長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

梅花、照星に似たり

2024年02月17日 00時54分25秒 | 折々の情景
一日、一日と過ごしているうちに、年が改まってしまった。
2024年2月10日は、月暦の令和六年正月朔日、元日であった。
新暦の年末、常に懸案事項であった稽古場の模様替えに着手し、蔵書の整理に手を伸ばして以来、旧暦の新年を迎える今日に至っても、いまだ志し成らず、作業進行中なのである。



中学校への三味線授業の帰り道、谷保の天神さまを詣った。
だらだら坂の参道をのぼると冬木立の合間に、白い星々を頂く樹々が見えた。
ぉぉ、何と嬉しいこと…梅が咲いている。

梅林に走り寄りたい気持ちを抑え、ここは菅原道真公へ先に御詣りするのが筋であろう…と本社へ。





阿吽の狛犬さんの奉納年代は、苔むし細石の赴きさえ生じた台座から読み取るのは最早ムリであったが、霊長万物に対する不変の情愛は感じ取れた。





梅が枝に見とれていると、枝を透かした先の青空に三日月が浮かんでいる。
今日は人日、正月七日であるから、七日月である。















殆ど幹が枯れて表皮一枚でつながっている腰の折れた老木があった。
ぐるりと回ってみると、一枝が伸びていて、まだ盛んに花を着けている。



花びらが円くなく、しべが長いこの梅は何と言う名なのであろう。
忙中閑あり…暫し花の下に佇み、時の移ろいに往く諸事を偲んだ。

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