1990年にアラン・J・パクラ監督、ハリソン・フォード主演で映画化もされたスコット・トゥローの小説『推定無罪』を2024年に“再演”するなら、その意味を求めたくなるところだろう。シカゴの腕利き検事ラスティは同僚キャロリンを殺害した容疑で告訴される。現場にはいくつもの物証と、スマートフォンには最期の日、ラスティから送られた30通ものメールが残されていた。2人は不倫関係にあり、その関係はラスティが強い執着を寄せる泥沼状態にあったのだ。だが目撃者もなければ凶器もなく、ラスティの有罪を決定づけるものは何1つない。果たして彼は殺人者なのか?それとも無罪か?
『ロードハウス』に続いて今年2本目の主演作となるジェイク・ギレンホールを筆頭に、実生活の義兄ピーター・サースガードや、ルース・ネッガ、ビル・キャンプ、エリザベス・マーヴェルら演技巧者が集結。抑制された演技アンサンブルは全8話にまで冗長化された本作を救っている。ショーランナーを務めるデヴィッド・E・ケリーは近年、セックス殺人をテーマにした『フレイザー家の秘密』『ラブ&デス』といった法廷スリラーを継続的にリリースしており、社会倫理的な激動期にある昨今にどのような視点を見せるか注目されたが、いくら役者が良くてもホンをそのままやっているだけでは面白くならないのである。衝撃的な結末を迎える最終回の後にこそ本当の物語があると思うが、1シーズン完結のアンソロジーとしてシリーズ継続が発表された。
『推定無罪』24・米
製作 デヴィッド・E・ケリー
出演 ジェイク・ギレンホール、ルース・ネッガ、ピーター・サースガード、ビル・キャンプ、エリザベス・マーヴェル、レナーテ・レインスベ
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