限的な政策の財源を手当てする補正と違い、当初予算は暮らしやビジネス活動に直結する国家の絵姿。コロナ後の日本経済の起爆剤となるか、それとも将来に禍根を残す結果を招くのか。
新型コロナウイルス対応で借金が膨らんだ2020年度に続き、21年度当初予算案も歳入の40・9%を新規国債発行(借金)に依存する編成となったことで、日本の財政悪化は一層、厳しい状況に追い込まれた。
政策経費を税収などでどれだけ賄えるかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の赤字規模は、20年度当初段階から10兆円超増えて20兆3617億円。政府は25年度にPBを黒字化させる目標を掲げているが、実現は絶望的な状況だ。
日本の財政事情は、高齢化による社会保障費の伸びに伴い歳出の拡大が続く一方、経済の長期低迷で税収の回復は鈍く、歳入不足を国債で補う構図が続いてきた。10年代は税収が徐々に持ち直し、PBの赤字幅も縮小傾向にあったが、コロナ禍で状況が一変した。
20年度は3回にわたる補正予算を通じ、歳出総額が175兆円に膨張。一方、歳入は税収が当初見込みより8兆円超下振れして55兆1250億円にとどまったこともあり、国債を大量発行。20年度の新規国債発行額は112兆円に達し、それまでで最悪だった09年度(52兆円)の倍以上に肥大化した。国と地方の長期債務残高は、20年度末に1200兆6703億円となる見込みで初めて1200兆円に到達。国民1人あたり960万円程度に上る危機的な状況にある。
政府は「経済再生なくして財政健全化なし」として、まずは経済を回復して税収を増やし、PBの赤字幅を縮小させる従来型の財政改善策を維持する方針だ。しかし…(以下有料)
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3年度の新規国債発行額は43・6兆円で11年ぶり増 遠のく財政再建
21日に閣議決定された令和3年度予算案は国の借金である新規国債発行額が43兆5970億円となり、前年度当初比で11年ぶりに増加した。新型コロ...
産経ニュース
そもそも新型コロナ対策は少なからず3次補正に計上されている。それにも関わらず、当初予算でもコロナ対策費には大型予算が計上された。その当初予算は、支出の4割を国債でまかなうしかなく、まさに非常事態だ。
借金に依存する日本の財政運営は危機的な状況で、日本の債務残高の対国内総生産(GDP)比は足元で266・2%と先進国で最悪の水準にある。3次補正や来年度当初予算を加えればさらに膨らみ、3年度末の国債発行残高は990兆円超に上る。
しかも予算案は3年度の実質国内総生産(GDP)が4・0%程度成長するという予想が前提となっており、見通しの甘さも指摘される。年明け以降も感染拡大が続き、企業収益がさらに落ち込めば税収は下振れしそうだ。
4年度には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に入り、高齢化による社会保障費の増大で財政収支は一層悪化する。だが、補正を含む今年度の新規国債発行額は過去最大の112兆5539億円に上る。政府は、7年度までに国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標は堅持しているが、道筋は示していない。
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は11月、コロナ対応と経済の回復、財政健全化の“3兎”を追うべきと建議(意見書)を示した。だが、コロナ対応は不確定要素が多く、経済回復との2兎すら実現するのも難しい。財政健全化は遠のいている。(林修太郎)
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