九州の八女市に、先週仕事で、行ってきた。お盆の仏壇の提灯立てや、インテリアとして使用されるサン・シェード、すだれの生産工程を工場見学をさせて貰ったが、そこに息づく「伝統工芸品の匠の技」が、今や、後継者に、継承されることなく、グローバル・コンペティションの中では、結局、工学的な数値規格・製造工程管理、ビジュアル・マニュアル化として、海外へ、技術移転せざるを得ないのが、どうやら、現実のようである。10数年前に、かく言う自分も、海老フライや天ぷらのタイ・ベトナムへの生産移転を生業にしてきた一人だが、技術の自国での継承とは、一体、どういうことなのであろうか?漆塗り、木の素材の乾燥度合いによって、木の反り具合が違ったり、ねじれが、程よく、1ミリ以下で、計算、調整されたり、絹も素材の繊細さも、ナノ・テクに生かされたりと、まるで、技術の宝庫のような気がした。ソフトウェアーを、結局は、継承するその人間の育成は、どうやったら、2代目・3代目と時代が変わっても、何世代にも亘って、競争力を維持させつつ、継承できるのであろうかと、考えさせられる。「日本のモノ作り」の原点を、それらの中に、同時に、世界が透けて見えた気がした。