長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

divorce!

2019年03月18日 09時39分58秒 | お知らせ
「彼岸やがな…」
 昭和の終わりごろ、吉祥寺パルコの地下2階は本屋さんでした。
 下りエスカレーターで書店に着くと、右手奥が芸術本関連コーナーで、落語の本もその辺りの棚にありました。
 昭和60年前後でしたでしょうかねぇ…六代目笑福亭松鶴の口演がエンドレスで流されていたのが、その場所だったのです。
 当時、企画CDだったか、テープが売り出し中だったのでしょう、あのダミ声がなつかしい。

 今はもう無くなってしまった吉祥寺名物の映画館にバウスシアターというのがありまして、何度映画を見に行ったか知れません。
 スクリーンが三つあって、メイン館のバウス1ではお隣町に住んでらした春風亭柳昇師匠(現在飛ぶ鳥を落とす勢いの昇太さんの師匠ですね)のバウスシアター寄席がありました。これまた今は無くなってしまったサンロードの古本屋さんにポスターが貼り出してあったのが、今も目に浮かびます。

 吉祥寺の街に新しく映画館が出来た!!というので、遅ればせながら様子を見てまいりましたのがもう先月のこと、吉祥寺パルコの地下2階です。渋谷の個性的な映画館、アップリンクシアターの姉妹館らしい。
 渋谷のアップリンクシアターへは映画も観に行きましたが、松濤に観世能楽堂があったころ、休憩時間にダーーーーツと神南方面へ坂を下りて行って、1階の食堂で一番早いクスクスのランチを食することが多かったのです。
 これまた懐かしい……私にとっては平成年間の出来事でした。
   
 そんなわけで新しい映画館が出来たのはうれしいけれども、昭和のパルコ文化発信基地・吉祥寺支部が無くなってしまったことを、思い知らされ、ぁぁ、こっちのシマは画材店だったのに…と、記憶の抜け殻をあとにして、悲しい気持ちでエスカレーターで上りました。 

 さて、キリが無いのでお知らせです。
 予てより工事中でした下北沢の駅舎がほぼ完成し、な、な、なんと!!!!
 小田急線と井の頭線の改札が別々になりました。

 工事中、日ごとに変わる右側通行、左側通行。ラッシュ時間でもないのにやたらと混雑してしまう人ごみに紛れ、水族館の遊泳魚の群れに一体化するように進行せねば歩けない、あたしゃー鯵ですか…と日々切実な通勤路を切り抜けて、その疲労困憊たるやいかばかり、工事作業の皆さまがたもさぞや御心を砕いていらしたであろうと思われる、ここ何年も、あの混乱の極みだった下北沢駅に、ついに、この日がやってきたのです!

 そんなわけで、長唄杵徳会下北沢稽古場へは、小田急線ご利用の方は東口、井の頭線ご利用の方は中央口を、目指してお越しになってくださいませ。ホームページのご案内地図が後手後手で申し訳なく存じます。
 本多劇場・マルシェ入り口が近道です。
 (「抜けられます」の看板はありません)

 あの混迷の工事中騒動から解放され、この土曜日のお稽古はどれだけ清々したか、言葉に尽くせませんが、20世紀青少年の悲しきサガ、記憶の抜け殻の下北沢駅を惜しまずにはいられない、この彼岸の入りだったり致します。

 
コメント
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