重ねこし 罪の重さを はかりても まだ捨てがたき 幻の城
*まだ本調子ではありませんが、ぼちぼち歌を詠んでいます。以前のように毎日あふれるように出てくるというわけにはいかない。一つ一つ言葉を吟味しながら、心の形にはりつけていくという感じです。
スランプはつらいですね。問題なのは、馬鹿がこの妨害活動を一生続けるつもりらしいということだ。ということは元の状態に戻ることはとても難しい。この状況の中で、にじるような努力を重ねながら、何とか歌をひねり出していくより仕方ないかもしれません。
表題の歌はつい昨日詠んだものです。積み重ねてきた罪の重さをはかっても、それで作った幻の城を捨てることが難しい。人間はこの世で成功を得るために、つい悪いことをしたり嘘をついたりしてしまうものですが、それで時にあまりに大きな幻の城を作ってしまう。それは名声であったり財産であったり権力であったりするんですがね、怖いのは、嘘で作ったものは、嘘がばれてしまったらすべてがだめになるということだ。
だからその嘘を守るためにあらゆるあがきをしてしまう。何もかもを失うのがつらすぎるからです。少しでも幻の城を長く持たせるために、またいやらしい嘘を重ねる。どんどん自分が馬鹿になってゆく。
そんな幻は、もうすっきりと捨ててしまったほうがよっぽどいいのですが、無明の闇に迷っている魂には、それがとても大事なものに見えるのです。それがなければ自分がないと思い込んでいる。
馬鹿者は、本当はまるで自分に自信がないのです。自分というものを信じていない。だからその小さな自分をごまかすために、あらゆるものを欲しがる。それを幻の城というのですが。
嘘をつき倒して作ってくた幻の城が、根底から揺らいできているのに、まだそれにこだわっている。つらいからだ。自分がつらいからだ。その自分の病気を治せば、すべてはうまくいくのですが、馬鹿者はどうしてもそっちに行かない。
そっちに行けば、今までの自分を全部否定しなければならないからです。そこが馬鹿なのだが。
全てが崩れ果ててしまう前に、自ら幻を捨てて、本当の自分に帰ったほうが、よほど幸せなのですよ。