組織の持続可能性は
アリの生態から、組織の持続可能性を考えるサイエンスカフェ札幌「働き方にもいろいろアリ」が31日、札幌市中央区の紀伊国屋書店札幌本店で開かれた。北大大学院農学研究院の長谷川英祐准教授が、「全ての個体が動くより、働かないアリがいた方が組織が長く存続する」と説明した。
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働き過ぎを回避
北大科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)の主催。科学への考察を深めてほしいと2005年から開催している。今回は、市民ら約140人が参加した。
長谷川准教授によると、アリの集団には、ほとんど働かない個体が常に2~3割いるという。仕事に対する「腰の軽さ」が個体によって異なるためという。全員が働き過ぎで働けなくなるリスクを回避し、コロニーが長続きすると述べた。
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使い捨てで経営難
講演では、生物の進化について「短期的に増えるだけでは生き残れない」とした上で、企業活動を生物になぞらえ、「社員を使い捨てても短期的利益を求めるブラック企業は、次々と経営難に陥っている」と
ブラック企業が存続できない理由 働かないアリも大切 北大・長谷川准教授がサイエンスカフェ