台風なやつ
つわものどもが夢の跡。
朝早くから夜遅くまで仕事に集中していたので、台風が猛威をふるっていることを知るよしもなかった。
仕事が終わり、会社から出ると、雨はやんでいたが、強い疾風が吹いていた。それは猛威の余韻だった。峠はすぎても、我が強きことを知らしめるためなのか。
電車がほぼ全線運転を見合わせていたが、私が乗車する電車は、なんとか動いていた。影響はなかったが、それでも30分以上は待たされた。
帰り道、私は長い傘をフェンシングの剣のように持ちかえて、漂っている雲の間に見える、夜空の星に向かって突いていた。
私ができる唯一の抵抗だった。
つわものどもが夢の跡。
朝早くから夜遅くまで仕事に集中していたので、台風が猛威をふるっていることを知るよしもなかった。
仕事が終わり、会社から出ると、雨はやんでいたが、強い疾風が吹いていた。それは猛威の余韻だった。峠はすぎても、我が強きことを知らしめるためなのか。
電車がほぼ全線運転を見合わせていたが、私が乗車する電車は、なんとか動いていた。影響はなかったが、それでも30分以上は待たされた。
帰り道、私は長い傘をフェンシングの剣のように持ちかえて、漂っている雲の間に見える、夜空の星に向かって突いていた。
私ができる唯一の抵抗だった。