若かりし(といっても33歳の頃)茂木健一郎の人生観や思考や生き方などについて綴ったエッセイ。科学書というよりは思想を追求した文学書のような色があると思います。詩的ですらある。人生の過渡期として悩みながらも答えを求めようとする意欲がうかがえる。僕個人としては共感できるところあり、共感できないところありでしたが、悩みながら思考を深めていくそのスタンス自体には好感を覚えます。今の茂木健一郎がこの頃考えていた内容をどこまで深めているのか、興味がわいてきました。
小鳥が目を細め。
笑いかけたとき。
本当は毒ワニも。
笑いたかったのです。
笑ったことなどない。
毒ワニは。
どうしたらいいのか。
分からなかったのです。
水の底で。
ひとりで。
毒ワニは。
遅い笑いをつくってみると。
身体の中にある。
玉のようなものが。
熱くなるのを感じました。
それは生まれて初めての。
感覚でした。
笑いかけたとき。
本当は毒ワニも。
笑いたかったのです。
笑ったことなどない。
毒ワニは。
どうしたらいいのか。
分からなかったのです。
水の底で。
ひとりで。
毒ワニは。
遅い笑いをつくってみると。
身体の中にある。
玉のようなものが。
熱くなるのを感じました。
それは生まれて初めての。
感覚でした。