長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

詰めなきゃ!

2010年06月27日 13時50分51秒 | お稽古
 ……シュート!
 しかし敵もさる者、ゴールキーパーのブロックに阻まれ、あえなくボールはペナルティエリアをころころ転がっていく…二の矢を放て! …しかし、あぁ、ボールの周りは、ディフェンダーばかりで、寄せ手の選手はシュートした本人しかいない。
 そんなとき思う。「詰めなきゃ!」

 ゴール前で猟犬のようにウロウロして、千載一遇のチャンスを逃さず、こぼれたボールを見事に決め込む選手がいる。こんなとき、イタリアはミランのピッポ・インザギくんなら、すかさずモノにしていただろうになぁ…。
 一発で決められない、いざという時のために、援護射撃をする選手が常に控えていなくちゃ。
 単騎じゃ攻めは続きませんョ。

 …こう思えるのは傍目八目、遠隔地から俯瞰しているからである。まったく、当事者じゃないものは何だって無責任に言うものだから、かまびすしいことこの上ない。

 ある日のお稽古。
 勘所が決まらずに、どうもイマイチな音色になっているお弟子さんに。
 「詰めなきゃ」。
 …いえいえ、指を詰めて落とし前つけろ、と言っているわけじゃありません。指の間隔を詰めなさい、と言っているのですョ。さらに、音に対する感覚もつめること。

 息をつめて演奏する。…わが師の教えである。
 音色はデリケートなもので、ほんのちょっとした違いで極上のメロディが生み出せるか、無神経な音の連なりになるのかが決まる。

 将棋もそうなのでしょうね…。
 なんでも「詰め」、これが重要ですなあ。
コメント
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