灯台に灯りが灯るころ…と書いても、不思議とくどく感じないのはなぜでしょう。
(単に私が燈台好きなせい?)
♪夕日が浦に 秋寂びて 磯辺に寄する とどろ浪
岩に砕けて 裂けて散る 水の行方の 悠々と…(by 坪内逍遥『新曲浦島』)
♪錦繡のとばり 暮れゆく中空に
誰が釣り舟の 玻璃の燈し火 白々と
♪裾の紫 色褪せて また染め変わる 空模様
あれ いつの間に一つ星
雲の真袖の ほころび見せて 斑(むら)曇り 変わるは 秋の空の癖
しづ心なき風雲や
なんという、逍遥博士の名文でしょう…
さてこちらは、灯がともるつい三十分前の、同景南総の秋の夕暮れ。
黄昏の国でもあった十月には珍しく、週末に台風の襲来が続きました。
荒天にもかかわらずご来場くださった皆様に厚く御礼申し上げます。
ありがとうございます。