いやー、何回見ても有馬記念のオルフェーヴルは強いわ。
もう、絶対に届かないような位置から捲って勝ってしまった。
鳥肌が立ち、背筋が凍るほどの強さ。
これは本当に本物の最強馬!
そう認識した瞬間でした。
それでもまだ完成形ではないと言う。
いったい完成したら、どれくらい強くなるのか。
それだけを楽しみにオルフェーヴルを見てきた。
凱旋門賞、大外18番枠。
凱旋門賞の鬼門と言われる大外枠。
レース当日に内柵が外されてグリーンベルトが広がる。
内に入った他の有力馬には有利すぎる条件。
絶望ともいえる大外を引き当てた池江調教師は言った。
『18番で良かった』
阪神大賞典での逃避。
あの悪夢をしてこう言うには理由がある。
凱旋門賞はスタート直後、
馬体をぶつけてでも好位置を取りに行くので有名。
それはもう激しいらしい。
オルフェーヴルは昨年のダービーでもそうだったが、
ぶつけられて戦意を失うタイプではない。
むしろその逆で、闘志に点火する。
でも、考えてみたら、スタート直後にそう言う事になれば、
その時点で折り合いがつかなくなってしまう。
消耗しきったオルフェーヴルは、惨敗も覚悟しなければイケないだろう。
その点、外からレースを進められれば、
コースのロスは確かに大きいが、ちゃんと力を温存できるはずだ。
しかし、前に馬を置きたいのは確かだから、
ここでアヴェンティーノの存在が重要になって来る。
とにかくアヴェンティーノの後ろで折り合いをつける。
ここが一番重要ではないかと思う。
さて、大外からのスタートを余儀なくされたスミヨン。
いったいどういったレースをするのか。
例えば後ろから行くのなら、アヴェンティーノが前でペースを上げて引っ張る。
差し足が生かせる展開にしなければならない。
下げるならば前に馬を置く事は難しくない。
ただ、ひたすら折り合いに専念し、末脚に賭ける。
追い込みのききにくいロンシャンで、それはある意味玉砕戦法を意味するが・・・。
中段から前に行くのなら、絶対にアヴェンティーノの存在は欠かせない。
馬群の外をまわる事になるが、
もう、それしか方法は無い。
外から内に入れるなど、いくらスミヨンでもかなり難易度の高い注文だ。
外を回す戦法。
でも馬の力を信じるならば、この戦法が一番現実的。
もちろんロスは大きいが、それでも勝てる力はある。
この記事の冒頭の有馬記念の記述。
あれを出来るオルフェーヴルなら不可能ではない筈だ。
そして、もしも超スローの展開になったとき。
思いきって、前でレースをするか。
先頭にアヴェンティーノ、2番手にオルフェーヴル。
この2頭でじっくり溜めて逃げる。
この戦法も、追いこみ同様リスクがかなり高い。
目標にされるし、最後に脚が上がる可能性も否定できない。
普段と違う位置でレースを展開するのはストレスが多そうだから。
スミヨンがどういうレースを展開するのか。
本当に興味は尽きない。
苦しい戦いになると思う。
完全アウェーな上に、絶望視される大外枠を与えられたオルフェーヴル。
でも、ありえない状況に追い込まれた時、
オルフェーヴルの中に流れる 『日本』 の血が、
それを打破させてくれると信じている。
ステイゴールドから受け継ぐ勝負強さとタフさ、
母父メジロマックイーンから継承される「意志」の強さ。
近代競馬150年で日本が培ってきた血が、そこには流れている。
日本代表、現役日本最強5冠馬・オルフェーヴル。
金色の雷神・オルフェーヴル。
世界を驚愕させる時が、ついにやってきた。
さあ、思う存分走ってくれ。
遠慮は、無用だ!