過ぎかてぬ えのころぐさの さやぎかな 夢詩香
*「過ぎかてぬ」は「素通りできない」という意味の古語です。
写真は近所の野原のえのころぐさの草むらです。光が透いて、金色に光っているようで、とてもきれいでした。
何気ない草むらにも、いつも何かとてもいいものがある。風に揺れているえのころぐさを見ていると、何か不思議なことを話しあっているようにも見える。
ことばは人間だけのものじゃない。心を表せるものは、音や文字だけじゃない。そういう気がする。
色や光や動きで表現できる心もある。
そんなのがわかれば、きっと深い世界を知ることができるだろう。
えのころぐさの世界はどんな世界なのかな。しばらく見入って、聞いてみたい気がする。でもわからなくて。
しばらく見とれたら、またわたしは自分がわかる世界に帰っていく。でもさっきのえのころぐさの草むらがくれた光は自分の中に残っていて。
子供に、いつもよりもやさしい声をかけることができたりする。