ベトナムハノイの「バイクシート専門店」GOOD JOB
新車のバイクになり、ようやく少し慣れてきた。
しかしこのバイク「フランスで設計されたもの、大きさも欧州人に合わせてある」
つまり「典型的日本人体形である自分には少々シートが高い」
恥を忍んで「社員に相談すると」
そうですか、じゃあ「シートを改造しに行きましょう」との事?
そんなところあるの?と質問すると。
多くの人が「同じことを感じ、そして実際に修正をしている」とのこと。
よく考えれば、ベトナム人こそ、小柄な人が多い(最近の若い者は背が高い人が多いが
それでも日本人よりも小柄だ、だったら同じ悩みがあることもうなずけた)」
さすがに10年暮らしていると「店先にバイクのシートだけが飾ってある店は知っていた」
しかしこれが「既存のシートを低くすることもできる事は知らなかった」
早速出かけると。「年若いお兄さんが私のバイクをまじまじと見て、
このバイク初めてだ」と言った。
しかし、別に嫌がることもなく「ホンの少々構造を確認すると、すぐにシートをばらし始めた」
*ここからがすごかった。以下作業順に記す。
❶シートを押したり見たり、ここでもうどうするかは決めていたようだ
シートを車体から外す。
❷ここで「説明が入る」「このシートはスポンジ部分が少なく、スポンジだけ削っても1cmくらいしか下がらない
そこで、シートのがかぶっている「シートのスポンジの下地(固いプラスチックでできている)
に穴をあけ、削り、高さを下げるそうだ。(合計で3-4センチ下がるということだ)
それに納得して「やりますか?」ということだ。つまりインフォームドコンセントということだ。
同意すると、すぐに作業再開。
おもむろにグラインダーと電動のこぎりで作業。
・あーっという間にシート本体のプラスティックに穴をあけ、穴の開いた部分は恐らくアルミの板に見栄え良く黒のビニールシートを接着し
、元の下地にビス止め。ビスのでっぱりはグラインダーで除去し、下地の部分を完成させた
❸そしてここで解説。「その下地にもし直接元のシートをつけるなら下地が沈んだ分、皺になり、すぐに破れてしまうとの事」
そこでこの部分に「他のシートの下地スポンジを長いのこぎりの歯のようなもので、なんのためらいもなく
削りだし、下地の沈んだ分と、既存シートの隙間を埋める「下地スポンジ」を製作した。(この間3分ほど)
❸そして、いよいよ元のシートを取り付けるが、そのもとのシートのスポンジも「削った下地と、そこに入れたスポンジに
合うように、これも例の長い刃物で「新しいシートのスポンジを削っていく」
恐らく、神経質の人なら「シート下地に穴をあけるとき、そしてこの新スポンジをどんどん削るときに、
衝撃を受けていたことだろう」(自分も、おいおい本当に大丈夫?と思った)
そして、このスポンジ表面をサンドペーパーで形を整え、元のシートの「表面皮」をかぶせると。
「あーら、なんということでしょう」 全然違和感なく、皺もなく、きれいな状態になった。
そしてその皮を電動のホチキスのようなもので「シート本体に皺が出ないように伸ばしながら固定していった」
❹ そしてそのシートを車体に取り付け終了した。
この間≒60分 お値段は「600000ドン(≒3000円)」だった。
所感
*おそらく下がったシート高さは4cmくらいかと思う?
*見栄えは全く依然と変わりなし、誰もシートを下げたとは思わないだろう
*たかが4cmだが、これがすごい変化があった。(以前のバイクがこれまた、車高が低かったために
足底まで両足がペタリついた。)新しいバイクは修正前では、足は付くものの、不安定さがあった。
しかしこのわずかなシート下げは、無理すれば「両足で足のほぼ70%」がつくようになったため、大きな安心感ができた。
新しいバイクは以前のバイクよりも30㎏も車重が増えた分、このような修正は「安全にバイクを乗るにも必須だった」
そしてこの要求に対して「QDCの観点でも大きな満足をくれたベトナムの職人魂にも敬意を表したい」
ベトナムの「バイクメンテナンス技術」恐るべしである。
(神経質な方には向かない修正だろうが?
このアバウトさと大胆さ、ベトナムという国に共通している特質だと思う)