日向さんは今年52歳。前回の東京五輪の年に仙台市に生まれた。東北大学工学部を卒業して大手銀行に就職。その後、大手外資系金融機関に転職し、当時、花形業務だったストラクチャリング(金融商品開発)を担当した。ワインとの出合いもそのころ。仕事柄、接待を受けることが多かった。取引先に美味しいワインを飲ませてもらううちにワインの魅力にとりつかれ、自分でもワインを勉強するように。いつしかワインが趣味となり、2005年、日本ソムリエ協会認定のワインエキスパートの資格も取得した。
そんな日向さんの右肩上がりのキャリアに、大きな転機が訪れる。2008年のリーマン・ショックだ。100年に一度と言われた世界的金融危機の影響で、日本でも当局がデリバティブなど金融取引に対する監視を強化。そのあおりを受け、ストラクチャリング業務も縮小を余儀なくされた。
ストラクチャリング部長だった日向さんに、会社の幹部から、経費削減のため部下を切るよう、繰り返し命令が下った。その都度、仕方なく命令に応じた日向さん。しかし、2011年、今度は日向さん自身が退職勧奨の対象となる。事実上の解雇通告だ。
第2の人生は好きなワインを
ワイナリー続々、主役は個人
そんな日向さんの右肩上がりのキャリアに、大きな転機が訪れる。2008年のリーマン・ショックだ。100年に一度と言われた世界的金融危機の影響で、日本でも当局がデリバティブなど金融取引に対する監視を強化。そのあおりを受け、ストラクチャリング業務も縮小を余儀なくされた。
ストラクチャリング部長だった日向さんに、会社の幹部から、経費削減のため部下を切るよう、繰り返し命令が下った。その都度、仕方なく命令に応じた日向さん。しかし、2011年、今度は日向さん自身が退職勧奨の対象となる。事実上の解雇通告だ。
第2の人生は好きなワインを
ワイナリー続々、主役は個人