面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

日本は閣僚の権限が弱すぎる

2019-04-27 22:52:21 | 政治
日本の閣僚は権限が弱すぎる。官房長官と財務相を例外にして他の閣僚は誰がやっても変わらない。首相にお伺いを立てないと何もできない。

桜田前五輪相が失言を理由に更迭されたが、桜田前五輪相はサイバーセキュリティ担当も兼務していた。パソコンをほとんど使ったことがないにも関わらずだ。

要は閣僚は誰でも良いからだ。人選に悩むのは政権の要である官房長官と最強官庁である財務省を預かる財務相くらいであとは誰でも良い。特命担当と呼ばれる無任所大臣は特に誰でも良く、派閥均衡と当選回数で人事が決まる。

首相と財界や米国の代理人である「民間議員」の会議、「経済財政諮問会議」等で政権の方針は決まり、実務は官僚が担当する。

だから閣僚はお飾りでしかない。自分の意見を挟む余地はないのだ。米国並の権限がないと価値がない。

大統領制の米国と議院内閣制で原則国会議員から閣僚を選ぶ日本では閣僚の重要性も自ずと異なるものになるのかもしれない(日本国憲法 第六十八条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。)。

米国の閣僚も上院議員(下院議員も稀にある)から選ぶことがままある(選ばれた上院議員は閣僚と連邦議員は兼任できないので上院議員を辞職する)。

しかし基本的には米国全体から人材を探せるので専門家を選べる。米国では財界、軍隊、大学教授、シンクタンクから選ぶことが多い。

国会議員は選挙の専門家であるが、世襲議員、タレント議員、叩き上げ議員も多く、官僚の方が政務に精通しているとされる。

その中から選ばなければならないので閣僚に権限を与えず、首相が官僚や民間出身のブレーンとともに決めることが多い。

小選挙区制や政治改革で首相の権限が著しく強化されたこともその理由ではあるだろう。

しかしそれが健全とは思えない。閣僚の任免権は首相にあるので閣僚はどのみち首相には逆らえないのだ。細部まで首相が口出しするのはやり過ぎで、閣僚に任せるべきだ。

閣僚は国会議員の中から選ばなければならず、それ以上に与党の党内の力関係に配慮しなくてはならないとしても。

大統領制と議院内閣制では大統領制の方が権限が強いと考えている人が多いが、それは間違いだ。議会を掌握している分首相の方が権限が強いのだ。

「ねじれ国会」に陥ったことが実際あったが、大統領制ではあれが日常茶飯事とも言える。議会が拒否すれば予算が組めないのだから。

閣僚の権限も強めるべきだし、議会の与党の権限も強めるべきだ。首相就任前は調子の良いことを言っていても首相に就任したとたん米国や財界の言いなりになってしまうからだ。

靖国神社に参拝しない安倍晋三のことである。財界、米国の言うがままに「移民法」「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ)」「種子法廃止」「電力自由化」「水道民営化」「農協弱体化」などを実現させてきた。

首相ないし首相官邸の独裁では国民のためにならない。閣僚にも地位に見合った権限を与えるべきだ。何より国民の代表である国会議員の力を強めなければならない。

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