面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

ウクライナは緩衝国として生きるしかない

2019-02-08 22:48:03 | 政治
かなり以前に激動のウクライナという記事を書いた。読み直すととりとめのないことばかりで恥ずかしいが、ヤヌコビッチ大統領がその職を逐われたのは米国の暗躍があってのことだ。当時は確信がなかったが、現在では確信している。

そして3月31日に投票されるウクライナ大統領選挙では現職のポロシェンコ大統領の苦戦が伝えられている。米国がウクライナの親露政権を「クーデター」でひっくり返しても維持できないのだ。

平成16年の「オレンジ革命」。これも裏に米国がいたと確信している。その際ユシチェンコが大統領に就任したが、5年後の選挙でヤヌコビッチに破れている。

ウクライナはロシアか欧米の経済支援がない限り経済は低迷し、国民は不満を抱き現職に大統領を続けさせない。

しかしオレンジ革命の後も平成26年のウクライナ騒乱の後も欧米はあまりウクライナに経済支援を与えなかった。EU加盟もNATO加盟もない。それでは経済は上向かない。

別にウクライナに限った話ではない。途上国が経済の自立成長路線に入るには初めは資本が必要なのだ。現代は金あまりの時代だから明治日本が苦労した頃とは比べ物にならないくらいラクに資金は手に入る。しかしロシアにいつ侵攻されるかわからないウクライナには投資が集まらなかったのだろう。欧米のてこ入れもなかった。

ウクライナ騒乱の後のロシアのクリミア侵略と東部地域での「親露勢力」の「反乱」。ロシアはウクライナが欧州の勢力圏に入ることを許さないことを武力で示した。これに欧米は白旗を上げ、ウクライナのEU加盟もNATO加盟もなくなった。欧米はウクライナのためにロシアと戦争をするつもりはないからだ。

ウクライナがソ連崩壊後の独立時の軍事力を保っていれば欧米もロシアもこんな扱いはしなかったかもしれない。ソ連はウクライナを独立させるつもりは微塵もなかったからかなりの軍事力をウクライナに置いていた。その中には核兵器さえあった。これをウクライナの指導者達が上手く使えていれば。維持していれば。話は違ったかもしれない。

しかし時は戻らない。ポロシェンコ大統領が徴兵制を復活させいくらかは軍事力を増強したもののロシアには遠く及ばない。NATOの支援もないウクライナ一国の軍事力ではロシアに対する抑止力にならないし、発言力にもならない。

ウクライナは欧米とロシアの緩衝国として生きるしかないのだ。少なくとも反露にはなれない。ロシアとはある程度上手く付き合わないと潰されてしまう。それが現在のウクライナの悲しい宿命だ。

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