長内那由多のMovie Note

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『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』

2017-02-16 | 映画レビュー(な)

 悪友3人組によるクリスマスの乱痴気騒ぎを描いたブロマンスコメディ。ジョゼフ・ゴードン・レヴィット、アンソニー・マッキーという普段はあまりコメディに馴染みのない俳優が顔を揃えたのも製作、主演セス・ローゲンの人徳か。ジェームズ・フランコとの例を挙げるまでもなく、文科系俳優が“一緒にツルんだら楽しそう”と思えるバカさとユーモアセンスが彼にはあり、何より一番エグいギャグは身を張ってやってくれるから、こちらが下ネタをやらされる心配もない。監督ジョナサン・レビンもフィーリング・グッドムービーに留まった前作『50/50』よりずっと振り切ってくれていて、観ている側も一緒に飲み明かしているような楽しさがある。

もちろん、ただのおバカ映画には留まらず、レヴィット君扮する主人公が自らの殻を打ち破る恋愛映画としても見て取れる。ヒロイン役リジー・キャプランの清潔感も好感度が高く、ブロマンスもの特有の偏った間口に終わっていない。レヴィット君のファンは恋愛映画としてタグ付するのも良いだろう。

 カメオ出演では「やっぱりオマエかよ!」というタイミングでヘラヘラとフランコが登場するのもご愛敬だが、一番驚いたのは麻薬密売人ミスター・グリーンに扮したマイケル・シャノンだ。ヤク中風の激やせ演技はまさかこんな映画のために役作りしたのか、場をさらう怪演であった事を特筆しておこう。人気の“セス・ローゲン会”だからこそ成し得たメンツだ。


『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』15・米
監督 ジョナサン・レビン
出演 ジョゼフ・ゴードン・レヴィット、アンソニー・マッキー、セス・ローゲン、リジー・キャプラン、マイケル・シャノン
 

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