にごり酒・・・最後の一杯
私は殆どお酒は呑みません、呑めない訳ではありませんが
呑みたいと思わないのです。
そんな私に、夕食の時Tさんが 「あんたも呑みんさい」 と言って
おちょこグラスに、にごり酒を入れてくれました 「まあ~優しいこと!」
ここのところ毎日の様に、にごり酒を一杯ついではすすめてくれました
毎日すすめるなんて、こんなことはTさんにしては珍しいことなんです。
そしてとうとう、今夜最後の一杯を私が呑みました
実はこの毎日優しそうに 「呑みんさい!」 とすすめたのには訳があるのです。
だいたいTさんは、お酒は、黙って一人で呑む人です。
どうやらこの、にごり酒・・・美味しく無かったようです
美味しいものはいつだって一人で食べて、私が食べようとした時は有りません。
「 取っといて上げたよ! 」 とか 「 食べんさい! 」 とか言ってすすめる時は
それは、美味しく無かった時に言うことばです。
こんなことが40年近くも一緒に暮らしていると・・・笑い話しにこそなっても
腹を立てることも無く、我慢ができるから夫婦は不思議です
まずいお酒が無くなって、Tさん次は美味しいお酒を楽しめることでしょう 。