五年前の今日仙台の実家におりました。
地震を感じすぐに外に出ましたが、立つ事が出来ませんでした。
目の前の電信柱が激しく揺れ倒れてきたらもう終わりだと覚悟もしました。
夜は避難所で過ごしました。
その体育館にピアノがありました。
いま自分にできる事は?と思い、避難所にいる沢山の方のためにピアノを弾こうと思いました。
弾くことはとても出来ませんでした。
沢山のの方が、その家族、知り合い、様々な方々と必死に連絡を取ろうと電話をしておりました。
手持ちのテレビ放送を見ることができるもので状況確認をしている方、ラジオを聴いて状況を把握しようとしている方、様々な条件の中で必死に音で連絡、状況把握を試みている方がいる中で、音楽を奏でようと言う気持ちにはなれませんでした。
上手く説明できないのですが、これはおそらくその場にいなければわからないことかも知れません・・・
その時、本当に音楽でなにが出来るのかをとても考えさせられました。
その一ヶ月後のある日、いまこそ音楽で何かできる事があるのではないかと思う日がきました。
憑かれたように様々な避難所を中心に演奏に参りました。
60回以上お伺いしたのではないかと思います。
この写真はその最初の日の写真です。
避難所の皆さんに何をお話ししたら良いか本当にことばが出ませんでしたが「いま私たちにできることは音楽で祈るという事しかできませんが、皆さんと音楽で祈る事が出来れば・・・と思い、演奏させて頂きます」と言ってアメイジンググレイスを演奏したのを覚えております。
ヴァイオリ二ストの神谷未穂さん、旦那様のエマニュエル・ジラールさんと演奏しました。
ヤマハミュージック東北の店頭、名取市文化会館ロビーでの写真です。
ロビーには沢山の被災され家を失ったた方々がいらっしゃいました。
それから「音楽」とは何かと改めて考えさせられました。
この時から私の音楽についての考え方が大きく変わったとおもいます。
1日も早く復興する事を願います。
また被災して大切な命を奪われた方々に対してご冥福をお祈り致します。
様々な想いを胸に、心を込めて演奏して行きたいと思います。
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