かひなきも けふのこごとを 捧ぐ花 夢詩香
*言っても無駄だとわかってても、言うことはありますね。
そんなにはっきりとは言わないんだけど。そんなことしたら、ちょっとまずいことにならない、なんて感じで、やわらかく言うことはある。
けど、気持ちが伝わることはなくて。
うるさがられるから、小言を言うのは極力控えているんだけど。
でも、長い目で見たら、結局わたしの言ったとおりになってる。本人ももうわかってるみたいだけど、認めたくないから、何も言わない。
わたしも別に何も言わないけど、変わらないんだなあ、この人は、ってことは思う。
まあ、人生っていうのは、忍耐するためにあるものですよ。
カメラを持って、外に出かけて、花の顔の写真ばかり撮っていると、花がなんとなく何かを言ってるような気がするときがある。
何かを責めているような。何を言ってるのかわからないけど、人間を責めているような気がする。
なんで人間はそんなことをするの。そんなことをしたら、とても苦しいことになるのに。そう言っているような気がする。
きっと今はわからないだけで、人間は、ほんとにたくさん、花が悲しむようなことをしているんだろう、と思う。