小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

日本の製造業が、心配だ!

2012年02月04日 | 社会戯評
何とも、惨憺たる有様である。どこを見渡しても、著名な大手製造業の会社が、赤字である。とりわけ、これまでリードしてきた家電業界は、厳しい。ソニー、パナソニック、シャープ、NEC,等、ついこの間まで、亀山モデルだとか、プレイステーションだとか、言っていたものが、有機ELテレビも、太陽電池もそうである。ファースト・ランナーだったのに、いつの間にか、創業者利益は、どこかへ、消え去り、サムスンや、中国企業にも、追い抜かれてしまい、今や、後塵を拝する始末である。選択と集中とかという言葉に、体よく、弄ばれ、結局、設備投資のタイミングも決断できない体力に陥ってしまった。確かに、為替レートをみただけでも、ビックリする程の短期間での超円高であるし、それに比べて、韓国ウォンの超安いレートは、黙っていても、国際競争力の強化を加速させているのは確かである。それにしてもである、、、、、、、。それらを差し引いても、、、、、、、。ひどい状況であることに変わりはない。ソニーを例にとっても、ニーズなり、シーズなり、それなりに、その昔は、画期的な新しい製品を、作り出すために、市場調査、マーケティング分析し、革新的な技術開発へと、ハード面でも、ソフト面でも、新商品という形で、具現化させていったものである。トランジスタ・ラジオも、ウォークマンも、VTRレコーダーも、CDレコードも、ゲーム機も、液晶テレビも、単なる技術革新だけではないプロジェクトXの「夢への意気込み」や、「新しい未来の技術への挑戦」とかいうものが、技術者による「夢への果てしない挑戦」があったように思えるが、、、、、。今や、工場を持たないファブレス企業のアップルに取って代わられてしまった。まるで、捕鯨産業ではないが、一度、途絶えると、再び、復活させることは、至難の業と同じである。産業、或いは、国の栄枯盛衰・興亡は、世の習いであるが、そんなことも、言っていられない状況である。コンテンツを、商品やネットワークに接続するために、映画やビデオやゲームに、注力した割には、その買収価格に見合った利益が、十分に、生かされていないのが、現状である。どこかの球団を買収したゲーム会社ではないが、「実業の物作りの精神」が失われて、メーカーを踏み台にした、訳の分からぬ、無料と称した詐欺紛いの「虚業のコンテンツ産業」ばかりが、いつのまにか、巨額の利益を貪り、隆盛を極める世の中になるとは、何とも皮肉である。果たして、これが、理想的な成熟社会に向かう途上であると、断言出来るのか?何とも、心許ない限りである。自分の手で、ものつくりをしなくなった人間が、マニュアルを、システムを、果たして、構築できるのであろうか?「ファブレス」という言葉が、一時期、もてはやされたが、本当に、この国は、ファブレスで、やっていけるのだろうか?何やら、イリュージョンに、魅せられたような奇妙奇天烈な時代に、入ってきたような気がしてならない。