「テンペスト 上 若夏(うりずん)の巻」池上永一
「テンペスト 下 花風(はなふう)の巻」 角川書店2008
江戸末期琉球ー天才少女が国のため~宦官と偽って男の世界へ~大活躍
龍の子として生まれたような~
すごい勾玉があったり~でも、最終兵器的な使い方もされず~
できすぎる人間は上司からも部下からも煙たがられ~
でも、もてもてで~
恋心を抱いたり~その思いを閉じ込めたり~
恋心を抱かれて~その思いを閉じ込められたり~
国府内の不正を暴いたり~
麻薬組織を撲滅したり~
清国の変態宦官に強姦されたり~殺したり~
島流しになって死に掛けたり~特別な子だから助かったり~
美人だから王宮に招かれたり~
御内原(大奥)に入れられたり~
王の子を妊娠したり~
ペリー(アメリカ)を追い払ったり~
宦官に化けていたけど女とばれたり~逃げたり~見つかったり~
そうこうしている内に日本が開国したり~
沖縄が日本に奪われたり~
それでも民は生きていたり~
やっぱり琉球とともにこの世を去る人もいたり~
ネイオンよりもモウシが大好きです。マミナとウミトウもいいですね。
寧温(ネイオン)がキコエオオキミになるのかと思っていたのですが、最後まで人間でしたね~。超能力を使う神様になると思ったのに。そういう話じゃないんだ。な~んだ。
もうね、読者にいろんな期待をさせながら、それをきれいに裏切り続けていく作品作りですかね。
面白いですよ。期待しすぎなければ。
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上P417に”これが王宮との今生の別れになってしまうとは露とも思っていなかった”と書かれているのに、しれ~と帰ってくるんだよね。
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下P92 兄ちゃんが八重山まで追いかけようと~・・・時間経過がおかしくないか
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下P400 ”火事の日、王宮を去ったのは明の意思でもあった”って、明は赤ん坊だったろ!
話の流れをを面白くするために読者に嘘までつきますか?間違えたのかな。
寧温がもっとずるければ面白くなる(納得する)のにね。
頭がいいはずなのにバカなんだよね。ありえないわ。
仕組みとキャラクターが面白いのだけれど、深みがぜ~んぜん無い。
そうだ!韓流ドラマだ!
そうそう!
そう思って読めば納得だし、テレビのシナリオにし易そうだ。
キャラクターを前面に押し出せばアニメでもいけるかもね。(その場合はモウシを主人公にしてもらいたい(笑))
※キャラクターの楽しさはあるけれど、作品の余韻と納得度では「後宮小説(1989新潮社)」の方がずっと上だろう。なんだか、後出しじゃんけんで負けるところを目撃した気分。