脈証を綜合し,前医が用いた薬物とその効果を考慮すれば, 此れは乃ち 寒湿鬱滞, 肝脾失升, 大腸失伝導 に違いない。
治には 理肝脾、化湿濁,散寒邪 とすべし。
処方:宗潤腸丸(陳皮120,甘草30)
服薬1剤の后,腹張は好転し,食欲も増え,大便が出た。
其の后,毎週1剤としたら,大便は1日1回出ている。
全部で20剤を服用して,その後停薬して一年になるが,大便はずーっと正常である。
答えて曰く:陳皮,甘草には通便の効は無いが,醒脾化湿により,又能く肝脾大腸の 升降を調理し,肝脾大腸の気化を促進するので,大便が通るのである。
その外に,本病は久しく苦寒, 咸寒の攻下傷正の品を用いて,陽気が被伐されて, 寒湿となり,大腸が不通となったのである。
陳皮,甘草は 苦辛甘温で,行気し,又助陽し,湿濁を化せば, それが脾胃を醒して, 昇るべきは昇り,降るべきは降るので,服薬の効果が得られたのです。
朱进忠 难病奇治 より
