長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『最期の祈り』

2017-03-14 | 映画レビュー(さ)
 今年のアカデミー短編ドキュメンタリー賞ノミネート作。日本ではめったに字幕付きで見る事のできないジャンルだが、配信サイトの大手Netflixがその製作、配信に力を入れ始めた事によってアメリカでの賞レースと時差なく見られるのは大いに有り難い。わずか24分、膨大な取材時間を短編というフォーマットに凝縮した独自のジャンルだ。

終末期医療の病棟にカメラは張り込み患者、家族、医師を追っていく。延命か、安楽死か。答えの出ない苦悶。しかし、いつか自分の身にも起きるであろう人生の選択肢を果たして僕たちは的確に選び取っていく事ができるのだろうか。彼らの決断を当然、僕らはジャッジできるワケがないのである。

 惜しむらくはカメラが取材対象に近づき過ぎており、劇映画のように見えてしまうことだ。ドキュメンタリーならではの意外性、偶発性が見てみたかった。


『最期の祈り』16・米
監督 ダン・クラウス

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