長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

紅、ふたたび。

2024年12月14日 21時31分07秒 | 近況
 13日の金曜日なので、懸案のスイカを割ることにした。
 雪下の筍…にも等しい珍なる12月の西瓜をどうしたものか…と新たな懊悩の種におびえつつも、甘みが増すかも…と収穫したままの西瓜を天日に干していたらもののはずみで、スイカがころりんすってんてん…と転がって、ベランダの床に落ち、ひびが入ってしまった。
 こんなに可愛らしいものに包丁を入れるなんて…勿体なくて切れない…しかしこのまま西瓜のミイラにするのもしのびなく勿体ない…と無限のモッタイナイの応酬が、有難いことに決着したのである。
 これは天意であろう。

 ずいぶん遠い昔…小学生の頃とっていた学研の科学と学習誌の別冊読み物特集号で読んだのだったか…子どもが海岸で拾ってきた卵ぐらいの丸い石を大切に持っていたが、ある時、屋根に上って「この石は割られたがっているんだ!」と地面に放り投げたら、見事真っ二つに割れて、断面に化石が出現した…という、とある学者先生の短編のエピソードが、ふと、脳裡に蘇った。

 そうなのだ。スイカは割られたがっているのである。
 塩冶判官に遠慮して、やはりここは前日のうちに済ますべきであろう…と躊躇なく包丁で真っ二つ。



 驚いたことに、こんなに小さいのに普通の西瓜と遜色ない大きさの黒い種が出来ていた。
 もっとうらなりの瓜のように白々とした果肉を想定していたのだが、アニハカランヤ。



 まごうことなき西瓜の匂いがして、あの遠くもない灼熱地獄で仏…今夏の甘露のひと時がよみがえる。
 まな板にこぼれた露が甘い。



 国貞だったろうか…西瓜を賽の目に切って供した浮世絵がよぎったが、それほど果肉も無く、ごく普通に櫛切りに。



 手前のギンナンは半田稲荷へ参詣の折頂戴したもの。



 立派な種が八つ、穫れました。
 ふふふふふふ。

 さて、「割れた西瓜に紅を見た…」木枯し紋次郎のサブタイトルになりそうな、まだ暮れないでほしい…片づけに着手する間もなくお正月の支度も出来ないのに…という庵主の気持ちを酌んでか、最後の紅だと思っていた百日草が、またもや、赤い花を咲かせました。



 ちなみにこちらは、先日記事にいたしましたその後の最後の紅↓



 暮れてもなお咲き誇る(単に花柄を摘んでいない…園芸の先生に怒られそうなmy花園…)ジニアなのか、はたまた百八十日草なのか…手摺り際の百日草たち。


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スイカの収穫

2024年12月08日 16時18分39秒 | ベランダ実記
 自分でも訳の分からない状況なので、気を静めるために客観的作業である文章というものをしたためてみむ…と致しまするに、
 先程、うちのベランダで西瓜がとれました。



 きのうは二十四節気のうち大雪でありました。
 この秋口に突如、甘夏の棒苗を一株購入する成り行きになり(この顛末は後日…)、ちょうどよい鉢が無く、根方が土から少々はみだし、上方の根が空気に曝されたままになっておりましたのが、とても気に懸かっておりました…しかし、哀しいかな…季節労働者的演奏会&行事シーズンはshow must go on的に進みます…
 
 ふと、懸案事項の甘夏を植え替えなければ…と思い立ち、鉢を新たに買いに行っている暇がなければ、手持ちの鉢植えで代替できるものはないか…と、ロケットの損傷を積み荷内の別な器具や道具で修理し、乗組員を無事生還させたアポロ13の映画の1シーンが想い浮かんだのです。

 …そこで、実生3年目でありながら、若干大きめの鉢にて育成中のレモン苗(ゆりかご荘の一つ)と、鉢を交換しようと思い付きました。
 その作業は無事済んで……更に、実生のレモンの苗で、ふた粒が密接に生えて、想夫恋や玄宗皇帝と楊貴妃を詠った詩…連理の枝のように育っている鉢へ思いが及び、さてシャム双生児の手術を決断する時が来た…と掘り起こしてみましたら、根が別々に生えており無理なく分けることが出来ましたので、無事に空いていた小振りの植木鉢へ、おのおのを。
 …しかし、何という事、ここへ来て土が足りないことに気がつきました。

 ふたたびNASA地上スタッフの出番です。
 …そうだ、この9月、酔狂にスイカの種を植えてみたプランターに、今は枯れてしまったけれど、余分な土が、あったではないの…!!

 というわけで、ハスラーの手になる撞球の玉の如く、ほぼ奇跡的な顛末ながらもベランダの外界との際の、レモンの鉢の向こう側に捨て置かれておりましたプランターをよっこらしょ、と持ち上げてみましたところ、ゴトン…と、手摺りの向こう側で鈍い音がしました。
 一体何が…そんな錘のようなもの置いてあったのだろうか…鳥が何か運んできたのかしら…
 と、恐る恐る、レモンの向こう側を覗いてみましたら…丸い瓜のようなものが。





 夏も終わって、あだに黄色い花が咲いた…とばかり思っておりましたが、立派に結実していたのでした。
 大きさは、現在生育中のレモンの実よりちょと小さいぐらいです。



 蔓が枯れなければもっと育っていたのかも。
 しかし、植物とはなんと健気なものでしょう。
 負けずにお稽古に励まなくては…

 西瓜を育てたプランターの土を流用するのも申し訳ない気も致しましたが、檸檬にいのちを繋ごうと、二株に分かれた新・ヴィラゆりかごも誕生し、せわしない12月の初旬に暫し、清々しさを補充したのでした。

【追記】
気まぐれに蒔いた西瓜の種から芽が出て花が咲いたのは、いつ頃だったのか…
撮り溜めていた写真を調べてみましたら、
いくつか咲いた花も、終わり際になっていたのを
最後に撮影したのは10月5日のことでした。



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落ち葉

2024年12月04日 16時24分08秒 | 折々の情景
今朝がた、柿の葉鮨にできそうな立派な落ち葉が三枚。
大きさ比較に柿の種を置くのが本筋であろう…と思いましたが、生憎、手元不如意につき、胡桃(クルミ)とアーモンドを添えてみました。

葉っぱが全部落ちたら、棒杭のようになってしまうのかなぁ…と柿の苗の行く末を案じておりましたところ、何と…(*>∀<*)



拡大写真↓



苗から枝分かれした葉っぱが新たに育っていたのでした。
…と言うわけで、柿の苗から柿の木にGrowing upした、血色のよい柿の木の近況ご報告まで。
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最後の紅

2024年11月29日 12時00分43秒 | 折々の情景
さて、当方のささやかな庭には、レモンの鉢植ばかり12本(全てアゲハチョウの食用)、それに付随する実生の檸檬苗数鉢、八朔、甘夏、2年目の柿…など、植木ばかりなのですが、
今年は羽化不全のアゲハチョウ対策として…人工受餌も可哀想だし此方も切ない思いを致しますので、香華の意味合いもあって、夏前に色物を購入したのでした。

園芸店の店先で、はて、どのような花が蝶たちの好みであろう…と暫し佇んでおりましたところ、1頭のシジミチョウがひらひらひら…と、花に戯れ舞い遊びながらお食事を。
そんなわけで飛ぶ蝶に教えられ、カムパニュラとジニア(百日草)ともう1つ…初めて知るスカエボラ タッチという半円状の、扇を広げたような形の花が増えました。


↑今夏7月13日撮影の、スカエボラに揚羽蝶。

思いつきで9月も末に食した後の種を蒔いたスイカの苗も、立派な蔓を伸ばし花を咲かせるまでに育っていたのですが、季節の移り変わりには如何ともし難く、十日夜(とおかんや)過ぎには…柴田是真の画題になりそうな風情をしのばせながら立ち枯れてしまいました、その庭の片隅に、百日草との名にたがわず、150日ほども次々と花を咲かせていたのが、表題の写真です。

同朋は緑っぽい白茶けたスモーキーな色合いだったのですが、ひときわ鮮やかな。
今季、最後の紅(くれない)。

かたや、



ビアフランカ種に1つだけ、レモンなのにこれまた丸い、西王母のような檸檬が実りました。
今日もよいお天気です。

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常磐の庭(ときわのにわ)

2024年11月25日 09時05分00秒 | お知らせ
常磐なる当家のレモン樹の消息をお伝えしたい…と思いながら諸事情あってノートパソコンが開けず(またもや怪しのインターネット…( ω-、)) ……

幼虫たちも冬眠に入り、すっかり静かになったベランダの我が庭にお水を遣りに参りますと、柿の苗の葉が一ひら…

この柿の苗(木と呼ぶには小さい)は、ちょうど去年の秋の日、食した柿の種が余りに立派だったので、ふと植えてみた6粒のうち、生き残った一人なのです。

レモンは常緑樹ですが、柿の木は落葉樹ゆえ、黄葉したのでした。
昨冬はそれに気づかず、双葉の頃からずいぶん気を揉んでいた私でした。
夏には朝夕お水を上げても葉っぱがしんなりと萎れるときもあって、おやおや、柿の木はレモンよりも水が大層必要なのだ、とビックリしたものです。

果樹の指南書に、柿は水切れに弱いので、乾燥防止の為に冬場は根方に藁を敷きましょう、と有ったのですが、悲しいかな、現代日本。藁が無いならおが屑を敷けばいいじゃない?(ホントかな…)と思い付き、過日頂戴したユリ根の梱包材を取っておいたのを、敷いてみました。

さて、今週木曜日の夜、渋谷の伝承ホールにて、第14回を迎えます伝統長唄伝承の会、演奏会がございます。
有難いことに、私もお教えを賜りまして、十世 杵屋六左衛門 作曲 『常磐の庭』に出演致します。

この曲は、お能でいえば『融』のような、作庭に命を懸けた大河内伝次郎のような、ガーデニング好きには堪らなく愉しく美しい曲です。
名曲のフレーズも断片的に織り込まれていて、名物裂の切り嵌めのような手練れによるパッチワークの如き造りでもあります。

江戸時代にはお浜御殿(現・浜離宮庭園)のお隣に在った、藝州広島潘の下屋敷のお庭を眺めつつ、嘉永四(1851)年のその当時日本国内に存在した、作詞者が好ましいと感じた様々な名景勝の情景に喩えたり、思い起こしたりしながら(歌舞伎舞踊『汐汲』や子持ち山姥を連想する詞章も散見します)を詩情溢れる歌詞で綴ります。
日本の風土の美しさが殊更に感じられる、四季折々の情景を描いた女性的な曲です。

お時間かないましたらお越し下さいませ。
鋭意、お稽古中です。
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二日続けて御目文字仕りまする

2024年10月06日 17時38分25秒 | お知らせ
風流の国に生まれながらも、うたごころを忘れてしまいそうな苛烈な炎熱の天気が続きまして…
それでも新暦10月の声を聞きましたら、ようようしのぎやすくなって参りました。

さて、令和6年の当・杵徳社中、秋季演奏会シーズンは、ギュッと凝縮されまして、

10月19日(土)13時よりの世田谷区民総合文化祭@成城ホールにて
    長唄『俄獅子/にわかじし』

10月20日(日)13時よりの武蔵野邦楽連盟@武蔵野公会堂にて
    長唄『七福神/しちふくじん』『五郎時致/ごろうときむね』『俄獅子/にわかじし』

の、場所を違えまして2日間連続にて相勤め申し候。

ご来場をお待ち申しております。

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緑になるまで

2024年08月28日 23時45分26秒 | ベランダ実記
 昨夏の我がレモンの庭では、青虫に寄生する生物の魔手からの防衛対策が主眼となっていたのですが、酷暑に喘ぐ今年は、新たなる災厄がアゲハチョウたちを襲っていました。
 暴風や豪雨から生き延び蛹化したものの、もうすぐ羽化する様子を見せながら、眠りから覚めないサナギが多数発生する状況となったのが令和6年の八月でした。
 さながら『猿の惑星』などの20世紀のSF映画で、宇宙船がどこかの惑星に漂着するも、睡眠装置の故障で目覚められなかった宇宙飛行士たちのように…
 この“かえらぬサナギ”問題は、レモンの国の森番の心象に暗い影を落としたのですが、一方で、無垢なる幼児たちは炎熱地獄をものともせず、葉陰で一心に檸檬樹を蚕食するさまは、また、森番の心に、ひと時の安らぎを齎してもいたのでした。

8/15 人間の鬱屈をよそに、今日もアゲハチョウのお母さんたちの来訪で賑わうレモン林に散在する、ゆりかご荘に産み付けられた瑞々しい卵を発見したのは、79年目の終戦の日のことでした。(表題写真)

8/17 7:10AM 卵が褐色みを帯びてきました↓


同日 12:39 孵化しました↓


8/18 7:14 お食事に出掛けました↓



同日 9:04 生まれた場所が彼の寝床のようで、いつもの場所に戻っていました↓


8/19 8:44 二齢幼虫に脱皮↓


8/20 7:05 食欲旺盛。


8/21 7:26 トゲトゲ虫(三齢幼虫)に進化↓


8/22 8:40 恰幅がよくなる↓


8/23 9:48 おそらく四齢幼虫に↓


8/24 8:19 だいぶ大きくなりました。


同日 16:29 いつもの場所で大人しく↓


8/25 8:15 居続け↓


8/26 7:51 地色がやや緑に↓


同日 9:31 終齢幼虫(アオムシ)に脱皮しました。



同日 17:27 青虫生活の始まり。


8/27 7:36 ゆりかご荘から大きい枝葉のラフマイヤー南荘へ、自主的引っ越し計画推進中。


8/28 6:55 昨晩お引越し完了。新居にて。



 雨に濡れて、空き店(だな)となった、みどりちゃんになるまでの育ての親。


 だいぶ脛(葉ですが)を齧られました。
 蝉の声もやみて吹きくる風に、秋だなぁ…と、つるべ落とし。
 
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お暑うございます

2024年08月07日 11時59分19秒 | 折々の情景
暑さに耐えかねトホンとしてベランダに出でてみれば、ひらひらひら…と舞い遊ぶ蝶が一匹。



我が庵に寄宿なされしアゲハチョウが、母蝶となって再来した模様。





暫くの間、旧居を懐かしみ一頻りパタパタとベランダを游弋しておりました。









今日は立秋。
一昨夕から秋の虫の音も聴こえて、季節の移ろいは早いものです。
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夏色に染まる

2024年08月02日 00時23分28秒 | 近況
昼過ぎに外出先での用事が済んだ。
これ幸いと、早く帰って懸案事項を片付けたいのは山々だが、炎天下の熱風に吹かれて家路を辿るのに臆した。
駅ビルで涼もうか…夏物のセールでも覗いてみるか…いや、映画館で日暮れまで酷暑をやり過ごす手もあるぞ……

7月の初旬、余りにも暑いので、35年ぶりにバッサリ髪の毛を切ってもらった。
鏡の中の私は妙に懐かしく、百年ぶりに昔の自分に逢ったような気がした。



…この顔は……そうだ、ジブリの『おもひでぽろぽろ』のタエ子ちゃんでは…
何より、髪を結う作業から解放されたのが堪らなく爽快であった。
それから暫くして、犬神家の一族の草笛光子演じる三女梅子の髪型にも似てきたので、更に着る物の断捨離を挙行して身も心もサッパリと真人間、還暦過ぎの刀自に相応しい風体になるべく心掛けてみたのだが、どうも当節のアパレル業界のラインナップがしっくり来ない。

そこでふと、吉祥寺駅ビル上階のユザワヤに立ち寄り、染色コーナーで染め粉を入手。
もう二十年以前に求めた夏のカーディガンが、甘いペールブルーで最早着られない色合いだったのを、ものが良いので捨てられずに持っていたのだった。これをどうにか色揚げして、生ける衣に出来ぬものか。



何と懐かしいみやこ染め。
昭和の頃聞いたきりの固有名詞に廻りあえる歓び。
説明書通りに、粛々と手順を追ってゆく。
染め粉を溶いてカーディガンを溶液に漬け込み、待つこと30分。ぬるま湯と水で濯いで色止めの溶液に20分。脱水して干す。
思い掛けず、心地よい夏色に染まった。

思えば、染色作業に勤しむのは、小学校だったか中学校だったかすっかり忘れてしまったが、家庭科の授業でろうけつ染めをして以来だから、まさしく50年ぶりのこと。
自分の手でこんなに簡単に染め替えが出来るとは、有難いことである。

そんなわけで、酷暑を凌ぐには、注意深く神経を傾注しつつ没頭できる、何かしらの手作業が最適なことが判明。
むかし名画座で観た成瀬巳喜男監督の『おかあさん』では、家業のクリーニング屋さんで帽子の染め替えを請け負っていたっけ…と、髪型ひとつでおのが記憶のタイムラインを縦横に往き来する、令和6年夏、極熱地獄の一日。

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今夏、下北沢で…湖龍斎展@武蔵屋画廊

2024年06月26日 13時37分11秒 | お知らせ
お暑うございます。
昨日、初日を迎えました。
ご来場の皆さま、ありがとうございます。

浮世絵好きの方々にも、あまり耳慣れない、マニア向けの企画、礒田湖龍斎の作品をおたのしみ頂きながら、三味線の音色や、日本の古文の表現力の深さに廻り逢うひとときをお過ごし下さいませ。





すぐりと白い紫陽花、野イチゴの葉っぱがお迎え致します。
いけ込みは、東石川小学校五年五組、生け花クラブ、小林麻里さん。



ライブは鍾馗様の御前にて、そよそよと爽やかにお届けしております。
長唄の番組は、湖龍斎の深川八景シリーズにちなみまして「巽八景」、ダイジェスト版の「廓丹前」、「吾妻八景」
謡曲は「班女」クセ、「江口」キリ、「花月」小歌などを日替りで演じます。

曇り空のお出掛けに、暫しお立ち寄りくださいませ。
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見て聞いて愉しむ浮世絵展@下北沢を開催します

2024年06月16日 07時16分16秒 | お知らせ
昨年9月に開催しましてご好評賜りました、
横山實先生の浮世絵コレクション展。
昨年の鈴木春信から、今回は、彼の次世代である、
多彩な浮世絵を遺した礒田湖龍斎/いそだ・こりゅうさい
の特集をご覧いただきます。

伝統芸能に携わる若手の勉強会として
コラボライブも同時開催いたします。

会期は、6月25日(火)から30日(日)
場所は、下北沢の武蔵屋画廊さまにて。
連日、午前11時から夜7時まで、開廊しております。
ご観覧は無料です。

連日、昼下りの2時と夕方5時から
日や時間替りで、作品世界に関連する
長唄と謡曲のライブを上演しました後、
横山先生の解説をお聴き頂けます。

詳細は追ってお知らせいたします。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

フライヤーの浮世絵は、
『青楼藝子俄狂言尽/せいろう・げいこ・にわか・きょうげん・づくし』by礒田湖龍斎
毎年八月に開催される吉原の祭礼・俄での演し物の一つを描いたもの。
相撲の力士、行司に扮装した仕手の、しぐさや拵えの細部にわたっての意匠も見事です。
おたのしみに‼️ (*>∀<*)



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旧暦五月五日に生まれて…(三つ子の話)

2024年06月13日 00時55分15秒 | ベランダ実記
令和6年6月6日をうっかり遣り過してしまった。
これはホラーファンとしては失態である…と、トクオウは臍を嚙んだ。
(そうじゃないだろ、邦楽家として別な記念日があるでしょ!との𠮟責は扨措き)

決してへこたれない逆境好きな私としては、このところハマっている新作華ドラ「始皇帝 天下統一/原題:大秦賦」での秘策ありの呂不韋の如くニヤリとして…
今年の6月10日は、旧暦に換算いたしますれば令和六年五月五日…なんと端午の節句であり、そればかりか入梅にもあたるのだ。
(ここで申す入梅とは、気象用語としての梅雨入りのことではなく、雑節の一つ、五月に入って最初の壬/みずのえの日のことを言うとかや)

そして何とパーフェクトなことに、雨降る月曜日だったのが、この二〇二四年にして旧暦の皐月五日だったのだ。
昨晩、やや黒みを帯びてきた気儘な場所でサナギになっていた当人を窺えば…
同日あさ7時半


2時間後の9時半、さらに摺墨の如く…


そして10時。


もうすぐ蛹からバリバリバリっと新たな生命体が誕生しそうな薄皮一枚の状態なのだが…
見るたび少し変わったような気もしながら全然変わらないので、手持ち無沙汰の余り、ほかの蛹に目を遣れば、なんとこちらも虫がかぶっているような…


反対方向からの数時間後。


コロナ禍下であれば兎も角も、そうそう揚羽蝶ラプソディーな状況にもいられない。
持つべきものは固定三脚&撮影機。
…そんなわけで苦節何年か、やっと、安定画像にて羽化の瞬間を捉えることが出来ました。
ご覧くださいませ。

吃驚したのは、口吻がプラモデルの型の如く、長いままでサナギの中に在ったこと。
羽化したての成虫が、いつもクルクルクルっと巻いたり伸ばしたりしてたのは、支障がないかの確認作業だったのだ。
そして管は二本存在していて、先が二股に分かれているのではなく…

荒天で肌寒い月曜日に待つこと5時間。
午後3時にようやく羽化したのだった。







摑まりづらいところに30分ほども止まっていたので、脚がお疲れになったのでしょう、3本目を2本目に掛けて休んでいる様子。



お節介かもとも思ったが、こちらも落ち着かないので落ち着く場所へご案内。



やっとホッとして、我も仕事に没入。
さて、所用にて出かける時間になった1時間後、お別れを申さんとベランダへのサッシをガラガラガラっと開けると、ガラス戸に別人がへばりついていて、バタバタバタっと、慌てふためき飛び上る…思い掛けない展開に私もビックリ。
取って喰うわけでもあるまいに、そんなに警戒しなくても…と、こちらが気の毒に思うほど、まだ羽化したてでよく飛べないので、アタフタ低空飛行のまま、簀の子の下の床下に潜行。
何処のサナギの子だったかは不明。



仕方ないからほっとくことにして、ぁぁそうだ、ユーレカ新荘に目を移せば、こっちも既に羽化している…



三者三様の羽化その後。
一日のうちにアゲハチョウ三頭が無事羽化し、おおそうだ…これは過日、転宅記事にてご紹介申し上げた、ゆりかごヴィラからユーレカ新荘に自主引っ越ししてきた三匹のツワモノどもだったのでは!と、気がついた次第。

標題写真は、羽化直前の蛹を上方から。
ピラミッドに副葬された黒猫にも似て。

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with a little bit of luck!(運よき男の話)

2024年06月09日 06時35分40秒 | 折々の情景
彼は運のよい奴なのです。
それは土曜日の朝のこと、ずいぶんと黒くなって羽化も間もないと思われるベランダの蛹を訪うこと幾たびか…9時半を回り10時近くなって、再々ながらふと見ると、黒い頭がムクムクと殻を抜け出すところでした。
すわ、撮影を…と室内に戻りおっ取りスマフォを手に駆けつけてみると、アニハカランヤ(変換できませんね…)何とどこにも見当たらず、正にもぬけの殻の脱けがらだけが取り残されておりました。



あまりに拍子抜けして間の抜けたことに鼻白んで、一体どうしたことか…と呆然と暫し佇んでいたものの、ひょっとして…と、テーブル下に雑然と積まれた園芸道具を周章てて取り除けると、床下の泥濘にペチャリコンと白いお腹を見せて仰けに転がっているものがおりました。
翅はまだクシャクシャで何か別な虫のようで、固まって動かない様子に、もう息絶えたのだろうかと、ぎょっとしつつも中空に突き出した脚に指を近づけてみると、必死に掴まってきます…

どうなることかと案じておりましたが、そのまま指にぶら下げておりましたら何とか翅も伸びてきたので、彼の将来を担う重責から私も解放されたい…と、彼が埴生の宿たる第一マイヤー荘へ。



今季はじめて、幼虫からの一期生一番手を見送りたかったのですが、私も渡世のため午前中に棲み処を後にしなくてはなりません。
気をつけて行ってらっしゃいね、変な虫や鳥に食べられないように気をつけるんですよ…と声をかけた私が見た彼の最後の姿が、



わずかな間にすっかり大人の顔をして、一人で大きくなったような風情ではありますまいか。
羽化する瞬間を私に目撃されていなければ、ひょっとすると羽化不全で儚くなってしまっていたかもしれない…
いのちの分かれ道はほんのちょっとしたところが、ターニングポイント。
…してみると、彼は本当に運がよい蝶々だったのです。

翌朝、無闇と早く目が覚めてしまいました。
小鳥たちの囀りがあまりに朗らかで、高原の避暑地に来た気分さえする日曜の朝5時前です。
風と共に去った運のよいヤツに、ばったり再会出来ないものかと久しぶりにお隣の公園へ。





植栽が変わっていないようで変わっていて、なるほど流れる川の水は同じように見えて同じでないように、生えている草々も、緑色の濃い薄いがあるだけでなく、種類までもが違っているのです。宿根草は必ずしも永遠ならず…
中国の古典籍のような名前の草に往き遇いました。(…あれはセンゴクサク(;^ω^)ゝ



しかし、それにつけても今年はどうしたことか、虫一匹も見当たりません。
ジョギングをするでもなくふらふらと朝歩く人が、私のほかにも意外と多いのは驚きでしたが、昆虫の姿が見えない…
池の水面をアメンボが…そしてトンボが数匹。
以前はもっと蝶や蛾やガガンボのようなものが舞い、カイツブリの雛が雨に濡れた石積み際をヨタヨタ彷徨してたりして、それなりに生き物と自然の在りようが面白い場所だったのですが…

ここ何年か、東京都内の公園に改造の手が伸びて、樹齢何百年もの惜しい大木だけでなく、井の頭公園の御殿山雑木林の灌木や下草が随分きっぱりと払われてしまいましたが、以前そこを生息地としていた虫たちへの影響が、今、眼に見える現象として顕れているのかも知れません。



小学生の頃、愛読書だった福音館書店の大草原の小さな家シリーズの、プラムクリークの土手で…という本のタイトルがふいに浮かび、同時期に流行ったホリーホビーというアーリーアメリカン調ボンネットスタイルのキャラクターを想い出しました。

あの運がよい、昨日飛び立っていった我が家のアゲハチョウは、果たして運よく伴侶に廻り合えるのでしょうか…
昆虫の居ない街で……
何やら寂しい鈍色の景色です。


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ちびと青

2024年06月08日 07時59分07秒 | 近況
飛べぬ人間でもバタバタする事があって、しみじみと植木の世話をすることも侭ならぬ。







葉陰で羽化を待つものも居るが、気儘な場所で蛹になったものもいる。





彼の出立を見送れればよいのだけれど。
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ただ有難しと伏し拝み…むさしのFM

2024年05月28日 01時53分15秒 | 近況
 やや荒天の月曜日、地元のラジオ局・むさしのエフエム様へ。
 パーソナリティーの松野こうき様の番組へお邪魔しまして、有難いことに、しばし、現在過去未来…の活動状況のお話をさせて頂きました。
 録音が同番組のサイトにアップされていますので、是非お聴きくださいませ。
 
むさしのFM (musashino-fm.co.jp)
【武蔵野市民芸術文化協会からの出演 「聞いてみよう」のコーナー 】
https://www.musashino-fm.co.jp/program_tax/geibun/

 番組中にご紹介させていただいた情報の仔細は、当ブログにて後日お伝えいたします。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
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