これらの症状は、人体に必要な気、血、水と言われる物質の、
特に血か水、あるいは血と水の両方の虚実 (過不足) や滞りによって
発生することが多い症状です。
血(けつ)を整える漢方薬
これは、瘀血 (血の滞り)と血虚 (正常血流の減少とこれによる冷え) に
対応する薬です。
1.黄連解毒湯(おうれんげどくとう、日本の保険収載番号15番)
更年期や、体が火照って上半身に熱がこもっていて、血の流れが滞っているために、
のぼせやすく、イライラや不安感があるときのめまい、耳鳴りに使います。
2.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん 25番)、通導散(つうどうさん、105番)
瘀血が背景になっているめまいや耳鳴りに使えます。
3.釣藤散(ちょうとうさん、47番)
頭痛薬として知られている漢方薬です。めまい、頭痛、
肩から首にかけての引きつる痛み、眼の結膜の充血、
脳内の血流を促す漢方薬です。
水(すい)を整える漢方薬類。
体の中で対処しきれない水が、頭部に溜まり耳の中のリンパ液の循環を阻害して、
めまいや耳鳴りを起こしている状態です。
このような水代謝の不都合がある場合、体のどこかにむくみや、
排尿の不都合や下痢などを起こしている方もいらっしゃいます。
1.苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう、39番)
立ちくらみ、浮遊感を伴う耳鳴りに効く漢方薬です。
2.半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう、37番)
胃腸が弱い方のめまいや耳鳴りに使われます。
3.五苓散(ごれいさん、17番)
水代謝を整える代表的な漢方薬です。むくみ、排尿障害、下痢なども治療する薬で、
水代謝の不都合が体のどこかにみられる方のめまいや耳鳴りに使われます。
血と水の両方を整える漢方薬
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん、23番)
婦人科系の虚血体質の方のお体を温める漢方薬として有名です。
生理不順や、不妊症、子宮内膜症に使われることが多いのですが、
これは血を増やして体の芯を温めて、水代謝も促進する作用があるので、
結果的にめまいや耳鳴りにも著効いたします。
https://blog.goo.ne.jp/keisclinic/e/c0ffa0ce31752ddeeacd68338440941c